祝・来日!マッツ・ミケルセンが語る、日本のファンへの思い「皆さんに会えてとても嬉しい」【独占インタビュー】

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて ©︎The Hollywood Reporter Japan
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて ©︎The Hollywood Reporter Japan
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“北欧の至宝”こと、大人気俳優マッツ・ミケルセンが『ザ・ハリウッド・リポーター・ジャパン』(THRJ)の独占インタビューに登場!

これまで何度も日本に足を運んでいる親日家のミケルセンは、ポップカルチャーの祭典「コミコン」でも東京・大阪ともに複数回の参加歴があり、そのたびに多くのファンを熱狂させている。

そしてミケルセンは、今年4月18日(金)~20日(日)にかけて千葉・幕張メッセで開催された「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」に登場。さらに、5月2日(金)~4日(日)にはインテックス大阪で行われる「大阪コミコン 2025」に参加する。

現在大阪に滞在中のミケルセンに、日本のファンとの交流への思い、映画『ファンタスティック・ビースト』のグリンデルバルド役を再演する可能性、そして今後挑戦したい役柄について話を聞いた。

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――――――いつも東京・大阪コミコンで日本に来てくれて本当に嬉しいです。こんなにも日本のことを好きになってくれたキッカケは、何だったのでしょうか?

まず第一に、日本には多くのファンがいて、それが本当に嬉しいんです。普段、僕たちは映画を観てくれている人たちと会う機会がなかなかありません。でも、コミコンのような場では、時々ファンと会うことができる。僕はいくつかのポップカルチャー作品に出演してきましたが、その中でもドラマ『ハンニバル』は日本でとても人気があります。だから、また日本に来て、ファンの皆さんに会えるのはとても嬉しいですね。

――――――コミコンでは、写真撮影やサイン会をとても熱心に行っています。ファンとの交流は、どのように感じますか?

ファンの方々と交流するのは、やっぱり一番楽しい部分です。ただ、たくさんの人が来てくださるので、会話があまりできないのは残念ですね。サインなどもスピーディーに対応しなければいけないですし。でも、イベントの終盤になると少しゆっくりできることもあって、そういう時にはちょっと会話ができて嬉しいですね。

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて


――――――デンマーク出身のマッツさんは、母国の映画にも多数出演しており、最近では『愛を耕すひと』や『アナザーラウンド』に出演されました。故郷の映画に出ることに対し、どんな思いがあるのでしょうか?

僕にとって、俳優としてすべてが詰まっていると言えます。母国語で、友人たちと一緒に自分の文化の物語を描く映画に出られるというのは、まるで帰郷するような気持ちです。ただ、「1年1本、2年に1本は出なきゃ」といったルールがあるわけではないですが、素晴らしい作品のオファーがあれば、喜んで戻ります。

――――――国や文化が違う現場で、意識していることはありますか?

それぞれの国で少しずつ違いはあるものの、映画の現場はどこも基本的には似ています。例えば、デンマーク映画だとスタッフは30人くらいですが、アメリカ映画だと300人になることもあります。規模は違っても、仕事の本質は一緒です。

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて


――――――それぞれで違う点もあるのでしょうか?

そこまでないですよ。ただ、社会的な慣習が違うので、例えば撮影場所を移動する時、デンマークでは俳優も機材を少し手伝ったりしますが、アメリカでは保険の関係で俳優が機材に触ることはありません。そういう違いはすぐに学びました。

――――――『ファンタスティック・ビースト』シリーズでは、グリンデルバルド役を引き継ぎました。カリスマ性と恐ろしさを併せ持つ彼を演じるにあたり、役作りにこだわった点はどんなところだったのでしょうか?

グリンデルバルドは、人々を惹きつけるカリスマ性を持った人物です。彼の恐ろしさや残虐性はすでに脚本の中に描かれているので、僕が注力したのは「なぜ彼に人がついていくのか?」という説得力の部分です。彼のメッセージが一部の人にとってどうして響くのか、それを掘り下げて演じる必要がありました。

ミケルセン(左)は『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)でジョニー・デップ(右)からグリンデルバルド役を引き継いだ。写真:Courtesy of Warner Bros. /Courtesy of Everett Collection
ミケルセン(左)は『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)でジョニー・デップ(右)からグリンデルバルド役を引き継いだ。写真:Courtesy of Warner Bros. /Courtesy of Everett Collection


――――――また、マッツさんが演じるグリンデルバルドをスクリーンで観ることはできるのでしょうか?

もし次回作があったら、観ることができるかもしれませんね。グリンデルバルドは物語に出てきますし、それは僕かジョニー・デップになるでしょう。

――――――『ファンタスティック・ビースト』の続編は現在、製作未定という話も聞きました。

そうですね。まだ聞いてませんが、原作はあと2冊残っているので、今後また演じられるかもしれません。

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて

――――――『ハンニバル』でハンニバル・レクターという難しい役に挑んだ際には、“人間味と怪物性“のバランスをどのように取っていましたか?

グリンデルバルドと同じような感じです。『ハンニバル』で彼はウィル・グレアム(ヒュー・ダンシー)ととても強い友情関係を築いていて、それを描くことがメインでした。2人の間に信じられるような友情を築くことに注力していました。それに加えて、彼には人を殺して食べるという“趣味“があるのですが、僕は彼が本当に好んでいたことに焦点を当てていました。

――――――マッツさんの本来の性格はとても穏やかで可愛らしいイメージですが、こういった真逆のキャラクターを演じるのは大変ですか?

そうですね。僕は自分がいろんな面を持っていると思いますし、人間って誰しもそうだと思うんです。俳優として大事なのは、自分の中にあるそういう側面を見つけ出して、それを拡大することで、キャラクターに変えていくことだと思います。つまり、僕たちは皆、多少なりとも“さらなる側面“を持っていて、それを広げていくことが大切なんです。

『ハンニバル』(2013~15)でハンニバル・レクターを演じたミケルセン 写真:NBC
『ハンニバル』(2013~15)でハンニバル・レクターを演じたミケルセン 写真:NBC

――――――役を演じるために実践しているメソッドはありますか?

基本的には脚本を読み込んで、ストーリーを理解することです。そして監督や共演者と話し合いながら役作りをしていきます。

――――――それには時間を要しますか?

キャラクターによってはすぐに理解できることもあれば、時間がかかることもあります。でも、良い脚本であれば自然とキャラクターが見えてくるはずです。

――――――演じるのが最も難しかったキャラクターは?

演じるのが難しいのは、大抵の場合、脚本がしっかり書かれていないときですね。逆にハンニバル・レクターを演じるのは、ある意味では簡単でした。というのも、彼は常に人生のポジティブな面を見ているんです。彼にとっては、どんな日も“いい一日“で、「オフィスでの仕事は今日も最高だ」という感じなんです。それは、他のキャラクターたちとは対照的ですね。

『ライオン・キング:ムファサ』 写真:Disney
『ライオン・キング:ムファサ』 写真:Disney

――――――超大作映画、ドラマ、ゲームのキャラクター、最近では声優を務められた『ライオン・キング:ムファサ』のキロスなど、幅広い役柄を演じているマッツさんですが、将来挑戦したい役はありますか?

僕には「夢の役」というものはありません。僕にとっての夢の役は、次に取り組むプロジェクトそのものなんです。そしてその作品に全力を注いでいくことで、それが新たな夢の役になるんです。

ジャンルで言えば、本格的なホラー映画、ゾンビ映画、カンフー映画には出たことがないので、子供の頃から好きだったジャンルにも挑戦してみたいですね。やったらきっと楽しいだろうなと思います。

――――――日本の映画はどうですか?

もちろん、日本の映画にも出てみたいですよ。

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン=5月2日、大阪にて

――――――もし俳優以外の人生を歩んでいたとしたら、どんな仕事をしていたと思いますか?

わからないですね。スポーツが大好きなので、もしプロのアスリートになっていたら、それも楽しかったと思います。でもそうすると、もう30年前には引退していたことになりますよね。だから、やらなくてよかったとも思います。もしかしたら、大工だったかもしれません。建物が好きなんです。

――――――大工と、スポーツに関連するものという感じですね。

はい、スポーツ系大工という感じですね!

――――――最後に、『ザ・ハリウッドリポーター・ジャパン』の読者にメッセージをお願いします。

『ザ・ハリウッドリポーター・ジャパン』をご覧の皆さんこんにちは!今、大阪に来ています。コミコンで皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!ありがとうございます。

THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン(左)、インタビュアー(右)=5月2日、大阪にて
THRJの独占インタビューに登場したマッツ・ミケルセン(左)、インタビュアー(右)=5月2日、大阪にて

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【マッツ・ミケルセン】1965年11月22日生まれ、デンマーク・コペンハーゲン出身。兄ラースも同じく母国・ハリウッドの作品で活躍中の俳優。2006年公開の『007/カジノ・ロワイヤル』では敵役を好演し、国際的な知名度を得た。その後も『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)、『ドクター・ストレンジ』(2017)、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)のなど世代を超えて愛されるフランチャイズ作品にも立て続けに出演。直近ではディズニー映画『ライオン・キング:ムファサ』(2024)でキロス役の声優を務め、同作は国内外でメガヒットを記録した。

インタビュアー:山咲 こむぎ
撮影:KANTO TSUJI

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