『M:I』ベンジー役のサイモン・ペッグが語る、ベンジーの20年の軌跡とレベッカ・ファーガソン不在の影、そして“終わり”の可能性

20年続くベンジー役、当初は1回限りの予定だった
サイモン・ペッグはハリウッドでの初仕事として『ミッション:インポッシブル3』に出演。当時はこの作品限りの出演だと考えていた。しかし1年後、J.J.エイブラムスから「ベンジーを現場エージェントにするのはどうか」と連絡を受け、長期出演が始まった。
イルサ不在の衝撃と、新キャストの絆
本作では、前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』で命を落としたイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)の不在が大きく響いた。サイモン・ペッグはファーガソンとの絆を語り、「彼女は私のバディだった」と振り返る。一方で、コロナ禍によって結束した新キャストが心の支えになったとも明かしている。
シリーズ完結か? それとも続くのか?
本作はシリーズの集大成とされるが、完全な終わりではないかもしれない。監督クリストファー・マッカリーはシリーズ全体の歴史を辿り、自己認識型AI「エンティティ」の起源を描いた。サイモン・ペッグは「終わりのように感じる」と語るが、クルーズは「“ファイナル”には意味がある」と含みを持たせている。
ベンジーの成長とスタント撮影の裏側
米『ハリウッド・リポーター』(THR)とのインタビューでは、サイモン・ペッグがベンジーの20年にわたるキャラクター成長をどう捉えているかや、今回の撮影でクルーズの命がけのスタントを見なかった理由にも言及している。
──2005年夏に『M:i:III』の撮影が始まり、20年が経ちました。撮影当時は、これがIMFエージェントとしての最後だと思っていましたか?
完全にそう思っていたよ。『ショーン・オブ・ザ・デッド』がきっかけで、J.J.とトムが気に入ってくれて「この小さな役をやらせよう」となった。ハリウッドに初めて行って、パラマウントの敷地で少し撮影して、イギリスに戻った時には「もう終わりだな」と思った。「すごく楽しかった、大作映画に出られたし、またイギリスのコメディをやろう」と思っていたんだ。
でも『M:i:III』が公開されてから1年くらいして、J.J.から「ベンジーが現場エージェントだったらどう思う?」ってメールが来た。「いいと思うよ」って返事したのが始まりさ。6作も続くとは全く予想していなかった。
──『フォールアウト』でのトムの足首骨折も大変でしたが、『レコニング』の2作はさらに過酷だった印象です。現場の空気はいかがでしたか?
とにかく耐え続けた感じだった。2020年2月にパンデミックで中断して、同年11月にノルウェーで撮影を再開したんだけど、厳格な感染対策があって大変だった。でも乗り越えたよ。『M:I』シリーズは常に、撮ること自体がもう1つの「ミッション:インポッシブル」なんだ。どの作品も「無理だ」と思うことから始まるけど、どうにか乗り越える。
『デッドレコニング』も同じ。パンデミックに加えて、ストライキの影響で続編の撮影開始が遅れた。でも撮影が始まってからは、一気にスムーズになった。『ファイナル・レコニング』はこれまでで一番楽しかった撮影だった。
──北極でのホッキョクグマとの遭遇については?
(笑)ああ、あれもね。何が起こるかなんて予想できない。ホッキョクグマが撮影現場を歩いていても「またか」って感じだったよ。
──『ファイナル・レコニング』でベンジーは何度か「なんとかなるさ」と言いますよね。シリーズの裏テーマでもあります。完成形を見るまで、実際にどんな映画になるかわからないんですか?
そうでもない。マッカリー監督はちゃんと全体像を描いている。即興で作っているように見えるかもしれないけど、彼の頭の中には最初からストーリーの核がある。彼は「問題を解決する」ことに長けているし、トムもよく言うんだ。「プレッシャーは特権。危機こそがチャンスだ」って。
──『デッドレコニング』でのヴェネツィアの悲劇以降、レベッカ・ファーガソンがいないのは寂しかったのでは?
本当にそう。レベッカは親友で、お互い支え合っていた。だけど、コロナ禍でできた新キャストとの絆もすごく強かった。同じバブル内でずっと一緒に過ごしたから、自然と結束が生まれたんだ。最終的にはポム(ポム・クレメンティエフ)やターザン(グレッグ・ターザン・デイヴィス)、ヘイリー(ヘイリー・アトウェル)、エサイ(エサイ・モラレス・モラレス)、シェー(シェー・ウィガム)がその空白を埋めてくれたよ。でも、レベッカの存在は本当に大きかった。
──今回はイーサンが単独行動が多く、ベンジーがチームを率いていますね。役柄の変化はいかがでしたか?
とても満足してる。マッカリーは常に「焦らず育てる」戦略を取っていた。最初に彼が脚本を修正したとき、ベンジーがマシンガン片手に登場する派手なシーンがあったんだけど、それを削除したんだ。当時はがっかりしたけど、「ベンジーにリアリティが必要なんだ」と言われて納得した。
そこから段階を踏んで、ついに今作でリーダーを任される。「君はもう準備ができている」とイーサンに言われたシーンは、本当に胸に響いたよ。20年かけてたどり着いた成果だと思ってる。
──今回、トムのスタントは見ずに済みましたか?
そう。ありがたかったよ。トムのスタントを間近で見るのは、いつも恐ろしい経験だから。今回も空中スタントや水中のシーンは、我々が近くにいること自体できなかったしね。
──なぜトムは命を懸けてまでスタントをやるんでしょう?
トムは本当に映画のために生きている人間なんだ。彼にとって最も大事なのは“キャラクター”で、スタントやロケーションよりもそこを優先する。だからこそスタントを自分でやる。観客は「すごいことをしているキャラクター」だけでなく、「それを実際にやっている俳優」を見ているわけだから。
いい例が『デッドレコニング』の崖ジャンプのシーン。空中で「この山から離れようとしてる」とベンジーに言うセリフを、実際に自由落下中に言っている。これこそが、スタントマンではできない芸当なんだ。
──彼が「恐怖」を見せたことは?
一度もない。緊張していたり、集中していたりするのは見たけど、怖がっているところは見たことがない。無謀ではないし、全て計算された上でやっている。リスクを理解し、十分な訓練を積んだうえで臨んでいる。
──『ファイナル・レコニング』はシリーズの終わりでしょうか?
私にとっては、非常に満足のいく完結編に感じられた。これまでの物語がすべて集約されている。マッカリーはシリーズを振り返り、AI「エンティティ」の起源や、イーサンの「何も犠牲にしない」という信念がどう作用してきたかを描いた。だから、自分としては終わりに思えるんだ。
【まとめ】サイモン・ペッグが語る20年の軌跡とシリーズの集大成
サイモン・ペッグは、『ミッション:インポッシブル』シリーズで演じたベンジー役の20年にわたる成長を振り返り、最新作『ザ・ファイナル・レコニング』を「終わりのように感じる」と語った。レベッカ・ファーガソンの不在やトム・クルーズのスタント哲学にも触れ、作品への深い愛着を明かしている。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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