ドナ・ラングレー氏、カンヌで「ウーマン・イン・モーション」を受賞 豪華ゲストが集結
NBCユニバーサル・スタジオ・グループ会長兼チーフ・コンテンツ・オフィサーのドナ・ラングレー氏が18日、カンヌでケリング・グループ主催の「ウーマン・イン・モーション」トークに登場。『ワイルド・スピード』などの人気シリーズの続編の可能性や、映画業界の将来に至るまで、様々なトピックについて語った。
ラングレー氏は、パラマウント・グローバルの潜在的な売却について懸念を表明し、ハリウッドにおける競争の重要性を強調。同氏は、スタジオの数が少ないことは業界に悪影響をもたらすと指摘し、売却プロセスが早期に終了することを期待すると述べた。そして、今後もメディア業界における合併は避けられないとの見方を示した。
さらにラングレー氏は、『ワイルド・スピード』など、NBCユニバーサルの主要シリーズの将来にも言及。同シリーズにはまだ可能性があるものの、2026年の第11作以降は、より緻密ななストーリーテリングにシフトする可能性があると伝えた。
また、コロナ禍や昨年の脚本家・俳優同時ストが業界に影響を与えるなか、劇場鑑賞の習慣を復活させるためには、より多くの映画が必要だと語った。そして、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』などのヒット作は、魅力的なストーリーがあれば観客は映画館に足を運ぶことを証明したと評価。一方で、『オッペンハイマー』の続編の可能性については、ユーモアを交えて否定し、成功した全ての映画に続編が必要というわけではないと述べた。
その後も、A・V・ロックウェルやエメラルド・フェネルら気鋭の女性監督の名前を挙げ、サンダンス映画祭などが提供する支援プログラムを評価し、女性監督に対する取り組みを強調した。
「ウーマン・イン・モーション」を受賞
ケリングは今年、映画業界における女性と有色人種のための機会とネットワークを拡大する能力を評価し、ラングレー氏に「ウーマン・イン・モーション」アワード、そしてマレーシアのアマンダ・ネル・ユー監督に「ウーマン・イン・モーション」ヤング・タレント・アワードを授与した。
19日にカンヌで開かれたオフィシャル・ディナーの場は、ジュリアン・ムーア、ユマ・サーマン、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、ミシェル・ヨー、リリー・グラッドストーン、ゾーイ・サルダナ、エヴァ・グリーン、ジュディット・ゴドレーシュ、そして監督のグレタ・ガーウィグとジュスティーヌ・トリエらが出席した。
ディナーの前、ケリングのフランソワ=アンリ・ピノー会長兼CEOの妻で俳優のサルマ・ハエックは、米『ハリウッド・リポーター』に対し、以下のコメントを寄せた。
「ドナ・ラングレー氏はお手本とインスピレーションのような存在で、エレガントに振る舞う非常に賢明で頭の切れる実業家です。彼女はアーティストのことを本当に良く理解しており、その感性は日々の仕事にとどまらず、多様性の促進と他の女性の支援にも大きく貢献しています」
「ウーマン・イン・モーション」について
ケリングは、女性に対するコミットメントや取り組みを、グループの優先事項の中心に据えている。クリエイティビティこそが変革を生み出す最も強い力の一つであるものの、依然として男女間の不平等が顕著な芸術や文化の世界に「ウーマン・イン・モーション」プログラムは取り組んでいる。
2015年、ケリングはカンヌ国際映画祭にて、カメラの前と後ろで活躍する女性たちに光を当てることを目的とし、「ウーマン・イン・モーション」を発足。以来、このプログラムは写真をはじめ、アート、デザイン、音楽、ダンスの分野にも活動を広げている。「ウーマン・イン・モーション」アワードでは賞を通じて、インスピレーションを与えた人物や新たな女性の才能を表彰。また、トークイベントやポッドキャストでは、著名人がそれぞれの職業における女性の立場について意見を交換する機会を提供している。
発足以来、「ウーマン・イン・モーション」は女性を取り巻く環境に対する考えを深め、あらゆる文化・芸術分野における女性の貢献をより高く評価する場を提供してきた。
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