BFIロンドン映画祭がエメラルド・フェネル監督「Saltburn(原題)」で開幕 会場外ではデモも
BFIロンドン映画祭が4日、エメラルド・フェネル監督『Saltburn(原題)』のヨーロッパプレミアで開幕した。上映前には、ストライキが原因で苦境にあえぐスタッフによる小規模デモが行われた。
約30人がレッドカーペットを見渡せる陸橋上で、「イギリスのキャスト・スタッフはこの業界で重要な存在」というバナーを掲揚。ゲスト到着時にリーフレットを配布する人もいた。
“Crew Call for Change”のメンバーは抗議に先立ち、米ハリウッド・リポーターに対し映画祭そのものへの反発ではないと明かした。「おめでたい場ですが、この機会を利用して強く発言したかった。滅多にレッドカーペットを拝めない標準以下の労働者たちは、苦しみ続けている。そして、私たちはどこにも行かないとね」
『Saltburn(原題)』はワーナー・ブラザースとAmazonが配給しており、メンバーは会社の担当者に“自分たちの存在を認識させる”ことを望んでいるという。
ロンドン映画祭ではこれまでも様々なデモが行われてきたが、4日の抗議は最も目立つものだったといえるだろう。ハリウッドのスタジオに対内投資を頼るイギリスの業界は現在、大きな危機に立たされている。デモ関係者によると、イギリスの映画・テレビ業界の75%が失業中で、35%が金銭的に苦しんでいるという。そして約4分の1の人々が、5年先の未来を思い描けずにいる状態だ。
デモ関係者は全米俳優組合(SAG-AFTRA)へのサポートを示しているが、イギリスの労働者は“スト中ではないが、議論の影響に晒されている”と伝えた。
また“Crew Call for Change”は、イギリスのスタッフ組合「BECTU」が英国映画協会(BFI)といった組織とともに国内投資を促進することで、労働者を保護できるのではないかと述べた。「この出来事で、私たちが完全にスタジオに依存していたことが明るみになった。これでは持続不可能です」
『Saltburn(原題)』のレッドカーペットには、監督・脚本のエメラルド・フェネルが登場。主演のバリー・コーガンのほか、ジェイコブ・エローディ、ロザムンド・パイクは欠席した。
BECTUは5日にデモを行い、映画テレビ制作者同盟(AMPTP)に速やかにSAG-AFTRAと合意に達するよう求める予定だ。
BFIロンドン映画祭は10月4~15日まで開催。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。