『ゴジラ-1.0』山崎貴監督が語るインスピレーション、VFX制作の裏側
先月23日、山崎貴監督の映画『ゴジラ-1.0』が、米アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされた。発表の瞬間、本作でVFXを担当した精鋭らが歓喜に沸く様子を捉えた映像は、最近大きな話題となった。
発表当日の22時30分、東京にあるVFXスタジオ・白組には、チームの面々に加え、東宝の担当者らも駆け付け、その瞬間をテレビの前で見守った。一同は寿司、ビールやお酒でお祝いし、多くのスタッフが終電を逃したという。
「朝まで飲み明かしました」と山崎監督は、米『ハリウッド・リポーター』に語った。「そのうち、朝のニュース番組が始まって、ゴジラのノミネートが報じられたのです」
監督のインスピレーション
山崎監督は、人間ドラマと怪獣映画としてのバランスが取れた本多猪四郎監督のオリジナル版『ゴジラ』から大きな影響を受けたという。そして、50年代の観客が体験した恐怖を引き起こすようなリアルさが感じられる、怪獣映画の伝統を受け継いだ本作を作り上げた。
VFX制作の裏側
山崎監督はVFXも兼任しているため、VFXディレクター・渋谷紀世子氏、CGディレクター・高橋正紀氏、コンポジター・野島達司氏とともに今回のノミネートに名を連ねている。
チームによると、監督がVFXを兼任したことで、現場の仕事が効率化したそうだ。本作は、610ものVFXショットで構成されており、124分間の上映時間の三分の二を占めている。
また、CGのゴジラがデジタルの水と触れ合うシーンなど、クリエイターが単独で1つのショットを完成させることもあったという。山崎監督にとって、野島氏の技術が海のシーンを増やすことへの自信につながった。
チームは今、3月10日(現地時間)の授賞式へと旅立つ日を待ち構えている。高橋氏は、「(オスカーは)テレビで何度も観ており、手の届かない場所だと思っていました。少しの時間でも同じ場所に立てるのは、非常に恐縮です」と明かした。
※初出は米『ハリウッド・リポーター』(2月7日号)。本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌