第98回キネマ旬報ベスト・テン『夜明けのすべて』が作品賞など4冠

日本映画大賞の映画『夜明けのすべて』写真: ©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
日本映画大賞の映画『夜明けのすべて』写真: ©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
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日本で最も長い歴史を誇る映画賞「第98回キネマ旬報ベスト・テン」が5日、発表された。

日本映画ベスト・テン第1位(作品賞)は『夜明けのすべて』が受賞。同作は三宅唱監督の日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞、SixTONESの松村北斗の主演男優賞を合わせ4冠となった。松村は、「素敵な賞をいただき、この賞の歴史と今まで受賞された方々のお名前を見ながら、とても光栄に思っております。映画を通して、自分がかつて覚えた感動を誰かに受け渡せているんだなと、何かもう一つの“居場所”を見つけられたような気持ちになりました」と歓喜のコメントを寄せた。

主演女優賞は『あんのこと』、『ナミビアの砂漠』の河合優実。「今回選んでいただいた2本は、自分にとってほかの何にも代えがたい映画なのでとてもうれしいです。『キネマ旬報』の表紙を主演女優賞という形で飾れることも、とても光栄。未来への糧としたいと思います」と喜びをかみしめた。主演賞が共に20代だったのは、2012年の安藤サクラ(『かぞくのくに』)と森山未來(『苦役列車』)以来となる。

日本アカデミー賞主演女優賞受賞の河合優実
河合優実 ©2023『あんのこと』製作委員会

助演男優賞は『ぼくのお日さま』、『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の池松壮亮で、2014年の助演男優賞(『ぼくたちの家族』など)、2019年の主演男優賞(『宮本から君へ』)に続く3度目の受賞。新人女優賞、新人男優賞も中西希亜良、越山敬達の『ぼくのお日さま』コンビが射止めた。『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で助演女優賞の忍足亜希子は、ろう者俳優として初の受賞となった。

池松壮亮

授賞式は2月20日、東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開催される。

第98回(2024年度)キネマ旬報ベスト・テン各賞

・日本映画ベスト・テン第1位:『夜明けのすべて』

・外国映画ベスト・テン第1位:『オッペンハイマー』

・文化映画ベスト・テン第1位:『正義の行方』

・日本映画監督賞:三宅唱『夜明けのすべて』

・日本映画脚本賞:野木亜紀子『ラストマイル』

・外国映画監督賞:クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』

・主演女優賞:河合優実『ナミビアの砂漠』『あんのこと』

・主演男優賞:松村北斗『夜明けのすべて』

・助演女優賞:忍足亜希子『ぼくが生きてる、ふたつの世界』

・助演男優賞:池松壮亮『ぼくのお日さま』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』

・新人女優賞:中西希亜良『ぼくのお日さま』

・新人男優賞:越山敬達『ぼくのお日さま』

・読者選出日本映画監督賞:三宅唱『夜明けのすべて』

・読者選出外国映画監督賞:クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』

・読者賞:斎藤環「映画のまなざし転移」

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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