東映、アニメ大作『ChaO』『ペリリュー』などラインナップ16本を発表
東映が16日、2025~26年のラインナップを発表し、2本のアニメーション大作を配給することを明らかにした。
1本目は夏に公開する『ChaO』。
人間と人魚が共存する社会で、人魚王国の姫に求婚されたサラリーマンのステファンが種族、文化を超えて理解し合っていく恋愛ファンタジー。
東映が、『鉄コン筋クリート』などの制作プロダクション・スタジオ4℃と初めてタッグを組む。
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スタジオ4℃の代表でプロデューサーの田中栄子氏は、「誰にも言わず、こっそりと7年をかけて作った。オリジナルで作品としてはギャグですが、シリアスな方にも流れていく。自分はちっぽけな人間で自信を持てないという若者は、世界共通でたくさんいる。そういう人たちに届けたい作品になっています」と説明。
CG全盛の時代に10万枚以上の作画を使っており、「手描きでとんがった絵になっていますし、作画力の凄さを感じてもらえたら」と期待した。
もう1本は、戦後80年記念で12月5日公開の『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』。
武田一義氏による同名漫画が原作で、1944年にパラオ南西部のペリリュー島に1万人の日本兵が送り込まれ、4万人の米軍との凄惨な戦いが描かれる。
生き残ったのはわずか34人という知られざる残酷な史実と向き合う久慈悟郎監督は、現地をロケハンし「南北9キロ、東西3キロしかない小さな島で、海が凄くきれいだがところどころにトーチカや兵器の名残があった」と思いをはせた。
そして、「原作はかわいらしい柔らかいタッチの絵だが、凄惨な事実から逃げないように表現し、太平洋戦争の時に生まれていない方たちにも自分事として感じてもらえるようにしたい」と意欲。
武田氏も、「脚本は原作ファンにも自信を持ってお届けできるものになりました。今はスクリーンいっぱいに、生き生きと動く愛すべき登場人物たちに早く会いたい気持ちでいっぱいです」と期待のコメントを寄せた。
そのほかにもアニメを中心に、直木賞を受賞した小説を大友啓史監督が映画化する『宝島』(9月19日公開)など16本を発表。
東映の吉村文雄社長は、「推しポイントは3つ。アニメーションにますます力を入れていくこと、アニメを中心に愛される作品を全世界へ展開、そして泣かせるラインナップだということ。25年、東映は本社を移転し新たな創成の年となる」と話した。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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