東映最後の直営館・丸の内TOEIが7・27で閉館、吉永小百合らから惜しむ声

「さよなら丸の内TOEI」©︎東映
「さよなら丸の内TOEI」©︎東映
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東映は16日、東京・銀座の丸の内TOEIを7月27日に閉館すると発表した。東映本社の入る東映会館の再開発にともなう措置で、東映最後の直営館が約65年の歴史に幕を下ろす。

丸の内TOEIは1960年9月20日、丸の内東映と洋画封切り館の丸の内東映パラスとして開業。
オープニング作品は沢島忠監督、二代目大川橋蔵主演の『海賊八幡船』だった。
2004年に現在の名称となった。

丸の内TOEI
丸の内TOEI

著名人からも閉館を惜しむ声が寄せられた。

俳優の吉永小百合は、「初めて丸の内TOEIで舞台挨拶をさせていただいたのは1980年1月15日。1年間かけての撮影で映画の本当のだいご味を知り、役に成り切る高倉健さんのパワーに圧倒された『動乱』の初日でした。以来、20本近くの作品の初日をこの劇場で迎えたのです。公開中に、お客さまの反応を知りたいと、そーっと後部の席に座ったこともありました。映画の本来の楽しさを知る大切な、大切な直営の劇場がなくなってしまう…悲しいです。感謝の思いでいっぱいです」とした。

『動乱』第1部海峡を渡る愛/第2部雪降り止まず  引用元:Amazon
『動乱』第1部海峡を渡る愛/第2部雪降り止まず  引用元:Amazon

激動の昭和の時代、五・一五事件から二・二六事件までの風雲急を告げる時を背景に、寡黙な青年将校とその妻との愛が一大叙事詩として、雄大なスケールでダイナミックに綴られていく。
演ずるは高倉健、妻役には吉永小百合。
これに加えて、女優として進境著しい桜田淳子、演技派・米倉斉加年、さらに田村高廣、永島敏行、志村喬、にしきのあきらといったベテラン、若手の多彩なキャストが揃う。
監督には、『日本沈没』『八甲田山』の森谷司郎。
脚本には、『戦争と人間』『華麗なる一族』『不毛地帯』等大作を手掛ける山田信夫が満を持して書き下ろしたオリジナル第一部「海峡を渡る愛」、第二部「雪降り止まず」の二部構成で、仙台、朝鮮半島、山陰、そして雪の東京へとストーリーはドラマティックに展開してゆく。

北大路欣也は、「あらゆるポジションの方々が、力を結集し全身全霊で築き上げられた東映本社ビルと丸の内TOEI。私も幾度か舞台でファンの皆さまと交流をさせていただき、楽しい時間を共有できたことはうれしい思い出です。本当にありがとうございました。多謝再見」と感謝。

舘ひろしも、「私は東映でデビューしたので、丸の内TOEIの上にある本社にはよくお邪魔し、私にとっては特別な場所です。そして、『あぶない刑事』シリーズの初日舞台挨拶では、本当に多くのファンの皆さんが劇場の前に集まり温かく迎えてくださったことが今も心に残っています。惜しまれながら閉館してしまうことはとても残念です。たくさんの思い出と感動をいただき、感謝しております」とコメントした。

『さらば あぶない刑事』 引用元:Amazon
『さらば あぶない刑事』 引用元:Amazon

東映では、各部署を横断した「さよなら丸の内TOEI」プロジェクトチームを編成し、今春からさまざまな事業を展開する予定。

吉村文雄社長は、「映画ファンの皆さまに愛された劇場。華々しくにぎやかな閉幕を迎えたい」と話した。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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