最新作『ザ・キラー』のデイヴィッド・フィンチャー監督、ストライキについて言及: 「両者のことが理解できる」
Netflix新作『ザ・キラー』のデイヴィッド・フィンチャー監督が3日、ヴェネツィア映画祭でハリウッドのストライキについて言及した。
「私は両者のことが理解できます。今は対話を促すことしかできません」そして、俳優組合(SAG-AFTRA)と脚本家組合(WGA)が話し合いを進めないことについて「非常に残念です。私は中立的な立場なので」と遺憾の意を表した。
ヴェネツィア映画祭コンペ部門出品作『ザ・キラー』は、仕事のミスが原因で世界的に追跡されてしまう暗殺者(マイケル・ファスベンダー)の物語。
記者会見でフィンチャーは、同作について「とてもシンプルかつ説得力があって、直線的なドラマです。一か八かの駆け引きで、細部もしっかりと描いています」とコメント。原作はフランスのグラフィックノベルで、『セブン』・『ゲーム』・『ファイト・クラブ』でタッグを組んだアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが脚本を務めた。
劇中では、厳格な規範に従って生きる主人公の世界が崩壊し、現実を見失う姿が描かれている。「規範、または壁のレンガがバラバラになっていく、というアイデアがお気に入りです。彼には計画があって、それを決して諦めない。一方で、観客は彼が即興で行動していく様子を見守ることになります」とフィンチャーは説明した。
“ザ・キラー”と称される暗殺者には、あえて名前を与えなかったそうだ。ナレーションを通して伝えられる主人公の思考を除けば、キャラクターは謎に包まれている。一見、平凡に見える主人公について、フィンチャーは「彼が恐ろしい男である必要はなかった。鑑賞者には、“ホーム・デポ”で後ろに並んでいる人たちに神経をとがらせるようになってほしい」と語った。
『ザ・キラー』は一部劇場にて10月公開、Netflixで11月10日より配信開始。オスカー受賞作『Mank/マンク』、ドラマ『マインドハンター』に次ぐフィンチャーとNetflixのコラボ作品となっている。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌