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Netflixアニメ『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』シーズン2が配信決定!ショーランナーが制作の舞台裏と今後の展望を語る

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アニメ『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』制作舞台裏
『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』より 写真:Netflix
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ドラマ版『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のスピンオフアニメとして配信された『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』は現在、大ヒット中だ。そしてシーズン1の配信から4日という異例の速さで、シーズン2の配信が正式に発表された。

本作は、ダファー兄弟によるオリジナル実写シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』が2025年末に完結してから、わずか4か月後に配信された。アニメ版は、ドラマ版のシーズン2とシーズン3の間にあたる「空白の期間」を舞台としている。

ミリー・ボビー・ブラウンフィン・ウルフハードデヴィッド・ハーバー、ウィノナ・ライダーらが出演した実写シリーズは、全5シーズン・10年にわたる長い歴史に幕を下ろした後も、SNSや視聴者の間で高い人気を誇っている。Netflixにおける同シリーズは、2026年3月までに累計15億回視聴を達成。Netflixの世界視聴ランキングに8週連続ランクインという記録も打ち立てた。

音楽面でも同シリーズの影響は大きく、プリンスの「パープル・レイン」のストリーミング再生数は急増し、ダイアナ・ロスの「アップサイド・ダウン」もグローバル検索数が急上昇した。

さらに、舞台版『ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ(原題)』のチケット販売数も、初演から比べて最高水準に達した。この公演を基にした映像化も予定されており、舞台版キャストの出演を予定している。

そんな大ブーム中のシリーズ最新作が、アニメ『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』だ。シーズン1は全10話で構成され、配信直後からNetflixの世界視聴ランキングで第7位にランクインし、280万回の視聴数を記録。Netflixの新作アニメシリーズとして、歴代トップ15入りも果たした。

本作は、アニメーション業界のベテランであるエリック・ロブレスがショーランナーを務めている。ロブレスは米『ハリウッド・リポーター』の独占インタビューに応じ、シーズン2の内容や、『ストレンジャー・シングス』シリーズの今後の展開について語った。


『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』はシリーズから派生した“遊び場”――キャラクターの成長をアニメで描く

――『ストレンジャー・シングス』シリーズの世界を広げるにあたり、その核にはどんな要素が含まれていましたか?また、自由にアレンジできた部分と、制約のあった部分を教えてください。

まずチームに与えられたミッションは、「私たちが80年代に観ていたテレビ番組を思い出しながら、子どもたちとの楽しい瞬間を描いてみよう」というものでした。

私にとっての原点は『アニメ ゴーストバスターズ』(1986年)です。当時、「ゴーストバスターズ」チームの新たな冒険をアニメ版で観られること自体が夢のようでした。ただ、アニメで重要なキャラクターだったブギーマンは、映画に登場しませんでした。『ゴーストバスターズ2』(1989年)公開時に「なぜアニメのブギーマンが登場しないのか」とは誰も言わなかったのです。

つまりアニメでは、映画に登場しなかった冒険が描かれたのです。だからダファー兄弟は、「世界の危機を背負う前の子どもたちを描いてほしい。ホーキンスを救う程度のスケールでいい。シーズン2と3の間という“遊び場”で、自転車に乗ったり、謎を解いたりする冒険を描いてほしい」と言いました。

ただし、いくつかの重要なルールもありました。それは、「ダファー兄弟が築いた、核となる世界観には踏み込まないこと」です。たとえば、マインドフレイヤーやヴェクナを自由に扱ってしまえば、既存の物語を壊してしまう可能性があります。

コアなファンでも違和感なく楽しめるようにするため、私たちは特に「キャラクターの一貫性」を重視しました。多少新しい一面を描くことはあっても、すべては既存の時間軸に収まるようにしています。これは世界観の拡張というより、キャラクターの成長物語なのです。将来的にシーズン2や3を作るなら、より日常に近い出来事を中心に描くことになるでしょう。

アニメシリーズ 『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』より
『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』より 写真:Netflix

――つまり、本作は公式設定というより、派生設定に近い位置づけなのでしょうか?

その通りです。たとえば、あの畑にカボチャが存在するはずはありません。ただし、科学的なロジックは成立しています。ユージーンの農場には大量のツルとデモドッグの死骸が残されており、ホーキンス研究所はその処理を行う必要がありました。

そこで私たちは、枯れた植物を再生させる血清を開発した「科学者」という設定を考案しました。胞子が有機物に付着すると感染が起き、あのような現象が発生するということです。

実は、これが最も難しいポイントでした。企画の初期段階でNetflixから私に声がかかった際、すでに多くのクリエイターが挑戦していましたが、「ゲートを開かずにどうやって新たなクリーチャーを登場させるか」が最大の課題だったのです。

そこで、子どもの頃に父と観た80年代映画に立ち返りました。その中の1本が『ZOMBIO/死霊のしたたり』(1985年)です。この作品から着想を得て、ホーキンス研究所の科学と裏側の世界の物質を組み合わせることで、全く新しい物語が生まれると気づきました。

シーズン2はどうなる?『ストレンジャー・シングス』シリーズの展開も明かす

――シーズン2の制作が決定しましたが、その先の展開についてはどのように考えていますか?

大まかな構想はありますし、とても魅力的な物語になると思います。しかし、そこまで長くシリーズを続けるつもりはありません。特に重要なのは、物語として「正しい終わり方」を見極めることです。

新キャラクターであるニッキー・バクスターの存在や、彼女がいなくなる理由も含めて考えてあります。厳密には、彼女はストーリーの時系列に沿っていません。本作はドラマ版シーズン4のポストプロダクションの時期に企画が進んでいたため、調整が難しい部分でした。

それでも、本シリーズをしっかり完結させる責任があると感じています。子どもたちの経験がどのようにシーズン3へつながるのか、そしてなぜ彼女の存在が語られないのか――そこまで含めて描き切りたいです。完璧なものを約束することはできませんが、チームとともに全力を尽くします。すべての人を満足させることは不可能ですが、きっと皆さんの期待に応えられるでしょう。

――シーズン2以降の新キャラクターや新たな設定について、ファンに伝えられることはありますか?

脚本家はまず、すべてのキャラクターのアーク(成長や変化の過程)を描かなければなりません。1話あたり22〜23分という限られた時間の中で、各話のストーリーとシーズン全体の流れを同時に成立させながら、すべてのキャラクターの変化を描く必要があります。登場人物が多いほど、その難度は上がります。

もし『ストレンジャー・シングス』シリーズがマイク、エル、ダスティンの3人だけの物語なら、いくらでも新キャラクターを増やせるでしょう。しかし、実際にはすでに多くのキャラクターがいるため、そこからさらに増やすのは簡単ではありません。

ファンからも「新キャラより既存キャラをもっと活かしてほしい」という声はよく聞きます。そういう意味で、ニッキーはちょうどいいバランスでしたし、ジェフやチャーリーといったいじめっ子キャラクターも登場させました。彼らは今後も登場するでしょう。

また、新たな舞台にも移る予定です。シーズン2では、ホーキンスの歴史や、あの場所の意味をより深く掘り下げていきます。町の創設にまつわる背景設定があり、それは最終回で描かれる“花”とも密接に関わっています。すべてのピースがどのようにつながるのか、注目してください。

アニメ『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』シーズン2配信決定
『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』シーズン2より 写真:Netflix

――シーズン1の最終回では、ニッキーがレゴ風のキャラクターとして、ホーキンス調査クラブとボードゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に参加するシーンが描かれています。Netflixはレゴとのコラボも行っていますが、こうしたアレンジを加えた単発エピソードを制作する可能性はありますか?

まずは、本シリーズをしっかり描き切りたいので、レゴのようなサイドストーリーを展開する予定はありません。企画初期には『アニメ ゴーストバスターズ』の話題も出て、スライマーが主人公たちの仲間になった例を出しました。「同じことをやるのか?そこまでマンガ的な作品にするのか?」という話になったんです。

しかし、あまりに子ども向けに振り切りすぎてIPの重みを損なってしまえば、視聴者が受け入れてくれないと思いました。そうやって一度ルールを崩すと、観る側は一気に物語から引き離されてしまい、作品の緊張感も失われてしまいます。

最終回で、ニッキーは命がけで戦っています。子どもたちが全力で立ち向かっても、あの女王は倒せません。それでも勝てたのは、友情という意志の力があったからです。あらゆる手を尽くし、打ちのめされても立ち上がり続ける、その姿こそが重要なんです。

これはアニメですが、脚本を書き、絵コンテを描き、アニメーションを制作する私たちは、これらの状況をすべて現実のものとして描いています。ストーリーテラーとして本気で向き合い、その覚悟で作品を届けています。

舞台版・ドラマ版との接点は?ドラマ版キャストを起用しなかった理由

――ブロードウェイの舞台作品『ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ』は、シリーズの前日譚に踏み込んでいます。アニメ版とのつながりはあるのでしょうか?

舞台版は独自の領域に踏み込んでいますが、私たちはそこまで踏み込みませんでした。その理由は、物語の中の子どもたちは、まだそうした事実を知らないからです。彼らはまだ、何かを発見し学んでいる最中です。

だからこそ、私たちはドラマ版のシーズン1・2の要素をもとに、自分たちなりの“橋”を架けました。私が理想としているのは、デイヴ・フィローニによるアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』です。最初は懐疑的に見られていたものの、次第に多くの人が引き込まれ、最終的には唯一無二の物語として受け入れられていきました。

――本作では、オデッサ・アジオン、ルー・ダイアモンド・フィリップス、ロバート・イングランドらが声優を務め、ドラマ版のキャストは出演していません。また、ジョイス・バイヤーズのような主要キャラクターも登場しません。登場キャラクターはどのように選んだのですか?

制作の事情として、まず予算や使えるリソースの制約があるため、登場させるキャラクターの数も決まっています。CGアニメは表現の自由度が高い反面、すべてのキャラクターのデザインやモデリングを、1から作らなければなりません。そのため、新キャラクターを登場させる場合は単なるカメオ出演ではなく、“物語に不可欠な存在”にする必要があります。

Netflixシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5より 写真:Netflix
ドラマ版『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5より 写真:Netflix

――新たな声優陣を起用したのは、やはり予算面の理由が大きかったのでしょうか?

たしかに、「なぜドラマ版の俳優を起用しなかったのか」と指摘する声もあります。しかし、ドラマ版のキャスト陣を呼べる予算はありませんでした。それだけでなく、スケジュールの問題もありました。キャストはそれぞれ別の仕事を抱えており、シーズン5の頃には「しばらくこの作品から離れたい」と感じていた人も多かったんです。

ただし声については、完全な再現を目指していたわけではありません。あくまで「近い」ものを探していたんです。中には非常にうまくハマった例もありました。例えばダスティンを演じた子役のブラクストン・クイニーは、初めて声を聞いたとき、「本物のダスティンの声だ」と思いました。

(ドラマ版でダスティン役の)ゲイテン・マタラッツォがスタジオ見学に来た際、ブラクストンの演技を聴いてもらったところ、彼は「これは僕?」と驚いていました。その反応を見て、正しい方向に進んでいると確信しました。

オーディションは「『ストレンジャー・シングス』のアニメ」とは明かさずに実施し、何十万件もの応募がありました。また、声の収録は3年半ほど前に行われています。収録時のアニメ版キャストはまだ幼く、それが重要な要素でした。

彼らがキャラクターを演じる中で生まれる個性と、ドラマ版の精神を両立させること。それが今回のキャスティングの狙いです。子役たちが持つ純粋なエネルギーと喜びは、ドラマ版とはまた違った魅力を引き出してくれました。

音楽で描く新たな『ストレンジャー・シングス』の世界――70’s楽曲使用の裏側

――本作が『ストレンジャー・シングス』の世界に独自性を加えている要素の一つが、タイトルテーマ曲です。本作の音楽面のアプローチについて教えてください。

たしかに、ドラマ版のテーマ曲をそのまま使うという選択肢もありました。ただ、ダファー兄弟は「これはあなた自身の作品にしてほしい」と言ってくれたんです。

そこで作曲家たちには、「私はこのシリーズの初期からの大ファンですが、お馴染みの曲を聴きたいわけではありません」と伝えました。そして飛行機にたとえ、こう言いました。「滑走路ではお馴染みのテーマが流れますが、離陸と同時に、ゆっくりとあなた自身の音楽へと移行していきます。そして着陸時には、再びオリジナルテーマに戻ってきます。最初と最後をお馴染みのテーマで挟み、間に新しい“旅”の体験を入れてください」

――選曲も非常に印象的でした。有名な曲だけでなく、ややマニアックな楽曲も使われていましたが、個人的に最も気に入っている曲と、使用するために最も苦労した曲を教えてください。

個人的にどうしても使いたかったのは、ザ・キュアーの「A Forest」です。第2話で、ルーカスとマックスがダスティンから連絡を受けてお祭りへ急ぐシーンと、森の中でロザリオがダスティンを追いかけるシーンで流れます。

私はザ・キュアーとボーカルのロバート・スミスの大ファンで、15歳のときに初めて行ったライブは彼らの公演でした。あの曲をあのシーンに使ったことには特別な意味がありますし、歌詞もピッタリだったと思います。

一方で、最も苦労したのはブラック・サバスの「Children Of The Grave」でした。体感では、予算の半分近くを費やしたと思います。オジー・オズボーンが関わっていたこともあり、権利取得にかなり難航しました。一時は代わりの曲を使おうとしたほどです。

最初に「ゾンビカボチャのシーンでこれを使ってみてほしい」と提案してくれた、共同エグゼクティブプロデューサーのイアン・グラハムには感謝しています。スタッフたちで一緒に聴いた時は大興奮でした。

その後、Netflix側にも「ブラック・サバスの権利取得は難しいかもしれないが、まずは聴いてほしい」と伝えたところ、全員がその魅力に引き込まれました。最終的には、音楽スーパーバイザーのアリソン・ウッドが粘り強く交渉してくれて、実現したんです。

劇場上映が示すアニメの可能性「テレビアニメより映画に近い体験」

――アニメーション制作はこの20年で大きく進化しました。本作のようなアクション要素の強いヤングアダルト向けホラーアニメにおいて、特に影響の大きかった進化は何でしょうか?

私の最初の作品はニコロデオンの『ファンボーイ&チャムチャム(原題)』(2009年~)でした。当時は、スクアッシュ&ストレッチ(物体が押しつぶされたり、伸びたりする動き)をCGで表現するのは不可能だと言われていましたが、私はそれを実現したかったんです。周囲からは「無理だ」と言われ続けましたが、方法は必ずあると信じていました。

その頃と比べると、現在のCG技術の進化は驚異的です。特に本作では、ライティングやカラー、テクスチャの表現が非常に重要でした。子どもたちが懐中電灯を使うシーンのレンズフレアや、空気中に漂う微細な塵など、細部までこだわっています。

『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』より
『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』より 写真:Netflix

――劇場での先行上映も行われましたが、いかがでしたか?

センチュリーシティAMC(映画館)でキャストとファンを招いた上映を行ったのですが、鳥肌が立ちました。私は物心ついた頃から父に連れて行ってもらい、映画館に通っていました。特に80年代後半から90年代にかけては、センチュリーシティAMCによく来ていたんです。自分の関わった作品がそこで上映されたことは、特別な出来事でした。

しかも、会場には熱心なファンが集まってくれました。あの空間は本当にすばらしく、まるでコンサートのようでした。ファンが一体となって楽しんでくれた、あのエネルギーは忘れられません。

その後の上映も自分でチケットを買い、妻と息子と一緒に鑑賞しました。今度は一人のファンとして楽しみたかったんです。満席の劇場で最後列の席に座り、その場の熱気を肌で感じました。観客のそれぞれが『ストレンジャー・シングス』のグッズを身につけ、思い思いにリアクションしている姿を目の当たりにして、胸が熱くなりました。あの愛と興奮は、お金では買えないものです。

――近年、テレビアニメが劇場上映される流れも広がっています。本作の上映は、業界にどのような可能性を示すでしょうか?

KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』がNetflixで配信された際、多くの人が熱狂し、「劇場で上映しよう」という声が上がりました。また、ドラマ版『ストレンジャー・シングス』シーズン5も劇場上映され、独自の盛り上がりを見せました。

だからこそ私は、「今回の上映にぜひ足を運んでほしい」と強く呼びかけたんです。これは単なる一つの作品の話ではなく、アニメ作品が劇場でプレミア上映される貴重な機会でした。その意義は非常に大きいと思います。多くの人がこうした上映を支持してくれれば、アニメに限らずあらゆるテレビ番組にとって、次のチャンスにつながるかもしれません。

私たちが制作している作品の多くは、もはや従来のテレビ番組ではなく、むしろ映画に近いものです。最終回には壮大な展開を用意し、まさに映画的な体験として設計しました。シーズン2以降も機会があれば、この方向性で続けていきたいと考えています。大人の視聴者からの期待に応えるためにも、それは私たちの責任だと思っています。

そして同時に、業界全体の存続に関わる問題でもあります。現在、アニメーション業界の約8割が厳しい状況に置かれており、私の友人の多くも仕事を失っています。私自身が雇用できる人数には限りがあるので、この業界にはもっと多くの支援が必要です。だからこそ、今回のような劇場上映の重要性は計り知れません。


『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』シーズン1は、現在Netflixで配信中。シーズン2は今秋、Netflixで独占配信される。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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