『シビル・ウォー アメリカ最後の日』アメリカの内戦を描いた体験型ディストピア・アクション
「純粋に言葉を失う」「ゾッとする物語」「今年最高の映画であるだけでなく、最も重要な映画」
プレミア上映後に絶賛の声が相次ぎ、SNSでも話題沸騰になった『シビル・ウォー アメリカ最後の日』が、10月4日(金)から公開する。
『ミッドサマー』や『aftersun/アフターサン』で知られる新進気鋭スタジオA24が、史上最大の製作費を投じた体験型ディストピア・アクションだ。
世界71の国と地域で一足先に公開されると、A24史上最高のオープニング記録を樹立し、2週連続で全米1位を獲得。
メガホンを執ったのは、『エクス・マキナ』で第88回アカデミー賞視聴効果賞を受賞したアレックス・ガーランドだ。
主人公の戦場カメラマンをキルスティン・ダンストが演じる。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』あらすじ
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
大統領のいるワシントンD.Cは、陥落が目前に迫っている。
ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月1度も取材を受けていない大統領に独占インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かうことを決意。
しかしその旅路は戦場と化し、内戦の恐怖と狂気が4人を襲ってくる。
まるで戦場にいるような体験型ディストピア・アクション
何よりも驚いたのが、戦場カメラマンってこんな至近距離から撮影してるんだ!と衝撃を受けたこと。
戦場カメラマンと同じ目線で繰り広げられる銃撃戦は、目をそむけたくなるほどのリアリティと臨場感。
本作の一連の戦いの演出を手掛けたのは、元海軍特殊部隊のレイ・メンドーサ。リアリティを投影するために尽⼒したという。
メンドーサの指導の下、ガーランド監督は「できる限り、現実に近い質感を表現するようにした」と語る。
圧倒的な没入感をさらに深めているのが、こだわり抜いた音響だ。
ガーランド監督が「この作品では、リアルかつ⼤⾳量な発砲⾳を多⽤した。より恐怖を感じるサウンドを⽬指した」と語るように、鳴り響く銃声は、戦場のど真ん中に放り出されたような極度の緊張感と狂気が全身に襲ってくる。
戦場カメラマンの苦悩をキルスティン・ダンストが真に迫る演技で表現
また本作は、ジャーナリストたちの葛藤や苦悩に焦点を当てている。
キルスティン・ダンスト演じるリー・スミスはベテラン報道カメラマン。そんなリーに憧れるのはケイリー・スピーニー演じる駆け出しカメラマンのジェシーだ。
戦場では一瞬で命を奪われる危険性と隣合わせだからこそ、リーは長年の経験から培った動物的な嗅覚や直感や感覚を備えている。
一方のジェシーは若さゆえの無鉄砲さ、大胆さ、怖いもの知らずなところが弱点でもあり強みにもなっている。
対照的な2人を見ていると、お互いにあるものとないものがより鮮明に際立ち、それぞれが抱える悲しみや苦悩が観ている側の心に突き刺さってくる。
常に冷静沈着なリーが感情を取り乱すシーンは、長年の苦悩が手に取るように伝わってきて感情を揺さぶられる。
戦場カメラマンとして生きる2人の繊細な心に機微に注目してほしい。
さらに「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」と言い放つ兵士を、主演キルスティン・ダンストの夫ジェシー・プレモンスが演じる。
『FARGO ファーゴ』シーズン2、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』以来の夫婦共演となる。
狂気に支配されたジェシーの演技にも注目だ。
【作品情報】
映画:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
公開日:10月4日(金)
監督/脚本:アレックス・ガーランド
キャスト:キルスティン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニ―
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
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