【F1アゼルバイジャンGP2026】ラッセルが衝撃の大差ポール、アントネッリはQ1でまさかのクラッシュ
東西が交差する古都バクーで、メルセデスとアントネッリの明暗が大きく分かれた土曜日
バクーの空気、歴史、そして今年の特別な事情
バクー。カスピ海に面したアゼルバイジャンの首都。12世紀の石造りの城壁と、時速300キロ超のストレートが共存する、F1カレンダーで最も異色の舞台だ。ヨーロッパとアジア、ロシアとトルコとペルシャの文化が交差するこの街は、モナコの華やかさともマドリードの喧騒とも異なる——もっと静かで、もっと本物の空気を持つ。
今年は例年と異なる点が一つある。アゼルバイジャンの国家哀悼の日との重複を避けるため、決勝が日曜日ではなく土曜日に移された。レースが国の慣習に従う——それだけでこのグランプリの性格が見えてくる。
セレブリティの顔ぶれはモナコやマドリードとは比べるべくもないが、それがバクーらしさだ。昨年のパドック最大の話題は著名人ではなく、チームガレージの間に迷い込んだ一匹の野良猫だった。ドライバーたちは足を止め、チームスタッフは微笑み、SNSは沸いた。バクーは見せるための場所ではなく、体験するための場所だ。今年もパドックの外では、名物のストリートキャットたちが旧市街の石壁で日向ぼっこを楽しんでいる。
天候は強風と高温——バクーらしい難しいコンディションだ。路面温度は高く、壁まで数センチのストリートサーキットで、その条件は一つのミスが全てを台無しにする。今年もそれは証明された。
予選——ラッセルの独壇場、アントネッリの衝撃

ジョージ・ラッセルがQ1、Q2、Q3の全セッションを制し、1分42秒526という圧巻のタイムで今季5度目のポールポジションを獲得した。2位のルクレールとの差は0.837秒——ストリートサーキットでこれだけの差をつけるのは尋常ではない。バクーのメルセデスは、別次元の速さを見せた。
しかし今日最大のニュースはラッセルの速さではなかった。チャンピオンシップリーダーのキミ・アントネッリがQ1のターン1で壁にサスペンションを激しくヒット。レースエンジニアから「修復不可能」と告げられ、わずか5周でセッション終了——16番手という屈辱的な結果となった。マドリードで88ポイントのリードを誇るアントネッリにとって、明日(土曜決勝)の後方からの追い上げが必須となった。
Q3では復帰戦のアイザック・ハジャーが4番手という驚異的なタイムを叩き出し、フェルスタッペンを上回った。7月以来の公式予選でラッセルとわずか0.974秒差——レッドブルにとって久しぶりの明るいニュースだ。ルクレールが2位、ピアストリが3位。ノリスは最終アタックでブレーキをロックアップして5位。フェルスタッペンはイエローフラッグの影響もあり8位に沈んだ。
決勝グリッドトップ10:ラッセル、ルクレール、ピアストリ、ハジャー、ノリス、ハミルトン、ガスリー、フェルスタッペン、サインツ、コラピント。
バクーは常に混乱を提供してきた。後方16番手のアントネッリが古都の石壁に沿った2キロのストレートでどこまで追い上げられるか——今年の決勝も、予測不能なバクーらしい結末が待っているはずだ。
F1バクーGP2026 予選結果
- ラッセル(メルセデス)
- ルクレール(フェラーリ)
- ピアストリ(マクラーレン)
- ハジャー(レッドブル)
- ノリス(マクラーレン)
- ハミルトン(フェラーリ)
- ガスリー(アルピーヌ)
- フェルスタッペン(レッドブル)
- サインツ(ウィリアムズ)
- コラピント(アルピーヌ)
- ベアマン(ハース)
- ローソン(レーシングブルズ)
- アルボン(ウィリアムズ)
- オコン(ハース)
- リンドブラッド(レーシングブルズ)
- アントネッリ(メルセデス)
- ボルトレート(アウディ)
- ヒュルケンベルグ(アウディ)
- アロンソ(アストンマーティン)
- ペレス(キャデラック)
- ストロール(アストンマーティン)
- ボッタス(キャデラック)
