M・スコセッシが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に対する低評価に“超うんざり”

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』写真: ©MARY CYBULSKI/PARAMOUNT PICTURES/COURTESY EVERETT COLLECTION

3時間に及ぶ上映時間にもかかわらず『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、マーティン・スコセッシ監督作品で最高興行収入を記録した。一方で、非道徳的な主人公ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)を露骨に称賛するような、あまりに下品なファンタジーだと非難する人々もいる。

ティモシー・シャラメとコラボした『GQ』誌の特集で、登場人物への感じ方を観客に伝えたがらないことについて訊ねられると、スコセッシは「ウルフ~」を話題に出した。

「『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の場合、とあるインタビュアーから“(「ウルフ~」をめぐる)論争をご存知ないのですか?”と言われて、初めて知ったんだ。批評家向けの試写会で、この映画を気に入った陣営と主人公に我慢ならないと激怒した陣営に分かれたらしい。好意的にみた批評家の1人が、“君はM・スコセッシにそれが間違っていると言われなければならないのか?スコセッシならそれが間違っていると分かっている”と言ったそうだ」

シャラメが「道徳的な態度に少しうんざりしますか?」と問うと、スコセッシは「うんざりを通り越している」と答えた。

このような見方は実際、1930~40年代にかけての「ヘイズ・コード」規制の名残のようだ。ヘイズ・コードでは、劇中の犯罪行為はすべて罰せられなければならず、不道徳な行為は悪いと観客に対し明確に描写しなければならないと決められていた。

しかし、多くの批評家は当時、まさにその理由で「ウルフ~」を非難した。Rotten Tomatoesの“Top Critics”には以下のような批評が掲載された。「映画は道徳を教えるべきでないが、傑作は相反する哲学を取り入れている」「道徳的な中心がなく、“ウルフ~”は悪行の宝庫を楽しんでいるようだ」「まさに不道徳の乱痴気騒ぎであり、各シーンは同じことを一層常識外れにしていくだけ。アクションはスコセッシらしく編集されているが、あまりに単調な効果しかない」

ちなみに、米ハリウッド・リポーターのレビューは非常に高評価で、「ウルフ~」は“スコセッシ作品ベスト10”入りを果たしている。新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』もランクインした。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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