アレックス・ガーランド監督『シビル・ウォー』を通してのメッセージは「トランプに投票するな」⁉

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』ジャパンプレミアに登壇したガーランド監督
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A24が最大の製作費を投じた米英合作映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のジャパンプレミアが25日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、来日したアレックス・ガーランド監督が上映後に舞台挨拶に登壇した。

米連邦政府から19の州が離脱し内戦が勃発。共和党勢力が大勢を占めるテキサスと民主党支持の急先鋒されるカリフォルニアが手を組み、ワシントンD.C.を中心とする政府軍と壮絶な戦いがジャーナリストの視点で描かれる。衝撃的な内容が米国内では物議を醸し、バイデン大統領や次期大統領選の民主党候補となったハリス副大統領も観賞を希望しているといわれる問題作だ。

アレックス・ガーランド監督

ガーランド監督は、「決して空想ではなく、世界で今繰り広げられていることを反映させた。欧米をはじめいろいろな国が、僕が子供の頃とはだいぶ違う様相を呈している。それらの国で見られることを表現した」と説明。さらに、「近未来のフィクションではあるが、50%は現実」と補足した。

キルステン・ダンストらが演じるジャーナリストチームを主人公にした理由については、「今のジャーナリズムは敵視され、腐敗した政治家に矮小化されている。デモを取材すればツバを吐かれ、時には精神的、肉体的な暴力を受ける。自由な生活を守るためにジャーナリズムは必須で、彼らをヒーローにしたかった」と持論を展開した。

クライマックスとなるワシントンでの攻防戦は元従軍兵らを起用しリアリズムを追求。「その中の3人は元ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)だから、演出は普段やっていたことをやってくれと言っただけなので一番楽だった。ドキュメンタリーを撮っているようで、次回作の着想にもなった」と明かした。

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作品を通して世界へのメッセージを求められると、イギリス人ではあるが「トランプに投票しないでくれ」とジョーク交じりに反トランプの姿勢を表明。この日はドルビーシネマでの上映で、「銃声も本物の空砲で10マイル離れていても聞こえるほどで、俳優のリアクションもリアルなものだ。ぜひ劇場で見てほしい」とアピールした。

アレックス・ガーランド監督(左)と司会を務めた映画評論家の町山智浩氏(右)

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、全米で興行ランキング2週連続1位となるなど興行収入約6800万ドル(約98億円)を突破。既に71の国と地域で封切られ、1億2000万ドル(約173億円)を稼いでおり、日本では10日4日に全国で公開される。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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