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ホラー映画『Backrooms』が大ヒット&最年少記録!YouTube出身ケイン・パーソンズ、20歳の監督を徹底解説

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『Backrooms』20歳の監督ケイン・パーソンズを徹底解説
『Backrooms(原題)』 写真:A24
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この春、ホラー映画『オブセッション 災愛』と『Backrooms(原題)』の2作品が映画界で大きな話題を集めている。その共通点は、新進気鋭の若き才能が監督を務めていることだ。

5月15日(金)に北米で公開された『オブセッション 災愛』は、26歳の映画作家カリー・バーカーがメガホンを取った。5月29日(金)に公開された『Backrooms』の監督は、弱冠20歳でYouTuber出身のケイン・パーソンズだ。

特に『Backrooms』は瞬く間に興行記録を更新し、北米で初週9,770万ドル(約156.5億円)という興行収入を記録した。これはA24史上最高の北米初週興行収入である。

本作は心理的要素を前面に押し出したファウンド・フッテージ・ホラー。医師のメアリー(演:レナーテ・レインスヴェ)が、失踪した患者クラーク(演:キウェテル・イジョフォー)を追い、異次元の世界へ足を踏み入れていく様子を描く。

本作はパーソンズにとって長編映画監督デビュー作でありながら、すでにホラー界の重鎮であるジェイソン・ブラムとジェームズ・ワンから高い評価を受けている。2人は近年、「ホラー映画こそが映画業界を支えている」と語っている。

本記事では、ホラー映画界注目の新星であるケイン・パーソンズの軌跡を追っていく。

『Backrooms』がいきなり大ヒット!20歳の映画監督ケイン・パーソンズとは?

ケイン・パーソンズ、ロサンゼルスでの『Backrooms(原題)』プレミア上映にて=2026年5月7日
ケイン・パーソンズ、ロサンゼルスでの『Backrooms(原題)』プレミア上映にて=2026年5月7日 写真:Amanda Edwards/Getty Images

ケイン・パーソンズは2005年6月18日、カリフォルニア州ペタルーマで生まれた。幼い頃から独学で映像制作を学び、その後はノバト高校内にあるマリン・スクール・オブ・ジ・アーツで映画を学んだ。

2015年にはYouTubeチャンネル「Kane Pixels」を開設。ゲーム『マインクラフト』関連の動画やネットミームを使用した動画を投稿しながら、3DCGソフト「Blender」などを使った映像制作技術を磨いていった。

パーソンズは過去のインタビューで次のように語っている。

「僕はずっとインターネットとともに育ってきた。そしてVFX系のチャンネルを観るうちに、自分にもできるかもしれないと思ったんだ。11歳くらいの頃、ノートパソコンでどうにかVFXソフトを手に入れて、『After Effects』の使い方を学び始めた」

13歳のときには関節炎と診断され、歩行すら困難な時期もあった。しかし、この経験が創作活動を後押しし、自身が没入できる3D空間やセットをパソコン上で作るようになったという。

『Backrooms』はYouTubeから生まれた――きっかけは“ネットの都市伝説”

ケイン・パーソンズ監督(左)、キウェテル・イジョフォー(右)、『Backrooms(原題)』撮影現場にて 写真:A24 / courtesy Everett Collection
ケイン・パーソンズ監督、キウェテル・イジョフォー、『Backrooms(原題)』撮影現場にて 写真:A24 / courtesy Everett Collection

映画『Backrooms』の原点は、インターネット上に投稿された不気味な1枚の画像だった。その画像はやがて「クリーピーパスタ(ネット怪談)」として拡散され、都市伝説的な存在へと発展していく。

このネット文化に魅了されたパーソンズは、独自のファウンド・フッテージ作品『The Backrooms (Found Footage)』を制作し、2022年にYouTubeに投稿。同シリーズは2022年から2025年にかけて爆発的な人気を獲得した。

当時高校生で大学進学の準備を進めていたパーソンズのもとには、スタジオから長編映画化の企画が次々と舞い込んだ。そして最終的にA24からの提案を受け、大学進学を延期して『Backrooms』の製作に専念する決断を下した。

パーソンズはこう振り返っている。

「突然、まったく別の人生の道が開けたような感覚だった。でも不安定だし、リスクも大きい。こういうチャンスは突然現れて突然消えることもある。だから浮かれすぎないようにしていた。実際、2022年秋に長編映画化の話が出るまでは大学進学について決めていなかった。A24と権利のオプション契約を結んでから、ようやく本格的に製作に取り組もうと決めたんだ」

『Backrooms』で数々の新記録を樹立!続編の可能性は?

『Backrooms』の公開によって、パーソンズは「A24作品の史上最年少監督」記録をはじめ、「世界興行ランキング1位を獲得した史上最年少監督」という新記録も樹立した。

また、製作費1,000万ドル(約16億円)という低予算作品でありながら、公開から1週間足らずで北米興収1億ドル(約160億円)を突破した。

さらに本作は、ジョシュ・サフディ監督&ティモシー・シャラメ主演の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(2025年、北米興行収入9,600万ドル)を抜き、A24作品として北米歴代最高興行収入の記録も打ち立てた。

パーソンズが続編の脚本家を探しているという報道もあったが、本人はこれを否定している。先週配信されたポッドキャストで、彼は次のように語った。

「どこから続編の話が出てきたのか分からないが、僕の『続編に前向きだ』という発言から生まれた憶測だと思う。現時点では具体的な計画は何もない」

次回作については明らかになっていないが、これほどの大ヒット作だけに、続編が制作される可能性も十分考えられる。

批評家からも高評価!「本当に20歳の青年が監督?」の声も

フィン・ベネット、キウェテル・イジョフォー、ケイン・パーソンズ監督、レナーテ・レインスヴェ、ルキタ・マックスウェル、マーク・デュプラス、『Backrooms(原題)』プレミア上映にて=2026年5月7日
フィン・ベネット、キウェテル・イジョフォー、ケイン・パーソンズ監督、レナーテ・レインスヴェ、ルキタ・マックスウェル、マーク・デュプラス、『Backrooms(原題)』プレミア上映にて=2026年5月7日 写真:LISA O’CONNOR/AFP

映画『Backrooms』はキウェテル・イジョフォー、レナーテ・レインスヴェ、フィン・ベネット、ルキタ・マックスウェルらが出演し、ウィル・スーディックが脚本を担当。ホラー界の巨匠であるジェームズ・ワンやオズグッド・パーキンスらがプロデューサーとして参加した。

本作は興行面でスマッシュヒットを記録したのみならず、映画レビューサイト『Rotten Tomatoes』でも89%という高い評価を獲得している。

米『ハリウッド・リポーター』のアンジー・ハンは次のように評している。

「不気味な雰囲気だけでは限界がある。バックルームの探索が長引くにつれて、奇妙な出来事は“無作為なもの”に見えてくる。作品の世界観や規則性、登場人物の心理から生まれたものではなく、観客の考察を引き出すためだけに存在しているようにも感じられる。しかし最終的に、観客は『意味のある答えは用意されていない』と気づくのだ」

しかし、映画のヒットとともに、インターネット上では懐疑的な声も生まれてきた。完成度の高さから、「20歳でこれほどの作品を監督できるはずがない」という憶測も広がっている。

しかし、「パーソンズは実際には監督していない」と主張するXのユーザーに対し、出演者のマーク・デュプラスはすぐに反論した。

「失礼ですが、あなたは撮影現場にいたわけではないでしょう。私は現場にいました。ケインは完全に現場を指揮していましたし、彼の3倍の年齢の監督たちよりもずっと落ち着いていて的確でした」

音楽制作も!マルチに活躍する若き才能――AI活用には反対派

パーソンズは監督だけでなく、エド・ヴァン・ブリーメンとともに劇伴音楽の制作にも携わった。しかし、制作中は多忙を極めたという。『The New York Times』紙の取材では、「気づけば仕事を抱え込みすぎていた」と語った。

「作品を完成させるために、1日21時間労働に近い生活を送り、自分の神経を限界まで酷使してしまった」

一方で、ハリウッドでも生成AIの活用が広がる中、パーソンズはAIの活用には反対の立場を示している。最近のテレビ番組のインタビューで、彼はこう語った。

「芸術とは人生を理解し、上手く付き合っていくための手段だと思う。だから、そのプロセスの一部を外部(AI)に委ねることに価値を感じない」

「誰かの作品を観ている時、背景などに生成AIが使われていると分かった瞬間、その世界についてもっと知りたいとか、細部を探求したいという気持ちが消えてしまう。そこに恣意的な要素が入り込むと、『何でもあり』になってしまうと感じるんだ」

YouTuberから映画監督へ――ホラー界の新たな成功ルート

『オブセッション 災愛』より
『オブセッション 災愛』 写真:Focus Features/Courtesy Everett Collection

今年注目を集めるもう一本のホラー映画、『オブセッション 災愛』を手がけたカリー・バーカー監督も、もとはYouTube出身のクリエイターだ。

『オブセッション 災愛』はわずか75万ドル(約1.2億円)の製作費で完成したが、フォーカス・フィーチャーズが約1,500万ドル(約24億円)で買い取り、公開3週目で興行収入1億1,100万ドル(約178億円)を突破する大ヒットとなった。

米『ハリウッド・リポーター』の取材では、この流れに続くYouTube出身の監督として、ディラン・クラークに期待が集まっている。クラークはライオンズゲートによる『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』リブート版で監督を務める予定だ。

ホラー映画の名プロデューサーとして知られるジェイソン・ブラムは、YouTube出身の若い映画作家たちについて、次のように語っている。

「彼らが本当に望んでいるのは、ただ面白い映画を作ることなんだ。『Backrooms』も『オブセッション 災愛』も尖っていて、奇妙で、エネルギーに満ちている。まるで1970年代の映画界のようだ。若い作り手たちが大胆な作品を生み出し、それが劇場で大きな共感を呼んでいる。今の若者の多くは、映画館に通う文化を経験せずに育った。ところが、突然現れたこの2本の映画が、観客をスクリーンへ呼び戻したのだ」

※為替レートは2026年6月8日時点の数値で換算しています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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