ブラッド・ピット『F1/エフワン』映画が快走!全世界オープニング興行収入210億円、『M3GAN』続編は伸び悩む

ブラッド・ピットとダムソン・イドリスが主演し、Appleが手がける新作映画『F1/エフワン』が晴れやかなスタートを切った。
『トップガン マーヴェリック』で知られるジョセフ・コシンスキー監督によるこのF1映画は、6月27日の公開後、米国内のオープニング興行収入5,560万ドル(約80億円)という驚異的な数字を記録した。
『F1/エフワン』の興行予測と戦略
ワーナー・ブラザースが配給を担当し、Appleと共同でマーケティングを展開するこの大規模作品は、海外でのオープニング興行収入は8,840万ドル(約130億円)に達し、米国内と合わせて全世界での興行収入1億4,400万ドル(約210億円)を突破。
『ワールド・ウォー Z』(2013年)の1億1,200万ドル(約160億円)を上回り、ピットの長年のキャリアにおける世界興行収入トップとなった(インフレ調整前)。
この映画は7月11日の『スーパーマン』 公開までIMAXスクリーンを独占し、さらにその期間の一部でドルビーシネマを含む他のプレミアム大型フォーマットスクリーンでも上映されるという大きな優位性を持っている。同作の興行収入の58%はPLFスクリーン上映が占め、IMAXだけで2,770万ドル(約40億円、全世界売上の19.2%)に達した。
ただし重要な注意点として、この映画はマーケティング費用を除いても最低2億ドル(約290億円)という巨額の製作予算を要している。
Appleにとっての重要な転換点
『F1/エフワン』は、Appleにとって大きな転換点となった。同社はマーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』やリドリー・スコット監督の『ナポレオン』の興行収入が伸び悩んだことで、劇場公開映画の製作を躊躇していた。しかし、『F1/エフワン』によって再び映画界に参入したことになる。
本作では、ブラッド・ピットが負傷し引退した伝説的F1ドライバーを演じ、イドリス演じる若手ドライバーを指導してレースに挑む。ハビエル・バルデムがF1チームオーナーを演じ、『トップガン マーヴェリック』の音楽も担当した作曲家のハンス・ジマーが本作も担当している。
F1映画:過去の興行事例
F1はアメリカ国内では諸外国ほど人気がなかったために、F1を扱う映画は興行的に期待を下回るものが多かった。2013年に公開されたロン・ハワード監督のF1映画『ラッシュ/プライドと友情』(クリス・ヘムズワース主演)の興行収入は、米国内で2,690万ドル(約39億円)、全世界で9,700万ドル(約140億円)にとどまった。
一方で、ヨーロッパの有名な“ル・マン耐久レース”をテーマとし、マット・デイモンとクリスチャン・ベール主演の『フォードvsフェラーリ』(2019年)は、3,150万ドル(約45億円)という堅実な興行収入を記録した。
『M3GAN/ミーガン 2.0』の興行成績
『F1/エフワン』は、低予算ホラーで知られるブラムハウスとアトミック・モンスター(『死霊館』シリーズ)が手がける人気ホラー続編『M3GAN/ミーガン 2.0』を大きく引き離している。『M3GAN/ミーガン 2.0』は国内での推定オープニング興行収入が1,020万ドル(約15億円)と低迷し、4位に終わった。
配給元のユニバーサルは、2023年公開の第1作より約1,000万ドル(約14億円)少ない2,000万ドル(約29億円)のオープニング興行収入を予測していたが、これをさらに下回る結果となった。本作の世界興行収入も1,720万ドル(約25億円)にとどまっている。
『M3GAN/ミーガン 2.0』のストーリーと制作陣
『M3GAN/ミーガン 2.0』は、少女の親友になるようにプログラムされたAI人形のミーガンが、ヴァイオレット・マッグロウ演じるケイディを守るために殺人を繰り返し、その後封印された2年後を舞台にしている。アリソン・ウィリアムズ演じるミーガンの開発者であるケイディの叔母は、AIに対する政府規制を訴える著名作家となった。しかし、さらに危険なAI人形アメリア(演:イヴァンナ・ザクノ)が現れると、ミーガンが復活し、大混乱が巻き起こる。
監督のジェラルド・ジョンストンは、アケラ・クーパーと共同で脚本も担当。クーパーと製作のジェームズ・ワンが生み出したキャラクターを引き続き登場させた。
俳優のブライアン・ジョーダン・アルバレスとジェン・ヴァン・エップスは、マッグロウとウィリアムズと共に復帰した。また、新キャストとしてアリストートル・アタリ、ティム・シャープ、グラミー賞を受賞しエミー賞に11回ノミネートされたジェマイン・クレメントも出演している。
2025年映画興行の展望
他のユニバーサル作品も注目の結果となっている。ドリームワークス・アニメーションが製作したアニメ映画の実写版『ヒックとドラゴン』は、公開3週目を迎え推定1,940万ドル(約28億円)で2位につけた。
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズとピクサー・アニメーション・スタジオ製作の『星つなぎのエリオ』が米国公開2週目で3位にランクインしたものの、前週の約半分の推定1,070万ドル(約15億円)にとどまった。10日間の興行収入は4,220万ドル(約60億円)で、苦戦を強いられている。一方で、この週の海外興行収入は3,010万ドル(約43億円)にのぼり、海外累計興行収入は7,230万ドル(約100億円)を記録した。
5位にはソニー・ピクチャーズの『28年後…』がつけた。本作も公開2週目にして推定970万ドル(約14億円)と大きく落ち込み、10日間の国内興行収入は5,030万ドル(約72億円)にとどまった。
一方で、ディズニーは実写版『リロ&スティッチ』 が好調だ。この週の米国内興行収入は4億ドル(約570億円)、世界興行収入は9億4,600万ドル(約1,350億円)を突破する快挙を成し遂げた。今年のハリウッド映画としては、『マインクラフト/ザ・ムービー』に次ぐ記録となる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
※7月1日 更新しました。
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