【カンヌ国際映画祭2026】『ペーパー・タイガー』に拍手喝采!ジェームズ・グレイ監督が観客に訴え「映画には皆さんが必要」
現地時間5月16日(土)、第79回カンヌ国際映画祭で、ジェームズ・グレイ監督の最新作『ペーパー・タイガー(原題:Paper Tiger)』がプレミア上映を迎えた。同映画祭にはグレイ監督に加え、出演者のマイルズ・テラーとアダム・ドライバーが登壇した。
例年よりハリウッド作品が目立たない今年のカンヌにおいて、本作は大きな話題を呼び、上映後は6分間に及ぶ熱狂的なスタンディングオベーションが巻き起こった。
本作の主人公は、1980年代のニューヨーク州・クイーンズで暮らす、ヘスター(演:スカーレット・ヨハンソン)とアーウィン(演:テラー)の夫婦。2人は家族を支えながら慎ましく生きていたが、アーウィンの派手好きな弟(演:ドライバー)が持ち込んだ“一攫千金”の話に関わったことで、ロシア系マフィアから命を狙われてしまう。

上映前、グレイ監督は米『ハリウッド・リポーター』の取材に対し、次のように答えた。
「少し気取った表現かもしれませんが、私は非常に“古典的”なドラマを作りたかったのです。“古典的”という言葉は、ときに“時代遅れ”と混同されがちですが、両者はまったく別物です。内面の葛藤、苦悩、愛、感情――これらが時代遅れになることは決してありません」
ヨハンソンは、本作について「魅力的な要素がたくさん詰まっています。小さな物語ですが、その中に壮大なドラマがある作品です」と語っている。
ヨハンソン演じるヘスターは、より良い人生を求めて懸命に生きる専業主婦。しかし、ある悲劇的な知らせによって、彼女の人生は徐々に追い詰められていく。ヨハンソンはこの役について、「ヘスターは女性らしく、柔らかく、上品な人物ですが、内には非常に強い意志を秘めています。その対比に惹かれました」と語った。
なお、ヨハンソンは、ユニバーサル・ピクチャーズ製作の『エクソシスト』前日譚の撮影のため、プレミア上映を欠席した。
カンヌをはじめとする映画祭では、スタンディングオベーションの長さが恒例のように注目される。グレイ監督は冗談交じりに時計を指差し、観客へ拍手を続けるよう促した。客席には、俳優のケイト・ブランシェット、ジュリアン・ムーア、映画監督のパヴェウ・パヴリコフスキらの姿もあり、惜しみない拍手を送っていた。
6分間続いた拍手の後、グレイ監督がスピーチで締めくくった。自身の作品がカンヌに出品されるのは6作目であることに触れながら、グレイ監督は観客に語りかけた。
「ここに来るのは初めてではありません。最初の頃に比べると、ひげもかなり白くなりました。名前だけでなく、ひげまでグレイ(=白髪)です(笑)。でも、ようやくそれを受け入れられるようになりました。それ以上に、皆さんの存在に感謝しています。皆さんがいなければ映画は成立しません。そして、映画は今まで以上に皆さんを必要としています。今はとても重要な時代です。その意味で、カンヌは極めて重要な場所となっています。ここにはすばらしい思い出がたくさんあります」
グレイ監督とカンヌの関係は深く、これまでにも数々の作品が出品されてきた。直近では2022年に、アン・ハサウェイとジェレミー・ストロング主演の『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』が出品されている。最新作『ペーパー・タイガー』は、ネオンが配給を担当し、近日公開予定だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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