イーロン・マスク氏による大量解雇がもたらした米ツイッターの苦悩 「Threads」巡りメタを提訴か
米ツイッターのオーナー、イーロン・マスク氏が大量解雇に踏み切ってから1年弱。結果、裁判費用は数百万ドルに及び、さらにメタの「Threads(スレッズ)」の開発に一役買ってしまったかもしれない。
ツイッターは複数の元従業員を雇って“模倣”アプリを作ったと主張し、米メタのマーク・ザッカーバーグCEOに木曜日、停止通告書を送付。メタが“企業秘密と知的財産を組織的、意図的、違法に不正流用した”とツイッター側は訴えた。
その前日には、“保護されていない状態”のクライアントを利用したとして、マスク氏にツイッターの買収を迫った同社の代理人、ワクテル・リプトン・ローゼン・アンド・カッツ法律事務所を提訴していた。ツイッター側は、9,000万ドルの返還を要求している。
マスク氏は昨年10月、440億円でツイッターの買収に合意したのち、すぐさま重役陣を一掃。約130億円の借金を返済するため、コスト削減に着手し、主要なエンジニアを含む従業員の半数を解雇することとなった。
通告書内で、ツイッターの弁護士アレックス・スピロ氏は「知的財産権を厳格に行使するつもりだ」と強調。また、“フォロワーやフォローのデータ”のスクレイピング禁止についてもメタに警告した。
元従業員らはツイッターが解雇手当を払わなかったとして、数々の訴訟を起こしている。ツイッターは月曜日、約900件の仲裁手続きを拒否した疑いと、訴訟関連の経費の未払いで再び提訴された。訴状によると、仲裁を担当する会社JAMSは費用が支払われていないことを理由に仲裁を行わないと明らかにしたという。
水曜日の訴訟は、ツイッターの元幹部らが法律事務所の請求を承認したことに反論している。マスク氏の就任後、同社の元CLOが巨額の“成功報酬”をワクテルに与えるとする新たな合意書にサインしていた。当時の法務顧問ショーン・エジェット氏は、解雇される10分前にワクテルに8,400万ドルの支払い手続きを行ったとされている。Reid Collins & Tsaiのマーク・ドウォースキー氏は訴状で「鍵はマスク氏側に渡ったものの、ワクテルはツイッター社の資金で私腹を肥やした」と記述した。
インスタグラムは水曜日、“リアルタイムのアップデートと公共の会話のための新たな空間”と称される「Threads」をリリースし、ダウンロード数は1日で3,000万を超えた。金曜日の時点で利用者数は7,000万人超で、アプリ史上最速で1,000万人のユーザーを獲得した。なお現在、データプライバシーの規則のため、EU圏での利用は不可となっている。
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