【F1バーレーンGP2026 】雨のセパンでフェルスタッペンが今季初優勝、ラッセルは無念のリタイア
熱帯の嵐が舞台を変えた——歴史的な異例開催で、レッドブルが今季初の頂点へ
セパンの空気、雨、そして10年ぶりの帰還
セパン・インターナショナル・サーキット。マレーシアが2017年以来初めてF1を迎えた日曜日は、まず空から始まった。
スタート予定の15時、激しい雷雨がサーキットを直撃した。約40分の遅延の後、セーフティカー先導でフォーメーションラップが始まったものの、フェルスタッペンとハミルトンが相次いで「アクセルを踏んでも動かない」と無線で訴え、スタート手順が異例の中断へ。全車がピットレーンへ戻され、53分という長い再待機を経て、ようやく16時33分に再スタートとなった。
セパンのスタンドは待った。そして熱帯特有の雨が去った後、観客たちは以前と変わらぬ情熱でF1を迎えた。ケイティ・ペリーとカルヴィン・ハリスによる週末のライブパフォーマンスは、10周年記念大会としてのアゼルバイジャンGPから続くこの「バーレーンGP in マレーシア」の異例の性格を際立たせた。バーレーンのサルマン皇太子とマレーシアのアンワル首相が実現させた二国間の協力が、F1の歴史に一ページを加えた週末だった。
セパンはその名の通り、変化する。雨、熱、急激に乾く路面——このサーキットはただのレース会場ではなく、戦略そのものを試す場所だ。そして日曜日、それは完璧に証明された。

決勝レース——雨の波乱を制したフェルスタッペン
インターミディエイトとスリックに戦略が真っ二つに分かれたスタートで、メルセデスが抜群の蹴り出しを見せた。3番グリッドのアントネッリが首位、7番手スタートのラッセルが2番手へ浮上し、メルセデスが一気に1-2体制を築く。ポールのフェルスタッペンは4番手に後退した。
スリックを選んだハミルトンとルクレールは急激に順位を落とした。ルクレールはヒュルケンベルグとの接触でフロントウイング交換も余儀なくされ、最後尾付近まで後退。しかしハミルトンは路面が乾くことに賭けてスリックを履き続けた——その判断が後半の逆転劇の伏線となった。
9周目、ボッタスのスピンでセーフティカーが導入された瞬間が勝負の分岐点だった。インターミディエイト勢がスリックに交換する絶好機となり、フェルスタッペンはソフトタイヤで戦列に戻った。再開後の13周目、ターン1でアントネッリにアウト側から並びかけて首位を奪取。そこからはファステストラップを連発しながら後続を引き離した。
中盤、アントネッリはターン4でラッセルを抜いて2番手を奪還したものの、フェルスタッペンとの差は広がる一方だった。ハミルトンは後方から驚異的な追い上げを見せ、22周目には5番手まで浮上。その後も次々と前のドライバーをかわし、最終的に3位表彰台を掴んだ。

終盤、バーチャル・セーフティカーからフルセーフティカーへの切り替えが最後のドラマを生んだ。そしてラッセルが49周目、ホームストレート上でマシンを止めてリタイア——チャンピオンシップへの大きなダメージとなった。
フェルスタッペンがアントネッリに2.307秒差をつけてチェッカー。レッドブル・フォードパワートレインズにとっての今季初勝利であり、フェルスタッペン自身も2026年シーズン初の頂点だった。
アントネッリは2位でチャンピオンシップリードを維持。ラッセルのリタイアにより、そのアドバンテージはさらに拡大した。フェルスタッペンの復活で、最終盤に向けてチャンピオンシップの構図が改めて問われる。
決勝結果(トップ10):
- フェルスタッペン(レッドブル)
- アントネッリ(メルセデス)
- ハミルトン(フェラーリ)
- ルクレール(フェラーリ)
- ハジャー(レッドブル)
- ピアストリ(マクラーレン)
- ローソン(レーシングブルズ)
- アロンソ(アストンマーティン)
- ノリス(マクラーレン)
- リンドブラッド(レーシングブルズ)
DNF:ラッセル(メルセデス)、アルボン(ウィリアムズ)、ボッタス(キャデラック)
