佐藤浩市『アフター・ザ・クエイク』公開記念でアピール「雲の隙間から一つの望みを探して」
村上春樹氏の連作短編集「神の子どもたちはみな踊る」を映画化した『アフター・ザ・クエイク』の公開記念舞台挨拶が4日、東京・テアトル新宿で行われ、出演の鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、のんと井上剛監督が登壇した。
全6編から成る原作の「UFOが釧路に降りる」「アイロンのある風景」「神の子どもたちはみな踊る」「かえるくん、東京を救う」を基に、オリジナルの設定を加えて再構築。1995、2011、2020、2025年の4つの時代で、虚無感を抱えた登場人物たちが生きる術を模索していく姿を描く。
井上監督はこれまで、地震など天災を扱った作品を多く手掛けており「今年は阪神大震災から30年。何か自分にできることはないかと思っていた時にプロデューサーから渡されたのがこの原作だった」という。2010年のNHKドラマ「その街のこども」で参考のために何度も読み返した1冊で、「縁を感じてやろうと思った」と明かした。
佐藤が演じた25年パートが映画オリジナルで、「監督に呼んでいただき、最初にその部分だけの脚本をいただいたんだけれど、ちんぷんかんぷんで分からなかった。それから原作を読んでなるほど、そういうことなのかと納得できた」と苦笑交じりに告白。その上で、「再生の話なのか蘇生の話なのか、微妙なところを感じてもらえる映画だと思う。外に出て、からっと晴れている映画ではないが、雲の隙間から一つの望みを探してもらえれば」とアピールした。
佐藤とともに東京を大地震から救ったという設定のキャラクター「かえるくん」の声を担当したのがのん。「かえるくんが救いになる話なので、意外と責任重大かも、頑張って見ようと思った」と笑顔で話した。
井上監督とはNHK朝のテレビ小説『あまちゃん』(2013)で絶大な信頼関係を築いており、「佐藤さんの演技に集中して、間や息遣いを感じ取れるようにした。楽しくノリノリでやりきった」と満足げ。佐藤も、「どのような覚悟を持ってやるかだけれど、気づきながらやっていたなと感じるくらい、かえるくんイコールのんだった。凄く良かったと思う」と合格点を与えていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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