ジェイコブ・エロルディ、『フランケンシュタイン』の役作りについて語る——「解き放たれた気分だった」

ジェイコブ・エロルディは、ギレルモ・デル・トロ版『フランケンシュタイン』で“クリーチャー”への見事な変身を遂げたが、役作りは必要以上に突き詰めなかったようである。
現地時間10月6日(月)にロサンゼルスで行われたプレミアで、エロルディは米『ハリウッド・リポーター』にこう語った。
「特殊メイクが施されると、ある時点から“もう自分はクリーチャーだ”と体が求めてくるし、役に必要な集中力も生まれる。同時に、ギレルモは現場をとても自由にしてくれた。“安心して創作できる場”をつくってくれたんだ。だから創作面では解き放たれた気分だった。世間がイメージする“メソッド演技”、つまり本人も周りも苦しんで演技を引き出す、あの感じとは違っていた」
創造主ヴィクター・フランケンシュタインを演じるオスカー・アイザックも同調し、「現場の雰囲気はギレルモが作ってくれた。チームとして動いていたから、各自が自分の殻にこもって悶々とすることはなかった。たがいに支え合っていた」と振り返る。
本作は、デル・トロが何十年も温めてきた“念願の企画”である。完成を迎えた心境を、監督は冗談まじりに「達成の高揚と、産後うつのような虚脱感が同時に訪れる」と表現する。「地平線が急にずれるような感覚だ。ずっと夢見ていたチーム入りや卒業をようやく果たして『ああ!』とエレベーターがストンと落ちるような一瞬がある。一方で、すばらしいチームとともに、父と子、そして受け継がれる痛みを描く、オペラ的で美しく、壮大にして親密な物語を成し遂げた喜びもある。許しと受容の力を描くことは簡単ではない」
物語をヴィクターとクリーチャーの双方の視点で二部構成にした理由について、デル・トロはこう説明する。「いまの作品は、どちらか一方の視点に寄りがちだ。だが複雑さは、“もう一方がいる”という思考から生まれる。そして“他者は自分でもある”ということを認められるかどうかだ。『あなたと私ではなく、私たちだ』と認識できる物語こそ、いま語るべき切実なテーマである」
出演はジェイコブ・エロルディ、オスカー・アイザックのほか、ミア・ゴス、フェリックス・カメラー、クリストフ・ヴァルツ。『フランケンシュタイン』は10月17日より一部劇場で公開、11月7日よりNetflixで配信開始される。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- 【ホラー映画各ジャンル】恐怖の種類と魅力・おすすめ作品を紹介
- 【ボディホラー映画10選】身体の変容が生む独自の恐怖…失神者が続出した衝撃作『RAW』ほか
- 全13作!製作年順『ハロウィン』シリーズ【おすすめホラー映画】
- Netflix『フランケンシュタイン』ワールドプレミアで14分の大喝采――ギレルモ・デル・トロが悲願の作品で涙
- ギレルモ・デル・トロ監督、7年ぶり公式来日! 映画『フランケンシュタイン』舞台挨拶で小島秀夫と特別対談&日本の「舞踏」に着想を得た怪物の秘密を語る