鬼才・塚本晋也が新作で描く“戦争に加担した者の傷”『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』9月公開
鬼才・塚本晋也監督が、ベトナム帰還兵のアレン・ネルソンによる同名のノンフィクションを映画化した最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が、2026年9月よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開されることが決定した。
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▼鬼才・塚本晋也、新作は「戦争に加担した者の心の傷」を問う英語映画

カルト的傑作『鉄男』(1989)から40年近く、塚本晋也監督はつねに自らの映画言語を更新し続けてきた。その塚本監督が今、最大規模の挑戦に踏み出す。最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、全編英語作品であり、アメリカ、タイ、ベトナム、日本の4か国にまたがるロケを敢行した意欲作だ。
配給はキノフィルムズが担当し、第83回ヴェネツィア国際映画祭でのワールドプレミアも視野に入れている。
▼実在の平和活動家アレン・ネルソンの数奇な生涯

■アレン・ネルソン(著)『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
原作となるのは、実在のアフリカ系アメリカ人元海兵隊員、アレン・ネルソンの自伝的記録だ。ニューヨークで育ったネルソンは、貧困と人種差別から逃れるため18歳で海兵隊に志願。沖縄のキャンプ・ハンセンで訓練を受けた後、1966年にベトナムへ派遣される。現地での苛烈な任務の中で女性や子どもを含む多くの命を奪い、帰国後は深刻なPTSDからホームレス生活を送った。
やがて退役軍人病院での治療を経て再生したネルソンは、残りの人生を反戦・平和活動の証言に捧げた。1996年以降は日本各地の学校や市民ホールで1,200回を超える講演を行い、2009年に他界。遺骨は日本に埋葬されている。

■アレン・ネルソン(著)『戦場で心が壊れて: 元海兵隊員の証言』
「大岡昇平さんの『野火』を映画化するとき、さまざまな資料、書籍を読んだが、そのとき出会った何よりも恐ろしいノンフィクションが『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』だった。アレン・ネルソンさんは、ベトナム戦争で多くの人を殺した。そして戦争後遺症に生涯悩まされ続けた。自分の犯した罪とその後の人生を包み隠さず吐露した本は、いつまでも頭から離れず強烈に自分の心に刻み付けられた」
― 塚本晋也監督
本プロジェクトは、塚本監督が自身の監督作『野火』(2014)のリサーチ中にネルソンの著書に出会ってから7年の歳月をかけて構想・製作されてきた。今まさに世界各地で紛争が絶えない時代において、「今は亡くなってしまったアレンさんを蘇らせ、人々に知ってもらうことが今の世の中にどうしても必要」と監督は訴える。
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▼実力派キャストが集結、戦争三部作の完結へ

監督・脚本・撮影・編集のすべてを塚本晋也自身が担うというスタイルはそのままに、主演のアレン・ネルソン役にはブロードウェイミュージカル『RENT』のオリジナルキャストとして知られるロドニー・ヒックスが抜擢され、映画初主演を飾る。
また、ネルソンに再生のきっかけを与える退役軍人病院の医師ダニエルズを演じるのは、『シャイン』(1995)『英国王のスピーチ』(2011)のオスカー俳優、ジェフリー・ラッシュ。さらに、ネルソンの妻リンダ役にタティアナ・アリ、若き日のネルソン役に新星マーク・マーフィーが名を連ねる。

■塚本晋也監督『野火』(2014)

■塚本晋也監督『ほかげ』(2023)
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、フィリピン戦線の日本兵を描く『野火』(2014)、終戦直後の闇市を舞台にした『ほかげ』(2023)に続き、塚本監督が「20世紀の戦争映画三部作」と位置づける一連のプロジェクトの完結編でもある。新作では視点をアメリカ側へ移し、戦争に加担した者の心の傷を見つめることで、三部作の思想をさらに深化させている。
映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、2026年9月よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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