『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』未成年俳優とのキスシーン、キャメロン監督が明かす撮影の配慮
映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のなかでも、ひときわ繊細で印象的な場面のひとつが、ナヴィ族の少女キリと人間の少年スパイダーによるキスシーンだ。物語上は純粋な感情が描かれる場面だが、実際の撮影現場では大きな配慮が必要だったという。
未成年俳優とのキスシーン――撮影現場で求められた配慮とは
キリを演じたのは、当時70代のシガニー・ウィーバー。一方、スパイダー役のジャック・チャンピオンは、撮影当時まだ15歳の未成年であったため、年齢差や法律面での配慮が不可欠だった。
この課題を解決したのが「デジタル技術を駆使した撮影手法」である。監督のジェームズ・キャメロンによれば、実際の撮影ではウィーバーが別の人物にキスをし、チャンピオンもまた別の未成年俳優とキスを行い、それぞれを合成する形が取られたという。
「ウィーバーとチャンピオンは、キス以外のすべてのシーンを演じた。頬に軽くキスする程度なら問題なかったが、親密さを表現するシーンには多くのルールがある。やむを得ず、視覚的な“違和感”を許容した数少ない場面だった」とキャメロンは語っている。
シガニー・ウィーバー「ナヴィの身体感覚が自分を変えてくれた」

シガニー・ウィーバーにとって、前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)から10代のナヴィを演じた経験は、私生活にも影響を与えたという。「ナヴィはとても身体性の高い存在で、その感覚が自分自身を変えてくれた。撮影中はほとんどの時間、喜びに満ちており、その感覚が身体にも表れていたと思う」と振り返っている。
1986年の『エイリアン2』以来、キャメロン監督と長年タッグを組んできたウィーバーは、世間で語られる「気難しい監督像」についても言及。「キャメロンは私にとって、いつだって優しい人。自分の仕事を心から楽しんでいるのだと思う」と語った。
また、現場で怒鳴る監督に対しては「だれか1人に怒鳴るということは、現場全員に怒鳴っているのと同じ。だから私は『やめてください。私たちは皆、最善を尽くしています』と直接言うようにしている」と話し、毅然とした姿勢を取ることを明かした。
キャメロン監督は、興行成績次第では『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が最後の『アバター』作品になる可能性があると語っている。しかしウィーバーは「『アバター』の4作目と5作目は、本当にすばらしい。すべてがひとつにつながっている物語なのだから、最後まで描かれるべきだと思う」とシリーズ継続を強く願った。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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