リチャード・ガッド、『私のトナカイちゃん』結末への思いを語る ―「それぞれの考察を」

リチャード・ガッド、5月7日 写真: Monica Schipper/Getty Images
リチャード・ガッド、5月7日 写真: Monica Schipper/Getty Images
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Netflixの新作ヒットドラマ『私のトナカイちゃん』の主演リチャード・ガッドが、米テレビアカデミー主催のパネルディスカッションに登壇し、本作の制作過程や結末への思いについて語った。

ガッドの実体験に基づく『私のトナカイちゃん』は配信後、アメリカのNetflix英語シリーズ・ランキングで3週連続1位を獲得するなど、大きな話題を呼んでいる。

同作の主人公は、バーで働く売れない芸人のドニー(ガッド)。ある日、バーで孤独な女性マーサ(ジェシカ・ガニング)に紅茶を無料で提供したことをきっかけに、彼女から狂気的なストーカー行為を受けることになるという物語だ。

(左から)J・ガニング、W・トフィウスカ、R・ガッド、N・マウ、P・オリヴァー 写真: Monica Schipper/Getty Images
(左から)J・ガニング、W・トフィウスカ、R・ガッド、N・マウ、P・オリヴァー 写真: Monica Schipper/Getty Images

ステージ上に登壇したガッドは、自身の一人芝居をドラマ用に脚色するのに“膨大な時間を費やし、かなり憑りつかれていた”と明かした。一方で、「やりすぎかなとは思いましたが、後悔したくなかったのでとにかく全力で取り組みました」と思いを伝えた。

ドラマの人気により、ネット上では実話に基づく本作の登場人物のモデルになった人々を特定する動きが活発になった。ガッドはこの事態を受け、人物特定をやめるようファンに呼びかけている

Netflix『私のトナカイちゃん』写真: NETFLIX
Netflix『私のトナカイちゃん』写真: NETFLIX

「私は、決して嘘をつきたくなかったんです。つねに、『これは自分が経験した事実と一致しているか』と確認していました。一致しない部分があれば修正する必要がありましたが、それは綱渡りのようでした。ドラマとして面白く見せる部分と、自身の物語を売り渡さずにいる部分との間でしょっちゅうバランスを取らねばならず、終始本当に骨の折れる作業でしたね」

本作の配信後、実在のストーカーの女性は複数のインタビューに応じており、法的措置をとる意向を示している。ガッド本人はストーカー行為を受けた自身の経験について、以下のように振り返った。

「どこにいても追われているような気がして、普通の生活ができなくなっていました。でも不思議なことに、痛いほど彼女に同情している自分もいました。私は、彼女を悪者だとは思っていません。システムに見捨てられ、必要な助けを得られずにいた人なのです」

(左から)J・ガニング、R・ガッド、N・マウ 写真: Monica Schipper/Getty Images
(左から)J・ガニング、R・ガッド、N・マウ 写真: Monica Schipper/Getty Images

また、本作がこれほどまでにヒットした理由については、「この作品は、ダークで一筋縄ではいかない人間性を捉えています。すべての人間は、善と悪が混じり合っているのです」と見解を示した。

R・ガッド、J・ガニング、7日 写真: Emma McIntyre/Getty Images for Netflix
R・ガッド、J・ガニング、7日 写真: Emma McIntyre/Getty Images for Netflix

最後に、司会者から“視聴者にどんなメッセージを受け取ってほしいか?”と問われると、ガッドはそれぞれの結末を導き出してほしいと伝えた。

「私は、メッセージが曖昧なところが気に入っています。意図があまりに明快な作品は、自分としては受け入れにくいことがあります。本作のラストシーンについて、さまざまな考察記事を目にしました。1つのシーンに対して、複数の考察が生まれるのは素晴らしいですね。なぜなら、結局のところ、視聴者には私の作品から自分なりの何かを得てもらいたいと思っているからです」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌

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