初開催「沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」ラインナップ発表、多彩な約40本を上映

「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル2023」(11月23~29日、那覇市ぶんかテンブス館など)のラインナップ発表会見が11日、都内で行われた。

「太平洋、海をまなざし、海を知る」をスローガンに、環太平洋の国々、またゆかりのある監督らの作品を約40本上映。オープニングは、沖縄を拠点に活動する写真家・石川真生さんを追った砂入博史監督のドキュメンタリー「オキナワより愛をこめて」、クロージングはオーストラリア、ニュージーランドの8編からなるオムニバス「私たちはここにいる」が飾る。砂入監督は、「素晴らしく面白い、石川真生丸かじりの映画です」と自信のほどを語った。

コンペティション部門では、オーストラリアで30年以上のキャリアを誇るRolf de Heer監督の「サバイバル」、クジラ漁を生業とするアラスカの小さな島を舞台にしたドキュメンタリー「クジラと英雄」など多彩な9本を選出。日本から選ばれた「水いらずの星」は松田正隆氏の戯曲の映画化で、越川道夫監督は「はなから戯曲のままでやろうと思い、どうすれば映画になりうるかを考えながら撮った。役者が美しく見えればいいし、自分では精いっぱいやった」と説明。主演でプロデューサーも兼ねた河野知美は、「芝居とは何かを呪いのように問いながら、追求できたぜいたくな時間だった」と満足げに振り返った。

那覇市出身で、アンバサダーを務める俳優の尚玄は「新しい切り口でフォーカスされた映画祭が、愛する沖縄で開催されることを心からうれしく思う」と感激の面持ち。「敷居が高いイメージは持たれたくない、気軽に足を運んで純粋に映画について話し合う出会いの場になってほしい」と期待した。

映画祭理事の東盛あいか監督は、与那国島出身で「映画を見ることがほとんどない環境で育った私としては、世界の映画が沖縄で見られることは私たちの次の世代、子供たちにとって素晴らしいことだしうらやましくもある」と笑顔。「沖縄から次の世代が生まれることを望みますし、沖縄がアジアの玄関口としてよみがえることを願っています」と話した。

https://www.cinema-at-sea.com/

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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