【来日インタビュー】トム・クルーズら『ミッション:インポッシブル』最新作のキャスト陣・監督が作品に込めた思いとは

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ジャパンプレミアに登壇したキャスト陣=5月6日(火)、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ジャパンプレミアに登壇したキャスト陣=5月6日(火)、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
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トム・クルーズ主演の大人気スパイ・アクションシリーズの最新作となる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』。

5月6日(火)、今回が25回目の来日となるクルーズのほか、共演者のサイモン・ペッグポム・クレメンティエフヘイリー・アトウェルグレッグ・ターザン・デイヴィス、そしてクリストファー・マッカリー監督が都内で行われたジャパンプレミアに出席し、『ザ・ハリウッドリポーター・ジャパン』の取材に応じた。

キャスト・監督がシリーズ8作目にして集大成となる本作に込めた思いや、人間離れした超絶スタントに自ら挑戦し続ける“生きる伝説”ことクルーズとの共演について語ってくれた。

↓『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ジャパンプレミアの様子

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■トム・クルーズ(イーサン・ハント役)

トム・クルーズ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
トム・クルーズ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――本作はシリーズの集大成となっていますが、物語の完結を意味しているのでしょうか?これからもイーサン・ハントには会えるのでしょうか?

とにかく映画を観ればわかりますよ。何もネタバレはしません。観客の皆さんには、ぜひ映画を観て確かめてほしいです。

――――――注目してほしいシーンや演技はありますか?

まず、この映画そのものを体験してほしいですね。本当にたくさんの層と要素が詰まっていて、キャストもご覧の通り、みんな素晴らしいんです。そしてこの作品は、映画的にも、技術的にも、実に見事な出来栄えです。これまでスクリーンで見たことのないようなシークエンスを、僕たちは成し遂げたと思っています。

前作『デッドレコニング』から今回の『ファイナル・レコニング』にかけて、制作には7年かかっているんです。パンデミックもあり、2度の(ハリウッドの)ストライキもありました。そうした困難の中で、僕たち全員が一丸となって取り組んできたんです。僕自身だけでなく、マッカリー監督や全スタッフが、この映画をここまで届けるために捧げた情熱と努力、本当に特別なものだと思います。

■サイモン・ペッグ(ベンジー役)

サイモン・ペッグ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
サイモン・ペッグ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――トム・クルーズとは長年にわたり共演していますが、彼の現場での姿勢から学んだことは?

常に100%の力を出し切ること。自分のベスト以下は絶対に出さない。それがまさにトムのやり方なんです。彼があれほどの映画スターでいられる理由は、そこにあると思います。みんなが全力を尽くせば、必ず素晴らしいものが生まれる。これまでトムと一緒に仕事をしてきて、僕が学んだのはまさにそのことです。

――――――映画の中でのあなたとトム・クルーズの掛け合いがとても面白かったです。あの中で、脚本にない即興のセリフなどはありましたか?

うわぁ、覚えてないですね(笑)。撮影を始めたのが2020年くらいなんですよ。そこから『デッドレコニング』が始まって、そしてつい最近やっとこの作品が完成したんです。だから、正直自分でも覚えてないかも。まだ映画を観てないので、今夜ファンのみんなと一緒に観る予定です。

■ヘイリー・アトウェル(グレース役)

ヘイリー・アトウェル=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
ヘイリー・アトウェル=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――トム・クルーズとのスパイ・デュオとしての共演はいかがでしたか?また、この役のためにどのような準備をしましたか?

もう彼とは5年ほど一緒に仕事をしています。撮影が始まる前には、グレースというキャラクターの身体的な動きを探るために、約6か月間トレーニングを行いました。さまざまな戦闘スタイルを研究しましたし、さらに私自身、プロップ(小道具)があると戦闘シーンを早く覚えられることにも気づいたんです。それで、グレースは手先が器用な人物として、スライハンド(手品のようなトリック)を得意とし、自然と盗みの才能を持つキャラクターになっていきました。

時間が経つにつれ、トム演じるイーサンとの関係性も猫とネズミのような駆け引き、あるいは時に兄妹のようなケミストリーが生まれていきました。お互い離れようとするのに、状況がいつも2人を引き寄せてしまうんです。そしてグレースというキャラクターは、他人を信じることができない人物として描かれていて、前作ではイーサンを信頼することを学んでいく物語になっています。

そして今作では「大切な人ができたとき、人はその人を失うことに恐れを感じるようになる」ということも描かれ、彼女はイーサンに対して感情的なつながりを持つようになっていきます。

ヘイリー・アトウェル、トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』写真:Courtesy of Paramount Pictures and Skydance
ヘイリー・アトウェル、トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』写真:Courtesy of Paramount Pictures and Skydance

――――――今回の撮影で最も大きなチャレンジは何でしたか?

一番大きな挑戦であり、同時に一番やりがいを感じたのは、北極での撮影でした。マイナス40度という極寒の中で、私たちは凍った海に浮かぶ砕氷船に住み込みながら撮影をしていたんです。私は犬ぞりの犬たちと一緒にたくさんのシーンを撮らなければならなかったのですが、動物って、人間みたいに礼儀正しく接してくれないんです。嫌いなら嫌いだし、信用していなければすぐにわかる。だからこそ、彼らとの信頼関係を築くことがとても重要でした。

特に印象的だったのは、ルーシー(トゥピサ役)と氷の上で即興でシーンを作り上げたことです。彼女とは言語が違う設定で、お互いに言葉は通じないけれど、心は通じ合うという関係を演じました。極限状態の中でお互いが生き延びるために協力し合う。そんな体験を実際の過酷な環境下で演じることができたのは、とても特別な経験でした。

■ポム・クレメンティエフ(パリス役)

ポム・クレメンティエフ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
ポム・クレメンティエフ=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――アクションシーンの撮影は過酷だったと思いますが、特に大変だったトレーニングは?

本当に長期間にわたって、たくさんトレーニングしなきゃいけなかったんです。どんな戦闘シーンにも対応できるように、そしてケガをしないように準備するためにね。スタントチームと一緒にトレーニングをして、専属のトレーナーとも一緒にやっていました。…ああもう、今ここにいられることが嬉しすぎて、全部がちょっとぼんやりしてきちゃうくらい(笑)。とにかくいろんな種類のトレーニングをやりましたよ。

インターバルランニングとか、坂道ダッシュ、ピラティス、戦闘トレーニング、キック、パンチ…本当に色々。この映画のために、人生で初めて後方回転(バクローリング)もやったんです。体が全然やりたがらなくて。でも自分に「やるんだぞ!」と言い聞かせて、やりました。無事に撮影もできて、本当に良かったです。

(左から)プレミアスクリーニングに登壇したグレッグ・ターザン・デイヴィス、ヘイリー・アトウェル、トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー監督、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ=5月6日、TOHO シネマズ日比谷にて ©2024 PARAMOUNT PICTURES.
(左から)プレミアスクリーニングに登壇したグレッグ・ターザン・デイヴィス、ヘイリー・アトウェル、トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー監督、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ=5月6日、TOHO シネマズ日比谷にて ©2024 PARAMOUNT PICTURES.

――――――パリス役に決まったときはどう感じましたか?そして、トム・クルーズや他の素晴らしい俳優たちと共演してみていかがでしたか?

本当に最高でした!キャスティングされたときのこと、すごくよく覚えてます。クリストファー(・マッカリー監督)から電話がかかってきて、「ミッションの準備はいいか?」と言われたんです。私も「もちろん、準備万端よ!」と答えました。

――――――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

とにかく、映画を思いきり楽しんでほしいです! できればIMAXのような大きなスクリーンで観てくださいね!

■グレッグ・ターザン・デイヴィス(ドガ役)

グレッグ・ターザン・デイヴィス=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
グレッグ・ターザン・デイヴィス=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――前作、そして『トップガン マーヴェリック』に続きトム・クルーズとの共演は3度目ですが、今回これまでと違いを感じた点は?

トムと一緒にやる映画は毎回違うんです。彼は常に前作を超えようとするから。今回もそうで、『トップガン マーヴェリック』や前作の『デッドレコニング』よりもさらにすごいことをやっています。スタントももっとクレイジーになってるし、アクションも増えていて、ストーリーもどんどん良くなってる。だから、そこが違いましたね。

――――――トムと一緒に仕事をするのは、どんな気持ちですか?

最高ですよ!世界で一番の映画スターと一緒に仕事してるんですから。もう大好きです。

――――――今後もまた彼と一緒に仕事をしたいですか?

彼がまた一緒にやってくれるなら、ぜひやりたいですね。もちろんです!

トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』写真: Paramount Pictures/Skydance
トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』写真: YouTube/Screengrab

――――――この映画は身体的にもかなりハードだったと思いますが、特に準備したこと、かかった期間など教えてください。

このシリーズに参加してから、トムがトレーニングプログラムに僕を入れてくれたんです。戦い方や武器の扱い方、ドリフト、スカイダイビングまで、たくさん学びました。2020年から始めて、もう4~5年かかっています。

今回の映画ではたくさん戦闘シーンがあって、体がボロボロです。今も足を引きずってるくらい。でもその成果は出たと思います。

――――――撮影中の思い出深いエピソードを教えてください。

ノルウェーのスヴァールバルという場所で撮影したんですが、本物のホッキョクグマに超至近距離で遭遇したんです。これくらいの距離で。僕たちは船にいたんですが、そのクマが船に乗ってきたんですよ。もう本当にやばかったです。

――――――日本で撮影するとしたら、どこでやってみたいですか?

まずは今ここにいるこの場所、すごく楽しんでるからここで撮りたいですね。それに日本中を回りたい。京都や大阪にも行きたいし、本当に日本全土をまわるチャンスがほしい。そんな映画が撮れたら最高ですよね。みんなもきっと喜ぶし、僕自身も絶対楽しめると思います。

■クリストファー・マッカリー監督

クリストファー・マッカリー監督=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan
クリストファー・マッカリー監督=5月6日、都内にて ©The Hollywood Reporter Japan

――――――今作を2部作として構想した理由と、特にこだわったストーリーテリングのポイントは?

感情です。僕たちは、物語に感情を込めれば込めるほど、キャラクターに焦点を当てれば当てるほど、映画はどんどん大きく、長くなるとわかっていました。登場人物も多く、ストーリーにはたくさんの展開があるので、僕たちは早い段階で、これを2部作に分けることを決めました。

でも、僕たちにとってとても大事だったのは、それぞれの映画が単体として成立すること。つまり、この作品を見るのに、過去の『ミッション:インポッシブル』シリーズを見ていなくても楽しめるということなんです。

――――――これまでに何作もトム・クルーズとお仕事をされていますが、彼と一緒に仕事をすることの特別さとは?

彼は学びを止めることがないんです。常に何かを発見していて、常に学び続けている。毎日が新しい発見に満ちているんです。

↓キャスト陣のインタビュー動画

シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月17日(土)~22日(木)先行上映、5月23日(金)より全国にて公開。

インタビュアー:山咲 こむぎ

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