ショーン・コムズ裁判で元アシスタントが証言―8年間にわたる性的被害の実態とは

元アシスタントが明かす8年間の虐待
ラップ界の大物ディディこと、ショーン・コムズの元アシスタントが、ニューヨーク南部連邦地裁で証言を行った。彼女は「ミア」という仮名を用いて証言した。ミアは、2009年から2017年の在職中に受けた複数の性的暴行、精神的・身体的虐待、過酷な労働環境について詳細に語った。
ショーン・コムズからの性加害の実態
検察は6人の女性連邦検事によるチームで、強制労働と組織犯罪の訴因を立証しようとしている。ミアはR&Bシンガーのキャシー・ヴェンチュラ(ディディの元恋人でもある)と親交があった著名なスタイリスト、ディオンテ・ナッシュと同様の証言を行い、ショーン・コムズからの暴力や支配について明かした。
陪審裁判で証言に立ったミアは、コムズから複数回にわたって性的暴行を受けたと述べた。最初の被害は、彼が40歳の誕生日を祝っていた際に起こったという。コムズはミアに酒を飲ませ、彼女のスカートの中に手を入れて襲ったと証言した。また別の機会には、二段ベッドで目を覚ました際、自分の上にコムズが乗っていたという。性行為を拒否したが、強要されたと証言した。
また、ミアはショーン・コムズの自宅に自室を与えられていた。しかし、ドアに鍵をかけることは許されなかったという。一方で、男性警備員たちは鍵のついた部屋を与えられたという、不平等な待遇にも言及した。
精神的限界に達するまでの勤務
さらに、ミアは5日間一睡もせず働かされたと証言した。疲労により視界がぼやけ、聴覚も失われた。さらに平衡感覚も失い、涙が止まらなくなったという。そのような状態になって、ようやくコムズから休むことを許されたと証言した。また、年俸55,000ドル(約800万円)を約束されていたが、実際の支給額は50,000ドル(約720万円)だったとも主張している。
元恋人キャシーへの暴力と周囲への恐怖支配
元恋人のヴェンチュラへの暴力も頻繁に目撃したと述べた。特に、コムズが彼女をベッドのフレームに叩きつけて額から出血させた事件は、ミアにとっても衝撃的な出来事だったという。また、ヴェンチュラと2人でパーティーに出かけた際にはコムズに見つかり、ヴェンチュラが公衆の面前で暴行されたと証言した。
真実を語る決意
本来、ミアはショーン・コムズとの過去を法廷で語りたくなかったという。「私の人生で最大のトラウマで、最悪の出来事だった」と証言した。しかし、なぜ証言を決意したのかと問われると、こう答えた。「すべての真実を語らなければならないからです」と。
現在、裁判は検察側の審理終了が早まる可能性があり、弁護側は戦略を見直して審理時間の延長を求めている。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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