【話題沸騰】映画『Weapons』を徹底解剖|全米1位&批評家が絶賛!「今年最高の映画」―― 異色のミステリーホラーの魅力に迫る

ジュリア・ガーナー、映画『Weapons(原題)』より 写真:Warner Bros. Pictures
ジュリア・ガーナー、映画『Weapons(原題)』より 写真:Warner Bros. Pictures
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▼全米を虜にした衝撃ホラー『Weapons』とは?

2025年8月8日、アメリカで公開されるやいなや興行収入ランキング初登場1位を獲得し、映画界に衝撃を与えたホラー映画『Weapons(原題)』。2022年の大ヒットホラー『バーバリアン』で一躍時の人となったザック・クレッガー監督の最新作として、早くも「今年最高の映画」と評される本作の魅力を徹底解剖する。

▼『Weapons』あらすじ

映画『Weapons(原題)』より 写真:Courtesy of Warner Bros.
映画『Weapons(原題)』より 写真:Courtesy of Warner Bros.

午前2時17分、17人の子どもが同時に消えた——

ペンシルベニア州の小さな町で起きた、前代未聞の失踪事件。小学校教師のジャスティーン(演:ジュリア・ガーナー)は、担当するクラスの18人中17人の子どもたちが一斉にベッドから起き上がり、夜の闇に消えたという衝撃の事実を知る。

行方不明になった息子を必死に探す父親アーチャー(演:ジョシュ・ブローリン)は、次第に担任のジャスティンに疑いの目を向けていく。子どもたちはなぜ消えたのか、そしてどこへ向かったのか——?

映画『Weapons(原題)』米国公式予告編

▼チャプター形式で語られる恐怖と謎

映画『Weapons(原題)』より 写真:Quantrell Colbert/Warner Bros.
映画『Weapons(原題)』より 写真:Quantrell Colbert/Warner Bros.

映画『Weapons』の最大の特徴は、事件発生後の日々を各キャラクターの視点からチャプター形式で描く構造だ。観客は異なる立場から事件を追体験し、多角的に全容へ迫っていく。

この特徴的な構成について、ザック・クレッガー監督は作家ジェニファー・イーガンのベストセラー小説『ならずものがやってくる』をお気に入りの本として挙げ、「中心にある謎を軸にしながらも、断片的に語り、登場人物たちが少しずつ核心に近づいていく形はとても面白いと思った」と明かしている。

▼ホラー界の新たな才能、ザック・クレッガーの軌跡

映画『Weapons(原題)』のザック・クレッガー監督(中央)とキャスト陣=LAプレミアにて 写真:Frazer Harrison/Getty Images
映画『Weapons(原題)』のザック・クレッガー監督(中央)とキャスト陣=LAプレミアにて 写真:Frazer Harrison/Getty Images

『バーバリアン』の成功が導いた『Weapons』

コメディ集団「The Whitest Kids U’ Know」(WKUK)出身という異色の経歴を持つザック・クレッガー監督は、2009年に『お願い!プレイメイト』で映画監督デビュー(トレヴァー・ムーアと共同監督)。しかし、真の才能を開花させたのは2022年の単独監督デビュー作『バーバリアン』であった。

ジョージナ・キャンベルビル・スカルスガルドジャスティン・ロング共演のホラー映画『バーバリアン』は、謎の民家を舞台に繰り広げられる背筋が凍る恐怖と革新的な物語構成で話題を呼び、カルト的人気を獲得。この成功により、『Weapons』の映画化権をめぐり製作会社間で激しい争奪戦が繰り広げられ、最終的にワーナー・ブラザース傘下のニュー・ライン・シネマが権利を獲得した。

業界最注目のザック・クレッガー監督が手がける次回作は、日本の大人気ゲームに基づく『バイオハザード』シリーズのリブート版。2025年3月には、『Weapons』に出演するオースティン・エイブラムスが主役候補として検討されていると米『ハリウッド・リポーター』が報じている。

▼『Weapons』は“喪失”から生まれた物語

オースティン・エイブラムス、映画『Weapons(原題)』より 写真:Warner Bros. Pictures
オースティン・エイブラムス、映画『Weapons(原題)』より 写真:Warner Bros. Pictures

ザック・クレッガー監督は、親友の突然の死という個人的な喪失をきっかけに本作を構想。「これは実話。ある日教師が学校に来ると、生徒が姿を消していた」という文章から物語を膨らませ、スティーヴン・キング的な“恐竜の骨を丁寧に1つひとつ掘り出す”ような創作手法で脚本を完成させたという。

また、クレッガー監督は『Weapons』に影響を与えた作品として、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『プリズナーズ』(2013)、ポール・トーマス・アンダーソン監督作『マグノリア』(1999)、そしてスタンリー・キューブリック監督作『シャイニング』(1980)など多岐にわたるジャンルの名作を列挙。特にホラー愛好家になるきっかけとなったという『シャイニング』からは、ステディカムを用いた主観的な視点の撮影技法を直接取り入れたと明かしている。

▼実力派が集結!『Weapons』のキャスト陣

ジョシュ・ブローリン、映画『Weapons(原題)』より 写真:Quantrell Colbert
ジョシュ・ブローリン、映画『Weapons(原題)』より 写真:Quantrell Colbert

教え子たちの突然の失踪に直面する教師ジャスティーン役は、Netflix『オザークへようこそ』でエミー賞を通算3度(2019/2020/2022)受賞し、近年はマーベル最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』など話題作への出演が続くジュリア・ガーナー。そして、『デューン 砂の惑星』や『アベンジャーズ』シリーズで知られるジョシュ・ブローリンが、息子を必死に探す父親アーチャーに扮する。

さらに、警官ポール役にオールデン・エアエンライク(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』)、薬物中毒の青年ジェームズ役にオースティン・エイブラムス(『ウォーキング・デッド』)、そして町に突然現れた謎の女性・グラディス役にはエイミー・マディガン(『フィールド・オブ・ドリームス』)が起用され、若手・ベテランの実力派が脇を固めている。

▼批評家・観客から絶賛続々!「今年最高の映画」

オールデン・エアエンライク、映画『Weapons(原題)』より 写真:Courtesy of Warner Bros.
オールデン・エアエンライク、映画『Weapons(原題)』より 写真:Courtesy of Warner Bros.

『Weapons』は2025年8月16日現在、米映画批評サイト・Rotten Tomatoes(ロッテントマト)のスコアで批評家94%・観客86%の高評価を記録するなど圧倒的支持を獲得。米『ハリウッド・リポーター』の映画批評家は、「巧妙に作られたスリラー」「予測不可能でひねりの効いた映画」「近年のホラー映画の中でも屈指といえるほど、爆発的に血みどろで、生々しく、そして見事に構成された結末」と激賞した。

また、SNS上には「ザック・クレッガーは、#Weaponsで傑作ホラー&今年最高の作品を生み出した!」「最初から最後まで緊張しっぱなしで、予想外の展開を届けてくれる映画を探しているなら、これで決まり」「こんなに身震いした映画は、最後にいつ観たか思い出せない」といった観客からの絶賛の声が続々と寄せられている。

▼すでに前日譚の企画も…?

映画『Weapons(原題)』に出演するエイミー・マディガン 写真:Warner Bros.
映画『Weapons(原題)』に出演するエイミー・マディガン 写真:Warner Bros.

『Weapons』の大成功を受け、ワーナー・ブラザースとニュー・ライン・シネマはすでにザック・クレッガー監督と、エイミー・マディガン演じる謎の女性グラディスの起源を探る前日譚の制作について話し合いを行っていると、米『ハリウッド・リポーター』が報じている

クレッガー監督は実際にグラディスの背景に焦点を当てたチャプターを脚本に含めていたが、上映時間の都合で削除。その失われたチャプターが、長編映画として復活する可能性が高まっている。

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ザック・クレッガー監督の才能が最大限に発揮され、単なるホラー映画の領域を超えた『Weapons』。革新的な構成、批評家絶賛の完成度、そして観客を最後まで引き込む衝撃の展開――。2025年、すべての映画ファンにとって必見の1本となっている。

記事/和田 萌

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