『マトリックス』監督が激白!キャストが「全員トランスジェンダー」の新作、ハリウッドに出資拒否される
映画『マトリックス』シリーズを共同監督したリリー・ウォシャウスキーが、キャスト全員がトランスジェンダーという新作映画の資金調達の難しさと、ハリウッドにおける多様性描出の厳しさについて胸の内を明かした。
▼「今は最悪の時期」『マトリックス』監督が落胆する厳しい現実

米KCRWのポッドキャスト番組『The Business』に出演したリリー・ウォシャウスキー監督は、作品の持ち込みにおいて厳しい現実に直面していると語った。ハリウッドにおいてマイノリティや当事者の視点を描く映画の機会は、近年急速に減少しつつあるという。
「こうした物語を世に送り出そうとするには、残念ながら今は業界全体で最悪の時期なんです」と、現在のエンタメ業界を取り巻く冷え込んだ状況に落胆を隠さない。
▼予算1,000万ドルの壁、大手スタジオが出資を拒否

ウォシャウスキー監督が例に挙げたのは、現在手がけている新作映画『The Hunted(原題)』だ。予算約1,000万ドル(約15億9,000万円)のディストピア政治スリラーとして企画され、パートナーのミッキー・レイ・マホニーと共同で脚本を執筆した。
ハリウッド各社へ脚本を持ち込んだものの、大手スタジオからの出資はことごとく拒否された。「みんな脚本自体は気に入ってくれるのですが、キャストの最初から最後まで全員がトランスジェンダーだからという理由で、制作には腰が引けてしまうんです」と現状を語る。
資金調達が難航する一方で、本プロジェクトはトランスジェンダーである監督自身にとって極めて重要な意味を持つ。「世界中でトランスジェンダーの人々が直面している現実への応答であり、自分の中に溜まっていた怒りや葛藤のすべてを叩きつけるカタルシスの場でもあったんです」と熱弁した。
▼「1000万ドルの映画」にこだわらない新たな道

資金難を受け、ウォシャウスキー監督は従来の映画制作という枠組みにとらわれないアプローチへと舵を切った。今月上旬にはロサンゼルスの劇場で、キャスト陣によるライブ本読みイベントを開催し、作品を直接ファンへ届ける試みを実施した。
「とにかく外へ飛び出して、仲間たちと一緒にトランスジェンダーとしての喜びを分かち合おうと思ったんです。当初思い描いていた形とは違いますが、たどり着くゴールは同じですから」と意気込みを見せる。
姉のラナ・ウォシャウスキーとともに『マトリックス』3部作や『バウンド』『クラウド アトラス』など数々の名作を送り出してきた名匠が、この試練をいかに乗り越え作品を完成させるのか、今後の動向から目が離せない。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
【関連記事】
- ローレンス・フィッシュバーン、『マトリックス』第4弾へ出演を申し出るも「良い反応ではなかった」と明かす
- ハリウッドでLGBTQ表現が激減?カナダ発クィア映画の監督が語る「政治に負けない表現の自由」
- ペンタトニックスのスコット・ホーイング、第1子誕生を発表──代理出産で夫マークとの娘を迎える
- ピクサー「LGBTQテーマを扱わない方針」と幹部が明かす――『星つなぎのエリオ』はLGBTQ要素を削除
- LGBTQ+映画のおすすめ25選!心に残る名作を一挙紹介
