スピルバーグVSルーカス、『インディ・ジョーンズ』最大の賛否を生んだ“宇宙人”論争の舞台裏が明らかに
映画『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でシリーズファンを二分した“宇宙人”をめぐる展開。そのアイデアに、実はスティーヴン・スピルバーグ監督自身も最後まで積極的ではなかったことが明らかになった。ジョージ・ルーカスとのクリエイティブな衝突の舞台裏が、新たな証言によって浮かび上がっている。
▼スピルバーグとルーカスが激突した『インディ・ジョーンズ』制作秘話

米『Vulture』に掲載されたスピルバーグの証言によると、シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスは、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』を1950年代のSF映画へのオマージュとして構想していたという。しかし、主演のハリソン・フォードとスピルバーグは「これ以上SF映画を作りたくない」と難色を示した。
ルーカスは当時を振り返り、「1950年代は空飛ぶ円盤の噂でもちきりだった。だから完璧だと思った」と説明。一方でスピルバーグは「嫌だ」と反対し、複数の脚本案を経て、「宇宙人ではなく別の次元から来た存在にする」という折衷案にたどり着いたという。
▼「100%納得していなかった」製作陣の本音

共同製作総指揮のキャスリーン・ケネディも、スピルバーグとフォードが本作の方向性に苦悩していたことを認めている。2人は“宇宙人が登場する『インディ・ジョーンズ』”に最後まで完全には納得できず、そのことでルーカスと激しく意見を戦わせたと明かした。
ケネディは、ルーカスのアイデアを採用した判断自体は「おそらく正しかった」としながらも、「スピルバーグが手がけた4作品のなかでは、最も見劣りする作品になってしまった」と回想。その経験があったからこそ、フォードは最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』でシリーズの締めくくりに強い思いを注いだという。
▼賛否を呼んだ『クリスタル・スカルの王国』

2008年公開の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』は、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年ぶりとなるシリーズ第4作。1957年を舞台に、ハリソン・フォード演じるインディが、テレパシー能力を持つクリスタル・スカルをめぐってソ連のKGBと対峙する姿が描かれた。
劇中では、ロズウェル事件の遺体が保管されたエリア51や、クライマックスで異次元の存在が姿を現す展開など、従来とは異なるSF要素が大きな話題になった。批評家の評価は概ね好意的だったものの、ファンの間では現在もシリーズ屈指の賛否両論作として語り継がれている。
その後、スピルバーグは2023年公開の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で監督の座をジェームズ・マンゴールドへ譲ったものの、製作総指揮としてシリーズに関わり続けた。『クリスタル・スカルの王国』をめぐる創作上の葛藤は、インディ最後の冒険へと続く重要な転換点だったのかもしれない。
記事/和田 萌

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