大ヒットホラー映画『テリファー』出演俳優が製作陣を提訴――過酷な撮影と契約違反を暴露
『テリファー』過酷な撮影を俳優が明かす
2016年に公開された映画『テリファー』は、ピエロメイクの男「アート・ザ・クラウン」による残虐な殺害シーンの数々が予想を超える人気を呼び、総製作費250万ドル未満という低予算ながら、約1億ドルもの全世界興行収入を記録した。続編として『テリファー 終わらない惨劇』(2022年)、『テリファー 聖夜の悪夢』(2024年)も公開された。

『テリファー』の作中で特に印象的なのは、キャサリン・コーコラン演じるドーンが逆さ吊りにされ、ノコギリで殺害されるシーンだろう。
しかしコーコランは同作の撮影方法や契約内容が規則に反しているとして、現地時間10月26日(日)、監督・脚本などを手がけたダミアン・レオーネと製作したDark Age Cinemaを提訴した。
訴状の内容によれば、コーコランは殺害シーンで裸になることを撮影前に知らされていなかった。これは全米映画俳優組合(SAG)の規則に違反している。SAGは、性的な露出を含むシーンの撮影前に、プロデューサーは出演者から書面で同意を得ることを義務付けている。
訴状には、過酷な撮影環境についても記載されている。足首から逆さ吊りにされるシーンを撮影するため、コーコランは10時間にわたり40秒ずつ撮影を行った。その結果、頭蓋内の腫れ・鼓膜の損傷ありと診断された。
さらに訴状には「低予算映画のプロデューサーたちが、詐欺、セクシャルハラスメント、最終的には裏切り行為をはたらき、若手俳優を食い物にするという典型的な話」と記されている。
製作側が契約を無視?支払いを求め提訴
コーコランは当時、SAGが定める最低基準である日給100ドルでの出演に同意したが、2015年に「興行収入、ストリーミング、ライブイベント、グッズなどを含む『テリファー』の利益の1%」を受け取る契約を締結した。

しかしコーコランは、『テリファー』製作陣から正当な取り分を受け取っていないと主張している。2022年の『テリファー 終わらない惨劇』公開後、製作陣から断続的に取り分が支払われ始めた。しかし、現在までに支払われたのはわずか約8,300ドル(約123万円)だという。
コーコランがレオーネとプロデューサーのフィル・ファルコーネを問い詰めたところ、コーコランは「相手にされず、『記録を保管していない』と言われた」と明かした。
コーコラン側の弁護士は、訴状で次のように記している。「コーコラン氏がこの作品の撮影にあたり、わずかな報酬でリスクを負ったからこそ、同シリーズは存在している。そうでなければ、同作を低予算で制作することは不可能だっただろう。しかし、いざ報酬を支払う時が来ると、プロデューサーたちは彼女を欺くことを選んだのだ」
一方で、レオーネ側の弁護士は「レオーネ氏とファルコーネ氏は訴状の内容を否認しており、この訴訟に対して徹底的に反論する予定である」と述べた。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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