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『ハウスメイド』主演ブランドン・スクレナーが語るキャリアの転機──脇役から主演俳優へ導いた「一本の電話」

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ブランドン・スクレナー 写真:Leo Jacob/Trunk Archive
ブランドン・スクレナー 写真:Leo Jacob/Trunk Archive
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ブランドン・スクレナーがけっして口にしようとしない話題は数多い。新作映画のストーリー構成、お気に入りのシーン、もっとも過酷だった場面、演じたキャラクターの変化、そして結末――とりわけ結末については、徹底して口を閉ざしている。

完璧な夫婦と住み込みメイドを描く『ハウスメイド』

スクレナーが主演するのは、ポール・フェイグ監督による心理スリラー『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』である。表向きは完璧に見える夫婦(演:ブランドン・スクレナー、アマンダ・サイフリッド)のもとに、一人のメイドが住み込みで働き始めたことをきっかけに、きわどく危険な秘密が次第に浮かび上がっていく物語だ。

アマンダ・サイフリッドとシドニー・スウィーニー
(左から)アマンダ・サイフリッド、シドニー・スウィーニー、映画『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』より 写真:Lionsgate

そのメイドを演じるのは、“ジーンズのモデル”と呼ばれるシドニー・スウィーニーである。本作は、フリーダ・マクファデンによる2022年の同名ベストセラー小説を原作としているが、数々のどんでん返しが売りであるため、製作陣は内容の詳細を明かすことを極力避けている。

フリーダ・マクファデンのベストセラー小説『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』写真:Amazon.co.jp
フリーダ・マクファデンのベストセラー小説『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』写真:Amazon.co.jp

脇役俳優から主演俳優へ至るまでの道のり

一方でスクレナーが語れるのは、この主演級の座に至るまでの道のりだ。ほんの数年前まで、彼は長年、現場で着実に仕事を重ねる脇役俳優として活動しており、その立場に特に不満を感じることはなかったという。「10歳から建設現場でハンマーを振って育った。だから、働くことが当たり前だという感覚が身についている」と語る35歳のスクレナーは、ニュージャージー州出身で、建設業に携わる父と美容師の母のもとに育った。

ブランドン・スクレナー 写真:Phil Chester & Sara Byrn
ブランドン・スクレナー 写真:Phil Chester & Sara Byrn

高校卒業後にロサンゼルスへ移り、舞い込んできた仕事はすべて引き受けた。2011年から2018年まで放送されたFOXのシットコム『New Girl/ダサかわ女子と三銃士』へのゲスト出演、ロバート・メイプルソープの伝記映画、アダム・マッケイ監督の『バイス』(2018年)などがその一例である。転機となったのは、テイラー・シェリダン監督からの一本の電話だった。

ドラマ『1923』で訪れた転機

「『1923』は産道を通り抜けるような体験だった」と、スクレナーは『イエローストーン』の前日譚シリーズで、ケヴィン・コスナー演じるジョン・ダットンの祖父世代にあたる人物を演じた当時を振り返る。「あれほど大規模な作品で、しかも撮影スケジュール表の最上段に名前が載るのは初めてだった」と語る。

(左から)ジュリア・シュレプファー、ブランドン・スクレナー、ドラマ『1923』より 写真:EMERSON MILLER/Paramount+
(左から)ジュリア・シュレプファー、ブランドン・スクレナー、ドラマ『1923』より 写真:EMERSON MILLER/Paramount+

その活躍ぶりはシェリダン監督の信頼を勝ち取り、その後、シェリダン脚本のワーナー・ブラザース映画『F.A.S.T.』(2027年全米公開予定)でも主演が決まった。本人いわく、そこで大きな内面的変化が起きたという。建設作業員時代の“がむしゃらさ”は通用しなかったのだ。「監督に『そんなに必死にならなくていい』と言われた。しばらくは言い合いになったが、ある日ふっと腑に落ちた」とスクレナーは笑う。

『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』と騒動の余波

その肩の力が抜けた感覚を、次の作品にも持ち込んだ結果、スクレナーは初めて“演じる喜び”を実感する。しかしその作品、『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』(2024)は、共演者ブレイク・ライブリーと監督ジャスティン・バルドーニの法廷闘争へと発展したことで、作品を取り巻く状況はけっして穏やかではなくなった。

ブレイク・ライヴリーとジャスティン・バルドーニ 写真:Dimitrios Kambouris/Getty Images for Tiffany & Co.; Frazer Harrison/Getty Images
ブレイク・ライブリーとジャスティン・バルドーニ 写真:Dimitrios Kambouris/Getty Images for Tiffany & Co.; Frazer Harrison/Getty Images

インスタ投稿に返ってきた苛烈な反応

「出番は少なかったが、知名度が一気に跳ね上がった」とスクレナーは語る。プロモーション期間中、彼はファンに思いやりを持つよう呼びかける内容をインスタグラムに投稿した。「だれかを非難したつもりはない。ただ、この映画のメッセージに目を向けて、だれかを憎むのはやめようと言いたかった」。しかし、その意図はかならずしも好意的に受け取られたわけではなかった。

反発は瞬く間に広がった。「くたばれ」「キャリアが終わればいい」といった言葉を浴びせられたという。かつて別の有名俳優が同様の経験をした際に担当していた代理人は、スクレナーにSNSから距離を置くよう助言した。「でも、廊下の先に十万人が集まった部屋があって、全員が自分のことを話していると想像してほしい。ドアに耳を当てずにいられるか?」とスクレナーは言う。

(左から)ブランドン・スクレナー、アマンダ・サイフリッド、『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』より 写真:Daniel McFadden/Lionsgate
(左から)ブランドン・スクレナー、アマンダ・サイフリッド、『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』より 写真:Daniel McFadden/Lionsgate

映画『DROP/ドロップ』が予想外のヒット

やがて嵐は過ぎ去り、いまのスクレナーはまさに飛躍の年を迎えている。今年春には、メーガン・フェイヒーと共演したブラムハウス製作のスリラー映画『DROP/ドロップ』が予想外のヒットを記録した。高層ビル最上階のレストランを舞台にした本作について、「楽しかったし、観客にも愛された。でも撮影は単調だった」とスクレナーは笑う。「七週間、同じ椅子に座り続けて、今日は『イカのフライいる?』、翌日は『イカのフライどう?』みたいな感じでね。正直に言うと、めちゃくちゃきつかった」

公開を前に、再び沈黙――語れない“あの話題”

そして12月19日に、『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』が全米公開される。共演するシドニー・スウィーニーもまた、望まぬ注目を浴びてきた人物である。「彼女もいろいろ経験している。少し話したが、結局は遮断して、心に入れないようにするしかない」とスクレナーは語った。

(左から)ポール・フェイグ監督、アマンダ・サイフリッド、シドニー・スウィーニー、ブランドン・スクレナー、(2026年12月15日に開催された『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』LAプレミアにて)写真:Jon Kopaloff/Getty Images for Lionsgate
(左から)ポール・フェイグ監督、アマンダ・サイフリッド、シドニー・スウィーニー、ブランドン・スクレナー、(2026年12月15日に開催された『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』LAプレミアにて)写真:Jon Kopaloff/Getty Images for Lionsgate

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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