【カンヌ国際映画祭2026】黒沢清監督『黒牢城』カンヌ・プレミア上映に手応え「温かい拍手が本気で祝福してくれていると感じた」
第79回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」部門で19日、黒沢清監督の『黒牢城』が上映された。黒沢監督と主演の本木雅弘、菅田将暉、青木崇高、Snow Manの宮舘涼太が参加。上映後は、約1,000人の観客から惜しみない拍手と喝采を浴びた。
カンヌ・プレミアは、世界各国の巨匠や名匠の最新作が紹介される、2021年に創設された部門。日本映画では、2023年に北野武監督の『首』が選出されている。

『黒牢城』は、米澤穂信の直木賞を受賞し累計発行部数60万部を超える同名時代小説が原作。密室と化した城内で少年が殺される事件が発生し、城主の荒木村重(演・本木雅弘)、軍師の黒田官兵衛(演・菅田将暉)らによる心理戦が繰り広げられるミステリーだ。
黒沢清監督は、「私のファンは大勢の方がホラー好きなので、『これ、ホラーじゃないんだよな…。ガッカリされないかな』と、正直不安な想いで会場に入りました」と苦笑交じりに語る。今回が6回目となるカンヌをはじめ、海外の映画祭の経験が豊富で「日本の時代劇を届けるという気持ちよりは、普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたらうれしいなと思いながら作った映画。上映後の温かい拍手が皆さんが本気で祝福してくれていると感じました」と手応えを得た様子だ。

キャストは全員が初めてのカンヌで、本木は「60歳にして初めてのカンヌ。短い時間でしたが、一生語れる思い出ができました。一言では語り切れない喜びがありました」と満面の笑み。さらに、「時代劇という異文化を、どんなふうに解釈してくれるんだろうと少し不安に感じていましたが、人間のもつおかしみや滑稽な姿、真実が見え隠れするシーンではクスクスと笑いが起きたりもしていて、皆さんがスクリーンに引きつけられている姿を確かに肌で感じました」と話した。

菅田も「ミラクルな初体験」と表現。「想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした」と胸を張った。
荒木久左衛門役の青木崇高は、「心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。今後もずっと頑張っていける、糧になるような本当にうれしい瞬間でした」と実感。 乾助三郎役の宮舘涼太は、「観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました。自分にとっても、メンバーに対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験ができました」とうれしそうに語った。
映画『黒牢城』は、6月19日に全国で公開される。

記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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