Netflix『終わらない週末』をネタバレで考察!賛否あるラストの意味は?

『終わらない週末』 JOJO WHILDEN/NETFLIX

終わらない週末』は、2023年12月8日にNetflixで配信され、その驚きのラストが賛否両論を巻き起こしている今話題の映画。

あの超人気ドラマの意味やテスラのシーンなど、謎が多いことからたくさんの見解が飛び交っています。

そんな注目の作品『終わらない週末』の考察をまとめていきます。

そして、謎を呼ぶラストについては、サム・エスメイル監督が米ハリウッド・リポーターに真意を明かしてくれました。

オバマ元大統領が製作指揮

ジュリア・ロバーツイーサン・ホークら豪華キャストが集結した本作は、バラク・オバマ元大統領とミシェル・オバマ夫人を製作総指揮に迎え、世界の終末を描くスリラー映画。

オバマ元大統領は、自身の「お気に入り映画2023」の中で『終わらない週末』を選ぶほどお気に入り。

ニューヨークに住むアマンダ(ジュリア・ロバーツ)は、週末をのんびり過ごそうと別荘を借りて家族とともにロングアイランドへ。現地に到着するとWi-Fi、テレビ、スマホが使えないことに気が付きます。

その日の真夜中、別荘のオーナーを名乗る謎の人物ジョージ(マシャーハラ・アリ)とその娘が突然の訪問。サイバー攻撃で大停電になり逃げてきたと主張しますが、アマンダは不信感を抱きます。

しかし状況は悪くなっていくばかり。壊れゆく世界で2組の家族は生き抜く方法を探し始めます。

ここから『終わらない週末』のネタバレが含まれます】

現代社会へのメッセージ

『終わらない週末』より 写真: JOJO WHILDEN/NETFLIX

終わりを迎えようとする世界では、最新技術は全く役に立ちません。

自動運転するテスラは誤作動を起こし追突し始め、テレビは電波が届かず最新ニュースも見れません。現代の私たちが最も依存しているスマホももちろん起動せず、2組の家族は路頭に迷います。

いまアメリカ・サンフランシスコでは、2023年8月からスタートした完全自動運転タクシーの度重なるトラブルに対し市民の反対運動が起こっています。

さらにNetflixは2023年四半期だけで1310万人が会員登録し、売上も前期より6.6%も増加。

私たちの世界では配信サービスが好調だというニュースが流れるなか、サイバー攻撃を受けた『終わらない世界』ではNetflixなど動画配信は一切見れず、起動できたのはDVDデッキだけという皮肉な演出。

便利すぎる現代社会の脆さがあぶり出されていきます。

賛否両論のラストをサム・エスメイル監督が語る

謎を呼んでいるラストでは、娘ローズがシェルターにたどり着きます。室内を探索しているとローズが観たかったドラマ『フレンズ』最終話のDVDを発見。笑みを浮かべながら再生するところで幕が閉じます。

ストーリー上の事件や謎は解明されず、『フレンズ』の最終回をようやく観れたローズとドラマのテーマ曲「I’ll Be There for You」が流れて映画も終了。「ここで終わり?」とモヤっとした人も多く賛否両論を巻き起こしました。

このことについて、サム・エスメイル監督は米『ハリウッド・リポーター』に以下のように語ります。

「伝統的なディザスター映画では登場人物たちが災害を乗り越えて、世界が表面上の日常へと戻ることが期待されます。私は、そんな風にはしたくありませんでした」

「映画ファンとしては、何時間も話し合えるような内容だとワクワクします。なので、リスクは承知の上で、思考を刺激するようなラストにしたかった。そのおかげで、様々な考察が生まれていくのです」

この監督の見解から、ラストシーンに何か特定の真実が隠されているわけではなく、各々の意見で考察を楽しむことが目的だと推測できます。

『フレンズ』とラストの関係性とは

ドラマ『フレンズ』 NBC/PHOTOFEST

フレンズ』はニューヨークに住む男女6人の友情や恋愛を描いたシットコムドラマで1994年から2004年まで放送されました。

世界で社会現象になるほど大人気で、みんなの愛すべき隣人のようだったキャストたち。登場人物たちの住むアパートの外観もニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジに実在しているため、より身近に感じます。

リアルに存在しているような感覚になっても、やっぱりおとぎ話。「『フレンズ』のカフェに行きたい」というローズに、「あれはセットで実在しない」と父が答える会話からも分かります。

世界が壊れていく状況で『フレンズ』に固執し続けるローズはその理由を「幸せになれるから。今こそ必要でしょ?」と返答。『フレンズ』はリアルではなくおとぎ話で、幸せに現実逃避させてくれる存在なのです。

終わらない週末』は世界の終末というテーマと、『フレンズ』を観るというゴールとともに並行していきます。さらに『フレンズ』のDVDを再生するラストシーンは、原作にはなく映画だけのオリジナル。

セリフに隠されたメッセージ

これらの前提をもとにすると、世界の終末をリアルに描いてきたけどエンタメの1つだと受け取ってほしいという監督の意図を感じます。

映画の序盤でこんな会話がありました。「最終回が気になって仕方ない」という娘ローズに対して「真剣になりすぎじゃない?」と答えるアマンダ。

『終わらない週末』のラストの意味をどうしても解決したいという視聴者に、もっと気楽に映画を楽しもうよという監督からのメッセージに聞こえてなりません。

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