ブルース・スプリングスティーン、社会正義賞受賞 ボノ&パティ・スミスと共演、反トランプ姿勢鮮明に
ブルース・スプリングスティーンが現地時間14日、ニューヨークで開催中のトライベッカ映画祭で「ハリー・ベラフォンテ・ボイス・フォー・ソーシャル・ジャスティス賞(社会正義賞)」を受賞した。壇上では移民摘発をめぐる連邦政府の対応を批判し、ミネアポリスやロサンゼルス、ポートランドの市民に賞を捧げると語った。
この日のセレモニーでは、U2のボノとの対談や、パティ・スミスとの共演も実現。音楽と社会活動の関係について語り合う場となった。
ブルース・スプリングスティーン、受賞した「社会正義賞」を市民に捧げる
同賞は、故ハリー・ベラフォンテの理念を受け継ぎ、芸術やストーリーテリングを通じて社会に変化をもたらした人物を称えるもの。これまでに政治活動家のステイシー・エイブラムスや俳優のジェーン・フォンダらが受賞している。
しかしスプリングスティーン本人は、自身を「活動家とは思っていない」と謙虚な姿勢を見せた。
「私は歌を歌い、少し発言し、人々を少し手助けするだけ。もっと大きな貢献をしている人たちはたくさんいる」
そう語ったうえで、今年連邦当局による移民取締りをめぐって抗議活動が起きたミネアポリス、ロサンゼルス、ポートランドの市民へ敬意を表明した。
「今年、連邦政府による“都市への介入”に立ち向かったすべての市民に、この賞を捧げたい」
近年のスプリングスティーンは、ドナルド・トランプ大統領への批判を繰り返しており、今年には移民政策をテーマにした新曲『Streets of Minneapolis』を発表。移民取締り強化への反発を音楽で表現している。
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Streets of Minneapolis (Radio Mix)ブルース・スプリングスティーン

画像:Amazon.co.jp
ブルース・スプリングスティーン「アメリカは神聖な議論によって成り立つ」
対談では、建国250周年を翌年に控えるアメリカ社会についても持論を展開した。
ボノから「分断されたアメリカが再び隣人同士として結びつくためには何が必要か」と問われると、スプリングスティーンは即答を避けながらも、「アメリカは神聖な議論(Sacred Argument)によって成り立つ国だ」と語った。
「アメリカはそもそも意見の対立の中から生まれた国だ。市民同士が議論を交わすこと自体は問題ではない。大切なのは、その中でも互いの尊厳と人間性を認め合うことだ」
さらに、「国が存続するには、自らを語る共通の物語が必要だ」と指摘し、その物語を再び見つけ出すための闘いが続いているとの認識を示した。
ロバート・デ・ニーロもトランプ氏を痛烈批判
授賞式では、トライベッカ映画祭共同創設者のロバート・デ・ニーロもスプリングスティーンを紹介。
「ブルースは問題の本質を理解している。そして、その名を口にする。ドナルド・トランプだ」と語り、トランプ大統領とその支持者を厳しく批判した。
これに対しスプリングスティーンは笑顔を見せながら、「トランプを批判させたら、ボブ(デ・ニーロ)にかなう人はいない」と応じた。
さらに、2018年のトニー賞授賞式でデ・ニーロがテレビ中継中に放った有名な「Fuck Trump」発言を振り返り、「あのあと自分がステージに出るのは大変だった」とジョーク交じりに語り、会場の笑いを誘った。
ボノが語った「ブルース・スプリングスティーンはアメリカそのもの」
この日プレゼンターを務めたボノは、スプリングスティーンを「アメリカを体現する存在」と称賛した。
「ブルースは人々の声を詩に変え、その詩を音楽にした」
さらに彼の楽曲は映画のようにアメリカの物語を描いてきたと述べ、「彼は映画館のスクリーンにはほとんど登場しなかったが、その音楽そのものがシネマだった」と評した。
パティ・スミスとの共演で会場が熱狂
授賞式の最後には、パティ・スミスがステージに登場し、『Peaceable Kingdom』を披露。その後、スミス、ボノ、スプリングスティーンの3人で代表曲『People Have the Power』を熱演した。
パフォーマンス後、スミスは観客に向かって「自分の声を忘れないで」と呼びかけた。
続いてスプリングスティーンは『Land of Hope and Dreams』を披露し、「God Bless America(神よアメリカを祝福したまえ)」との言葉で締めくくった。さらに、同日行われたNBAファイナルを前に「Go Knicks!」と叫び、ニューヨークの観客から大きな歓声を浴びた。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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