第36回東京国際映画祭が開幕、w・ヴェンダース審査委員長が抱負「知的な決断下す」

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第36回東京国際映画祭が23日、役所広司がカンヌ映画祭の最優秀男優賞を受賞したヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」をオープニングに開幕した。

日比谷仲通りに敷かれたレッドカーペットには、226人のゲストが登場。クロージングを飾る「ゴジラ-1.0」に主演の神木隆之介は、「レッドカーペットを歩けて幸せ。日本が世界に誇るコンテンツ。画面いっぱいにゴジラの顔が出てくる迫力で、アトラクション感覚で楽しめる」と笑顔で話した。

コンペティション部門に選出された「正欲」に主演した稲垣吾郎は、「出演者の覚悟を必要とする作品でしたが、それが報われる作品」と自信の笑み。ガラ・セレクション部門で上映される「怪物の木こり」に主演のKAT-TUNの亀梨和也は、「映画を通して、皆さんに素敵な時間が流れることを願っています」と呼びかけた。

オープニングセレモニーは川井郁子と弦楽五重奏による、「ジョーズ」のテーマ、坂本龍一さんと松本零士さんをしのび「ラスト・エンペラー」、「宇宙戦艦ヤマト」などのパフォーマンスでスタート。特別功労賞の表彰では、受賞した中国のチャン・イーモウ監督が「私は86年『古井戸』で本映画祭の最優秀男優賞を受賞しました。あの頃はまだ監督ではなかった。光陰矢のごとしだが、再び戻ってくることができ、これは決して終わりではなく新たなスタート。これからもいい作品を作ってまた皆さんとお会いしたい」とさらなる意欲を見せ、盛大な拍手を浴びた。

コンペティション部門の審査委委員長も兼ねるヴェンダース監督は、「オープンな心と思考で知的な決断を下したい。審査員同士でやり合うなら、クロージングの後で」とジョークを交じりに抱負。その後、「PERFECT DAYS」の監督としても再登場し「私は夢を見ました。日本で映画を撮りたい。主演は役所広司さんで。カンヌ映画祭に出品して、役所さんが男優賞を獲る。オスカーレース(アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表)はなかったが、東京国際映画祭でオープニング上映したい。そして今、目が覚めてここにいます」とユーモアたっぷりに語った。役所も、「命ある人間たち、樹木たち、東京の風景をヴェンダース監督の温かいまな差しでカメラに収めたドキュメンタリーのような作品を楽しんでもらえたら」とアピールした。

 そして、安藤裕康チェアマンが開幕を宣言。東京国際映画祭は11月1日まで開催され、期間中、イベント。共催、提携も含め219本が上映される。

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