第37回東京国際映画祭:新設部門「ウィメンズ・エンパワーメント」とは?上映作品を一挙紹介

TIFF「ウィメンズ・エンパワーメント部門」 シニア・プログラマーのアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏
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10月28日(月)~11月6日(水)に開催される第37回東京国際映画祭(TIFF)。これまで、「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する」をミッションに掲げ、世界各国から選りすぐりの作品を紹介してきた。

今年から新部門が登場!ウィメンズ・エンパワーメント部門

今年からは「ウィメンズ・エンパワーメント部門」が新設され、東京都と連携し、女性監督の作品や女性の活躍をテーマとする作品を上映。本部門のシニア・プログラマーには、初代駐日マケドニア大使で自身も映画監督としての顔を持つアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏が就任した。以下の海外の新作7本のほか、シンポジウムやゲストトーク付き上映も予定されている。

TIFF「ウィメンズ・エンパワーメント部門」 シニア・プログラマーのアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏
  1. 『徒花-ADABANA-』(日本/フランス、甲斐さやか監督)

    気鋭監督・甲斐さやかによる日仏共同製作映画『徒花-ADABANA-』は、井浦新、水原希子、永瀬正敏共演で贈る意欲作。ウイルスが蔓延した近未来を舞台に、死期の迫った主人公・新次の究極の選択を追う。

  2. 『10セカンズ』(トルコ、ジェイラン・オズギュン・オズチェリキ監督)

    ある名門高校を舞台に実時間で繰り広げられる、謎が謎を呼ぶ緊張感たっぷりの心理劇。退学処分となった生徒をめぐる、母親と正体不明のカウンセラーによる一触即発の闘いが今、始まる。

  3. 『イヴォ』(ドイツ、エヴァ・トロビッシュ監督)

    初監督作『私は大丈夫』が国際的に評価されたトロビッシュの長編2作目。親しくなった患者から、予期せぬ頼みごとをされた緩和ケアの看護師・イヴォ。愛と死、そしてケアについての物語を繊細なタッチで描く。

  4. 『マイデゴル』(イラン/ドイツ/フランス、サルヴェナズ・アラムベイギ監督)

    イランに暮らす10代のアフガニスタン人女性が、社会的抑圧に直面しながらもプロのムエタイ選手になる夢を追求する姿を描いた『マイデゴル』。自由のために戦うZ世代のしなやかな強さを、鮮烈に映し出した1本だ。

  5. 『灼熱の体の記憶』(コスタリカ/スペイン、アントネラ・スダサッシ・フルニス監督)

    性の話がタブーだった青春時代を過ごした、60~70代のアナ、パトリシア、マイエラ。暗黙のルールによって沈黙を強いられてきた3人の女性たちの記憶が、時を越えて詩的なストーリーテリングで解放される。

  6. 『母性のモンタージュ』(香港、オリヴァー・チャン監督)

    初監督作『倫落の人』で数々の受賞歴を誇るチャンの最新作。香港で平凡な生活を送っていたスジンが、母親になったことで自らの生き方を見つめ直すことに。揺れる彼女の心と試練を、深遠なまなざしで捉える。

  7. 『私の好きなケーキ』(イラン/フランス/スウェーデン/ドイツ、マリヤム・モガッダム&ベタシュ・サナイハ監督)

    共同監督作『白い牛のバラッド』がベルリン映画祭で上映された実力派デュオが手がける本作。テヘランで静かな生活を営む70歳のマヒン。些細な出来事をきっかけに大きく動き出した彼女の人生の忘れがたき一夜を描く。

さらに、日本からは米倉涼子主演の大人気ドラマシリーズを映画化した『劇場版 ドクターX』(12月6日全国公開)が特別枠でワールドプレミア上映。先日には本作でシリーズ完結となることが発表され、人々を魅了し続けた孤高の天才外科医・大門未知子の物語の行く末は必見だ。

※「ウィメンズ・エンパワーメント部門」各作品のチケット情報は、TIFF公式サイトをチェック。

文/和田 萌


【アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏 プロフィール】

初代駐日マケドニア大使で、2022年にはWIN Inspiring Women Worldwide Awardを受賞。日本大学で映画研究の博士号を取得、欧州大学で名誉博士号を授与され、京都大学では客員教授を務めた。映画監督としては映文連アワードの部門優秀賞を受賞。その他、世界経済フォーラムや国連気候変動会議で講演を行う。第37回東京国際映画祭「ウィメンズ・エンパワーメント部門」シニア・プログラマー、映画祭併設マーケット「TIFFCOM 2024」エグゼクティブプロデューサー。

【第37回東京国際映画祭 開催概要】

期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)[10日間]
開催会場:シネスイッチ銀座/丸の内TOEI(中央区)/TOHOシネマズ 日比谷/TOHOシネマズ シャンテ/丸の内ピカデリー/角川シネマ有楽町/ヒューマントラストシネマ有楽町/有楽町よみうりホール/東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場/LEXUS MEETS…/東京宝塚劇場/ほか都内の各劇場及び施設・ホールを使用
主催:公益財団法人ユニジャパン(第37回東京国際映画祭実行委員会)
共催:経済産業省/国際交流基金(アジア文化交流強化事業)/東京都(コンペティション部門、ユース部門、ウィメンズ・エンパワーメント部門)
後援:総務省/外務省/観光庁/千代田区/中央区/独立行政法人日本貿易振興機構/国立映画アーカイブ/一般社団法人日本経済団体連合会/東京商工会議所/一般社団法人日本映画製作者連盟/一般社団法人映画産業団体連合会/一般社団法人外国映画輸入配給協会/モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)/全国興行生活衛生同業組合連合会/東京都興行生活衛生同業組合/特定非営利活動法人映像産業振興機構/一般社団法人日本映像ソフト協会/公益財団法人角川文化振興財団/一般財団法人デジタルコンテンツ協会/一般社団法人デジタルメディア協会
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金(映画祭支援事業)

【TIFFCOM 2024 開催概要】

開催会期:10月30日(水)9:30-18:00、10月31日(木)9:30-18:00、11月1日(金)9:30-16:00
会場:東京都立産業貿易センター浜松町館
主催:公益財団法人ユニジャパン


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