『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督: 潜水艇「タイタン」の悲劇は“タイタニック号の事故”に類似
アカデミー賞受賞作『タイタニック』の監督、ジェームズ・キャメロン氏が乗員5人が死亡したとされる潜水艇「タイタン」の悲劇について各メディアで見解を述べた。
米ABCニュースで木曜日、以下のように語った。「業界の多くの人々はこの潜水艇に懸念を示していた。運営会社のオーシャンゲートに対し“あまりにも実験的すぎる”、“認可が必要だ”と手紙を送ったこともある。“タイタニック号の事故”との類似性に衝撃を受けた。船長が警告に反した結果、大勢の人が犠牲になった。驚くべきことであり、とても現実とは思えない」
自身も潜水艇デザイナーだというキャメロン氏は、安全な船体を制作する困難さに理解を示しており、深海への潜水について概ね擁護した。「深海への潜水は成熟した芸術。このメッセージを持ち帰ることが極めて重要だ。もちろん、安全性に関する記録は絶対的な基準である。(タイタンの事故)は私たちが忘れることのない悪夢だ」
英BBCに対しキャメロン氏は、最初にニュースが報じられた時点で潜水艇は絶望的な状況だと認識していたとコメント。「最後に確認された位置で沈み込んでいると思っていた。そして、まさにその場所で発見された。衝撃音や酸素について人々が騒ぎ立てる長く悪夢のような茶番劇だった」
キャメロン氏は、タイタンの乗員の1人と親しかったという。「伝説のフランス人操縦士、ポールアンリ・ナルジョレは私の友人だ。とても小さな業界で、彼と知り合って25年経つ。このような悲劇で彼を失ったことは、とても乗り越えられそうにない」
さらに米「アンダーソン・クーパー360°」に出演し、月曜日にニュースを耳にした後、潜水艇業界で情報収集し“破裂”が起きたと予想したと語った。そしてキャメロン氏は「事態が展開するごとに偽りの希望をちらつかせられた。そのような経験をしなければならなかったご家族が不憫でならない」と気持ちを表した。
1997年の大ヒット作『タイタニック』では、実際の沈没現場や、潜水艇を使った残骸の探索を収めた映像が多用された。
運営会社オーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEOもタイタンに同乗しており、犠牲者の1人だとされている。最近は、過去のインタビューで安全性を軽視するような態度をとったり、船体に未承認の材料を使用していたとして批判にさらされていた。
米沿岸警備隊は木曜日、行方不明の潜水艇がタイタニックの残骸近くで爆発し、5人の乗員全員が即死したとの見方を示した。一時は音波探知機が大きな音を感知していたが、深海ロボットが木曜日にタイタンの破片を発見。衝撃音の正体は、タイタニックの残骸から発生したノイズだと考えられ、潜水艇は救助隊が現場に到着する前に破裂した可能性が高いという。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌