『国宝』でアカデミー賞メーキャップ&ヘアスタイリング部門ノミネートのチームが会見、李相日監督「このチームのすばらしさ称えたい」
第98回アカデミー賞のメーキャップ&ヘアスタイリング部門にノミネートされた『国宝』の豊川京子氏(ヘアメイク)、日比野直美氏(歌舞伎化粧)、西松忠氏(床山)、そして李相日監督が27日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で会見を行った。
同部門では、日本人でカズ・ヒロ(辻一弘)氏が『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2018)、『スキャンダル』(2020)で2度受賞しているが、日本映画作品としての候補入りは初めてとなる。統括的な役割を果たした豊川氏は、「(ノミネート発表の)1月22日に絶対ないよなと思いながら電話を待っていて、プロデューサーからLINEで『おめでとう』と連絡が来たが全然実感が沸かなかった。不思議な気持ちでした」と振り返った。
当初は25年一緒に仕事をしている李監督から、歌舞伎のメイクを含め全てを任されたという。だが、「一応練習はしたが、にわか仕込みでやるようなことではない。役者に失礼」と断念。その後、専門家を探す中で白羽の矢が立ったのが日比野氏だった。
日比野氏にとって映画の仕事は初めてで、合流したのはクランクインの1週間前だった。「白塗りは2~3時間かかるが、映画は撮影時間が長いので10時間、きれいにもたせるのが大変で苦労した」と回想。その上で、「何百年も続く日本の伝統を継承してきた人々がいて、私の師匠や、その先代を含め、ともに仕事をしてきた方々に助けられて勉強してきたことが、世界に認められた」と笑顔をはじけさせた。
西松氏も、「驚きしかありません。舞台の後ろから俳優を支える仕事をしてきて、まさかこういう席にいられるとは夢のようでございます」としみじみ。使用したかつらは3~4キロほどあり、「歌舞伎役者ではない人が長時間かぶって耐えられるのかが難しく、1カットで20回ほどかぶせたり外したりすることもあった」と明かした。
李監督は、「伝統の大きな重みがあり、歌舞伎に対する違和感がないよう、完ぺきな再現が求められていると思った」と説明。その上で今回のノミネートについては、「ビッグ・サプライズ。芸術を究めるという誰もマネできない生きざまを描くためにはメイク、衣装の奥にある人間性を見せようと思っていた。その外にあるメーキャップをつくり上げてくれたこのチームの素晴らしさを称えたい」と賛辞を送った。
第98回アカデミー賞の授賞式は、現地時間3月15日に開催される。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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