【米アカデミー賞】日本映画が席巻!『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞、『君たちはどう生きるか』が長編アニメ賞受賞
第96回アカデミー賞の授賞式が10日(日本時間11日)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞、『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞した。
『ゴジラ-1.0』の視覚効果賞は日本はもちろん、アジア映画として初の快挙。宮崎駿監督は第75回の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目の戴冠となり、米映画界最大の祭典で日本映画が大きな足跡を残した。
「OSCAR GOES TO、GODZILLA MINUS ONE」。プレゼンターのアーノルド・シュワルツェネッガーが受賞作のタイトルを読み上げると、山崎貴監督らVFXを手掛けた白組チームは全員が万歳をして歓喜。会場に流れる「ゴジラのテーマ」に乗って、誇らしげにステージに上がった。
山崎監督はオスカー像を受け取り、用意したメモを取り出し英語でスピーチ。「40年以上前に『スター・ウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望むことすら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえたことは既に奇跡でした。しかし、私たちは今ここにいます」と喜びをかみしめた。
監督による特殊効果賞は、『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック監督以来55年ぶり史上2人目。「この場所から遠く離れた所でVFX を志しているみんな、ハリウッドが君たちにも挑戦権があることを証明してくれたよ」と呼びかけた。
そして、昨年12月に亡くなった同作の阿部秀司プロデューサーに向け、「俺たちはやったよ。ありがとうございました」と語り、オスカー像を掲げた。
また、原爆の開発者を描き最多の7部門を制した『オッペンハイマー』にも言及。「ゴジラも戦争、核の象徴であり、それを何とか沈めようとする。そういう感覚を世界が欲していることがヒットにつながったのかもしれない。ただ、個人的には『オッペンハイマー』のアンサー映画は日本人として作らなければいけないと思う」と矜持を示した。
『君たちはどう生きるか』は受賞を受け、鈴木敏夫プロデューサーがスタジオジブリで会見。宮崎監督について、「本当に心の底から喜んでいました」と明かした。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元