『ハリー・ポッター』再集結は“不可能”――コロンバス監督が語るJ・K・ローリングとの確執

映画『ハリー・ポッター』シリーズの最初の2作を手がけたクリス・コロンバス監督は、オリジナルキャストとの再集結について「けっして実現しない」と断言した。理由は、原作者J・K・ローリングのトランスジェンダーをめぐる発言にあるという。
コロンバス監督はこれまで、ブロードウェイの舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を映画化し、愛され続けるキャスト陣を再びスクリーンに呼び戻す構想を語ってきた。しかし、計画は頓挫し、あまりにも「複雑になりすぎた」と明かしている。
「もう絶対に実現しない。政治的な問題が絡みすぎてしまった。キャスト全員がそれぞれの意見を持っており、それはローリング氏の意見と食いちがっている。だから不可能なのだ」と、コロンバス監督は英『タイムズ』紙に語っている。
米『ハリウッド・リポーター』は、ローリングの代理人にコメントを求めている。
ローリングはここ数年、トランスフォビア的な言動で強い批判を浴びている。SNS上でトランスジェンダーの権利運動に公然と反対の立場を示し、今年初めには英国最高裁判所が「トランス女性は女性として認められず、法的に“性”は生物学的な性別を意味する」とした画期的な判決を歓迎したことも話題となった。
一方、2001年の『ハリー・ポッターと賢者の石』、2002年の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を監督したコロンバスは、原作者の物議を醸す主張に賛同しないことを公にしてきた。「もう10年ほどローリング氏とは話していない。だから、ローリング氏がいま何を考えているのかはまったくわからない」と、英『タイムズ』紙に語っている。
また、オリジナルキャストについては「ダニエル・ラドクリフとはごく最近も連絡を取ったばかりで、親密な関係を保っている。キャスト全員とも、現在も良好な関係にある」と明言した。
しかしローリングは、キャストと同じ思いを共有してはいない。作家本人は過去に、トランスジェンダー医療を支持した者をけっして許さないと公言しており、その中には『ハリー・ポッター』の主要キャストであるルパート・グリント、エマ・ワトソン、ダニエル・ラドクリフも含まれている。
これに対し、ラドクリフはローリングの発言について「本当に悲しくなる」とコメントしている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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