松重豊監督・脚本・主演『劇映画 孤独のグルメ』東京国際映画祭でのお披露目に「感無量」
俳優の松重豊が監督・脚本も兼ねた『劇映画 孤独のグルメ』が4日、第37回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映された。
松重は、観客と一緒に観賞し「12年前に始まった小さなテレビ東京の深夜ドラマが、こんな晴れ舞台に立つことになって感無量。お客さんが笑ってくれたのが何よりうれしい」と感激の面持ち。終映後だったため、「皆さん、おなかが減っている時にすいません」と恐縮しながら語った。
映画化のきっかけは、2022年にドラマのシーズン10が放送された頃。「節目を迎えて続けるかやめるかということになり、若いスタッフもよそ(の番組)に行ったり別れが多くなりいったん仕切り直すことになった。映画にするにしても、おじさんが腹へったと言って食べるだけだから相当な力量が必要だった」と説明。2008年のオムニバス映画『TOKYO!』の1編「シェイキング東京」に出演したことがある韓国のポン・ジュノ監督に手紙を送ってオファーしたが「忙しいから無理」とほろろに断れたという。
「その手紙をもらった日に、ふと『俺が監督しようかな』と漏らしたら、『いいんじゃないですか』となり、翌々日にはシノプシスを書いて皆に渡していた」と光明を見いだした。結果、テレビ東京開局60周年特別企画としてフランス・パリや韓国でもロケを行う“大作”となり、10月の釜山国際映画祭にも招待された。
40年来の親交がある甲本ヒロトがボーカルを務める「ザ・クロマニヨンズ」に主題歌を依頼し、「空腹と俺」を書き下ろしてもらうなど音楽面でもこだわりを発揮。「こういう映画なので、思ったより良かったという気持ちは胸に秘めず、どんどん発信してほしい。海外の人もいるようなので、フランスでも上映したいからぜひ買っていただきたい」と切実にPRした。
『劇映画 孤独のグルメ』は、来年1月10日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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