アカデミー賞を受賞したミュージカル映画10本…オードリー・ヘップバーン主演のあの作品も!
アカデミー賞の約96年の歴史において、1929年の『ブロードウェイ・メロディー』から2002年の『シカゴ』まで、計10本のミュージカル映画が作品賞を獲得している。
2025年のアカデミー賞では、また新たなミュージカル作品が作品賞を受賞する可能性があるのだろうか?今年の作品賞には、『エミリア・ペレス』と『ウィキッド ふたりの魔女』の2本のミュージカル作品がノミネートされている。
以下、オスカー作品賞に輝いた10本のミュージカル映画を紹介
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す
1.『ブロードウェイ・メロディー』 (1929)
アニタ・ペイジとベシー・ラヴは、ブロードウェイでの成功を夢見るヴォードヴィルの演者の姉妹を演じている。しかし、二人が同じ男性(チャールズ・キング)に恋をしてしまうことで、物語は複雑な展開に。テクニカラーのシーンを採用した最初期のミュージカル映画の一つであったが、そのプリントは全て失われており、現在では白黒版のみが残されている。1929年の興行収入第1位を記録し、さらには主演女優賞(ラヴ)と監督賞(ハリー・ボーモント)にもノミネートされた。
2.『巨星ジーグフェルド』(1936)
『巨星ジーグフェルド』は、演芸のヒットショーを築き上げるフローレンツ・ジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)の生涯を描いた創作的伝記映画。ルイーゼ・ライナーとマーナ・ロイは、それぞれ実在のアナ・ヘルドとビリー・バークを演じている。1930年代で最も成功した映画の一つとして、豪華な衣装やセット、振付が特徴で、オスカー作品賞に加え、主演女優賞(ライナー)とダンス監督賞(セイモア・フェリックス)も受賞した。
3.『我が道を往く』(1944)
ビング・クロスビー演じるニューヨークの教会に転任となった若き神父オマリーは、ベテラン神父のフィッツギボン(バリー・フィッツジェラルド)と対立する。1944年の興行収入第1位となった本作は、作品賞をはじめ、監督賞(レオ・マッケリー)、主演男優賞(クロスビー)、助演男優賞(フィッツジェラルド)などオスカー7冠を獲得した。
4.『巴里のアメリカ人』 (1951)
映画デビューを飾るレスリー・キャロンとジーン・ケリーが、パリで仕事を探すアメリカ人を演じた作品。3人のアメリカ人のうちの二人が同じ女性(キャロン)に恋をする。タイトル曲に合わせて演じられる17分間のセリフのないバレエシーンは高い評価を受けており、50年代の基準では法外な45万ドルの制作費がかかった。本作は作品賞、脚本賞、美術賞、撮影賞、作曲賞、そして衣装デザイン賞の計6つのアカデミー賞を受賞した。
5. 『恋の手ほどき』(1958)
レスリー・キャロンは、社交界で修業中の少女を演じている。裕福な遊び人(ルイ・ジュールダン)は、彼女に恋をしてしまう。本作はノミネートされた全9部門でアカデミー賞を受賞し、当時の記録を打ち立てた。作品賞に加えて、監督賞(ヴィンセント・ミネリ)、脚色賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、作曲賞、歌曲賞を獲得している。
6.『ウエスト・サイド物語』 (1961)
同名ミュージカルの映画化作品で、レナード・バーンスタインが作曲、スティーヴン・ソンドハイムが作詞を手がけた。1957年のニューヨークを舞台に、二つの対立する若者ギャング団―ジェットとシャーク―を中心に物語が展開される。ジェッツの元メンバーであるトニーが、シャークのリーダーの妹マリアに恋をしたことで、波紋が広がっていく。1961年の興行収入最高記録を打ち立て、オスカーでは作品賞、監督賞、助演男優賞(ジョージ・チャキリス)、助演女優賞(リタ・モレノ)を含む10冠を達成している。
7.『マイ・フェア・レディ』(1964)
ジョージ・バーナード・ショーの1913年の戯曲『ピグマリオン』を基に1956年に制作されたミュージカルを原作とする本作では、オードリー・ヘプバーンが貧しいコックニーなまりの花売り娘イライザ・ドゥーリトルを演じている。言語学者のヘンリー・ヒギンズ教授(レックス・ハリソン)は彼女に目をつけ、正しい英語を教えるという賭けに出る。1964年の興行収入最高記録を打ち立て、作品賞、監督賞、主演男優賞(ハリソン)など8部門で受賞を果たした。
8.『サウンド・オブ・ミュージック』 (1965)
修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)が、7人の子どもたちの家庭教師となる物語。彼女は最終的に、子どもたちの父親で妻を亡くしたトラップ大佐(クリストファー・プラマー)と恋に落ちる。大佐がドイツ海軍への入隊を命じられると、一家はナチスに加担するのを拒否し、オーストリアからの逃亡を決意する。1965年の興行収入最高記録を打ち立て、作品賞、監督賞ほか計5部門で受賞している。
9.『オリバー!』 (1968)
チャールズ・ディケンズの1838年の小説『オリバー・ツイスト』を脚色した舞台を映画化した『オリバー!』は、孤児のオリバー(マーク・レスター)がロンドンへ逃げ出す姿を追う。作品賞ほか、監督賞(キャロル・リード)、美術賞、作曲賞、音響賞を受賞している。
10.『シカゴ』 (2002)
『オリバー!』が作品賞を受賞してから、34年。ロブ・マーシャル監督、レネー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア出演の『シカゴ』は、ボブ・フォッシーのブロードウェイ・ミュージカルを原作としている。殺人を犯した主婦(ゼルウィガー)とヴォードビル・スター(ゼタ=ジョーンズ)が裁判にかけられ、名声を求める物語を描いている。作品賞をはじめ、助演女優賞(ゼタ=ジョーンズ)、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞、音響賞の計6部門で受賞を果たした。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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