「#MeToo運動は終わった」記者発言に若手俳優が反論、ハリウッド論争が再燃

エミー賞受賞俳優のアイオウ・エディバリー(『一流シェフのファミリーレストラン』)による#MeToo運動とブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動に関する発言が、ソーシャルメディア上で大きな注目を集めている。同発言は、エディバリーの最新の出演映画『After the Hunt(原題)』のプロモーションインタビューで飛び出したもので、共演者のジュリア・ロバーツとアンドリュー・ガーフィールドが同席する中で行われた。
▼インタビューでの質疑応答が話題に
問題となったのは、イタリア人記者フェデリカ・ポリドーロが投げかけた質問だった。記者は、ロバーツとガーフィールドに向けて「#MeTooとBLMが『終わった』今、ハリウッドに何を期待しますか」と尋ねた。しかし、この質問に対してエディバリーが割って入る形で回答することとなった。
エディバリーは困惑した様子を見せながらも、手を挙げて次のように述べた。「この質問が私に向けられたものではないのはわかっていますし、それが意図的かどうかはわかりませんが、ただ気になったのです」そして「終わったとは思いません。まったく終わっていないと思います。ハッシュタグの使用頻度は下がっているかもしれませんが、活動家やさまざまな人々によって日々、すばらしい重要な仕事がなされているのです」と続けた。
エディバリーはさらに、これらの運動が現在も活発である理由について言及した。「運動は現在も継続中で、とても活発な状態です。世界が混乱し緊迫している今だからこそ、この取り組みがより一層重要になっているのです」
アンドリュー・ガーフィールドもエディバリーの見解に賛同し、「その通りです。これらの運動は今も続いています。ただ、以前ほどメディアで大きく取り上げられなくなっただけです」とコメントした。
▼記者が質問意図を擁護、批判に反論
インタビュー動画がYouTubeに投稿されてから2日後、質問者である記者は自身のインスタグラムで「個人的な侮辱や攻撃にさらされました」と述べ、批判に反論した。「『不快』と見なされる質問を検閲したり、正当性を否定したりすることは、民主主義の慣行にはありません」と主張し、「私の考えでは、本当の人種差別主義者とは、あらゆるところに人種差別を見出し、ジャーナリズムに猿ぐつわをはめ、分析の自由、批判的思考、そして視点の多様性を制限しようとする人々です」と投稿で述べている。
10月17日より全米公開される映画『After the Hunt(原題)』は、ルカ・グァダニーノ監督(『君の名前で僕を呼んで』)による心理スリラー。ジュリア・ロバーツ演じる大学教授アルマの教え子・マギー(演:アイオウ・エディバリー)が、アルマの友人で同僚のハンク(演:アンドリュー・ガーフィールド)を告発したことで、過去の暗い秘密が明るみに出るさまを描いている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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