吉永小百合、主演映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』で人生初ピアス「開放された気持ち」
俳優の吉永小百合が主演の映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』の完成報告会見が13日、東京・グランドプリンスホテル高輪で行われた。
1975年に女性として世界で初めてエベレストの登頂に成功し、92年に女性初の7大陸の最高峰制覇を達成した登山家の田部井淳子さんの生涯をたどる物語。吉永のほか佐藤浩市、天海祐希、阪本順治監督が登壇し、追加キャストとしてのん、工藤阿須加、木村文乃、若葉竜也、茅島みずきがお披露目された。
吉永にとって124本目の映画出演。生前の田部井さんとも面識があり、「本当に過酷な撮影で、朝早く出て栃木で撮影をして、その足で富士山ということもありました。何とかやり遂げることができてホッとしています。田部井さんも、てっぺんの向こうから『よく頑張った』と言ってくれていると思う」と安どの笑みを浮かべた。
役づくりに当たって、晩年の田部井さんにならい人生で初めてピアスの穴を開けた。会見にも田部井さんから贈られたピアスを着けて臨み、「この役は開けるしかないと思いました。ただ、お医者さんから1カ月は泳いではいけないと言われ、つらかったけれど我慢しました。開けた時は開放された気持ちになりました」と振り返った。
吉永の夫役を演じた佐藤は、「45年前に役者を始めた頃に、吉永さんの相手役をやると言ったら鼻で笑われるか怒鳴られるかだったと思う。長くやっているとこんなこともあるんだと信じられない気持ち」と感慨深げ。2人で登山をするシーンもあるが、「吉永さんは一度も疲れたかしんどいとおっしゃらなかった。感服いたしました」と最敬礼だ。
天海は2020年『最高の人生の見つけ方』以来の共演で、吉永を支える親友役を担い「支えるというより存在に励まされた形で、素直に真っすぐ役に入っていけた」と述懐。「バイタリティがあって、力強くてひたむき。吉永さんにピッタリのお役で、その頑張りを見続けているだけで幸せでした」と万感の表情を見せた。
富士山の標高にたとえた現在の俳優としての立ち位置を問われると、吉永は「八合目くらいかしら」と謙虚な回答。「頂上まで行けるかは分かりませんが、元気でいる限りは一歩ずつ歩いていけたら」とさらなる意欲を見せた。
2012年『冬のカナリアたち』以来、吉永とタッグを組んだ阪本監督は、「二度目のお仕事は本当に光栄でした。撮影前に富士山にチャレンジして高山病で断念したが撮影では頂上まで登れて感動した」とうれしそう。そして、「老若男女が見られて、必ず人を元気にできる映画だという自負がある。『ミッション:インポッシブル』よりヒットするでしょう」と豪語した。
『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、10月31日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
【関連記事】
- 濱口竜介監督の新作は仏・日・独・ベルギー合作『急に具合が悪くなる』に決定
- 研ナオコ、9年ぶり主演映画『うぉっしゅ』にギャラの10倍を投資「ヒットすれば十分」
- 鈴木亮平、『花まんま』初日に自信のアピール「誰もが心の琴線にふれる映画」
- 【11作品厳選】プライムビデオで話題の新作映画を今すぐ視聴
- 『ウィキッド』DVD・ブルーレイ:特典付き限定セット予約開始!