ニコール・キッドマン、出演作への思いを語る ― デビューから40年で生涯功労賞受賞

ニコール・キッドマン 写真: Ryan Pfluger
ニコール・キッドマン 写真: Ryan Pfluger
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映画デビューから40年が経過したオスカー俳優、ニコール・キッドマンが米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

キッドマンは今年、アメリカン・フィルム・インスティチュートからAFI生涯功労賞を授与される。オーストラリア人としては49年ぶりとなる、歴史的な栄誉を受けることとなった。

これまで、スタンリー・キューブリック(『アイズ・ワイド・シャット』)をはじめ、ジェーン・カンピオン(『ある貴婦人の肖像』)、ソフィア・コッポラ(『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』)ら世界の著名監督とタッグを組んできたキッドマン。

「私は極端な人生を送ってきました」と俯瞰する彼女が、世界を股にかけたキャリアや、優れた仕事相手の資質などについて語ってくれた。

※初出は米『ハリウッド・リポーター』(4月24日号)。


ーこれまでの経歴の中で、数多くの賞を受賞されてきました。今回のAFI生涯功労賞は、どのような点が特別なのでしょうか?

歴代受賞者のリストを見ると、本当に圧倒されます。受賞者がこれほど少ないうえ、オーストラリア人は誰もいないのです。この栄誉に私が選ばれたことに、心からすばらしい思いでいっぱいです。

ーこれまでの出演作の映像が流されるのを見るのは、変な感じがしますか?

私は過去に囚われず、常に前を向いてます。一方でこの栄誉は、過去を振り返る機会を与えてくれ、それは実に素晴らしい体験でした。改めて気づかされたのは、これまでギリシャ、韓国、イギリス、オーストラリアなど、世界中の名監督と仕事をしてきたということです。

アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)からこのような賞を授与されることは、米国生まれの私にとって最大の名誉です。両親がオーストラリア人なので、私は二重国籍を持っています。

ハリウッドで映画を撮ることを常に目指していましたが、実際に求めていたのは世界中で映画を撮ることだったのです。世界を見渡したかったのです。

ー数多くの映画製作者とコラボしていますが、優れた仕事相手の特徴とは何だと思われますか?

情熱ですね。尽きることのない情熱がなければ、どこにも辿り着けません。おそらく執着心すらも必要とされるでしょう(笑)映画を作り上げるには、強い意志が求められます。多くの場合、あらゆる障壁を乗り越えなければならないのです。

私は、超低予算の映画から超大作まで、さまざまな規模の作品に携わってきました。色々な世界に足を踏み入れることができるのは、本当に楽しいです。

ーあなたの出演作のなかで、テレビで放映されたら釘づけになってしまう映画はありますか?

それは私以外の人に答えてもらわなければなりません。作品を世に送り出せば、辿り着くべき人の元に辿り着くものです。そこに、私が関与するべきではありません。

なぜなら、私は自分自身のために作品を作っているのではないからです。共有し、貢献し、世界の一部となるために作品を作っているのです。

規模にかかわらず、作品がそれぞれの居場所を見つけられたら幸いです。そして時に失敗作と思われた作品が、のちに息を吹き返すこともあるでしょう。

ー観客の反響に驚いた作品はありますか?

常に驚きがあります。様々な作品について、人々から声を掛けられます。そして、最も多くの人々に届いた作品が、必ずしも最も熱心な反応を呼ぶわけではありません。もちろん大ヒット作品もあり、「よし、うまくいった」と思えます。

人々の心に届く作品こそが重要なのです。私の存在がこうして人々に知られているということ自体に、いつも驚かされています。子供たちは「どこに行ってもお母さんのことを知っている人がいる」と言います。それには、常に驚かされます。

ーこれまで『ドッグヴィル』のような実験的な映画など、様々なジャンルの作品に出演されていますね。

『ムーラン・ルージュ』の後に、『ドッグヴィル』を撮ったんです!何百人もの歌手やダンサーがいた舞台から、突然スウェーデンの暗闇の中へと行きました(笑)

しかしそこから、アレハンドロ・アメナーバル監督と『アザーズ』をスペインで撮影し、今度はパク・チャヌク監督と『イノセント・ガーデン』をナッシュビルで撮りました。

私はこうした極端さや感情を求めています。本当に極端な人生を送ってきたことでしょう!

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌


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