映画『ウィキッド』上映時に写真撮影…鑑賞マナーをめぐり論争
現在、アメリカで大ヒット中の新作映画『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年春公開)。アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォが主演し、同名のブロードウェイミュージカルを映像化した作品が今、上映時のマナーをめぐる論争を招いている。
■上映時に撮影…批判が噴出
事の発端になったのは、とあるグランデのファンアカウントによる「あなたたちの『ウィキッド』の写真をみせて」というX(旧Twitter)への投稿。投稿は拡散され、一部の観客がスクリーンを撮影した写真をSNSにシェアする事態に。それに対し、「こんな奴らは、劇場から追い出せ」といった反応が続出したのだ。
「もちろん、携帯の使用は暗い劇場内で鑑賞の妨げになります。まったく許容できない行為であり、どんな作品の上映時でもすべての劇場で禁止されるべきです」と、南カリフォルニア大学映画芸術学部のジェイソン・E・スクワイア名誉教授は語る。
■映画館側も反応
米映画館チェーンのAlamo Drafthouseも、写真撮影を呼びかける投稿に「いや、それはやめてください」と反応。同チェーンはインフルエンサーと協力してスクリーニングの認知度を高めているが、鑑賞体験を記録した写真を共有するタイミングは、映画が始まる前に提供していると強調した。
「自己表現を求めたり、自分の経験をSNSコミュニティにシェアするインフルエンサーは沢山います。なので、私たちはそのことを違ったやり方で受け入れているのです。上映前に写真を撮影していただき、ロビー内で体験を楽しんでもらっています」
■声出しOKの上映も
製作会社のユニバーサルは、本件についてコメントを出していない。スタジオ側は、映画の口コミを広めるTikTokのようなプラットフォームを受け入れるようになっているが、一般的には劇場側のポリシーに沿っていると考えられる。
さらに、ミュージカル映画の上映時に、声を出して一緒に歌うという点についても意見が分かれている。『ウィキッド』の公開前には米映画館チェーンのAMCシアターズが声明を発表し、携帯の使用だけでなく、上映時に歌を歌うことを控えるよう求めた。また、一部のチェーンではファンのために声出し上映イベントを設けている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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