『SHOGUN 将軍』アンナ・サワイが演じる鞠子の魅力、シーズン2の可能性は?(THR独占インタビュー)

‘Shogun’ Star Breaks Down That Death in Penultimate Episode
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FXのテレビシリーズ『SHOGUN 将軍』に出演中の気鋭俳優アンナ・サワイが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

これまで、映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021)をはじめ、Apple TV+ドラマ『Pachinko パチンコ』、そして『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』といった海外作品に出演してきたサワイ。

そして現在、『SHOGUN 将軍』がディズニープラス/Huluで900万再生を記録するなど、全世界で話題沸騰中だ。

75年出版のジェームズ・クラベルによる小説を再映像化した本作は、ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)、吉井虎永(真田広之)、そして戸田鞠子(サワイ)の3人を中心とし、戦国時代の苦境を描いた豪華絢爛な時代劇となっている。

自身のキャリア史上『SHOGUN 将軍』を「最も誇りに思っている」と明かすサワイが、撮影への取り組み方から、シーズン2の可能性に至るまで、たっぷりと語ってくれた。

またインタビュー後半では、ファンに大人気となった鞠子役に関してや、第9話の衝撃的な出来事について率直に語った。

(この記事の後半では、『SHOGUN 将軍』第9話「真紅の空」の重大なネタバレが含まれます。

——– 戸田鞠子のどんなところに魅力を感じましたか?

彼女が単なる脇役や、単なる恋の相手役でもないところが気に入りました。

恋愛対象にはなりますが、それが彼女の全てでもなければ、キャラクターの重要な点でもありません。

彼女にはもっと大きな目的があるんです。

日本人として欧米の映画を見ていると、「自分のことを見てくれている気がしない」ことがよくありました。

登場人物は大抵の場合平たく、深掘りされていませんでした。

でも鞠子の場合は、日本社会が女性に与える葛藤や、独特な文化的影響を大きく反映していました。

それが彼女を演じたいと思った一番の理由です。

——– 役作りをする上で、重要だったことを教えてください。

最も重要だったのは、彼女の旅路、つまり彼女の生い立ちと、鞠子という人物を形成してきた背景を追跡することでした。

小説を読み、細川ガラシャ(マリコのモデルとなった歴史上の女性)について調べました。そのすべてが重要だったと思います。

プロデューサーで共同脚本家のレイチェル・コンドウともたくさん話をしました。

彼女は日本人とアメリカ人のハーフで、祖母の影響を受け、鞠子をどう描くか、なぜ鞠子というキャラクターが彼女にとって重要なのかと深く考えていました。

彼女のそのような話を聞くことで、鞠子を演じる上での核心に触れることができました。

——– 第4話あたりで、鞠子はシリーズ序盤よりもずっと奥深く、意外な印象になっていきました。彼女の本質が徐々に明らかになっていく過程で、何か感じたことはありますか?

あの時代、日本の女性は多くを表現することを許されていませんでした。

なので、最初の3話では、彼女に壁を感じ、完全に理解できないと思います。

ブラックソーンと共にするときだけ、彼女は少し心を開き、生い立ちや経験してきたことについて、ヒントを与えてくれます。

最初のうちは何も語りませんが、ブラックソーンに対しては、警戒心を解いていくんです。

その後、彼女が家族について話さざるを得なくなるシーンが増え、幼い頃の回想シーンも出てきます。

——– ブラックソーンに対して心を開いていく過程はとても興味深いですね。彼は部外者なので警戒心が薄れ、日本人同士ではできないような率直な話ができるのでしょうか?

そうですね。私が感じていたのは、鞠子が最終的にブラックソーンと親しくなる理由もそこにあるような気がしていました。

彼は日本社会のルールを知らないし、彼の前では、ある種の堅苦しい振る舞いをする必要がありません。

だから意外にも、彼女は自分らしくいられるんだと思います。

最初のうちは彼がどう思うかなんて気にもしていないし、彼に示すべき敬意も持っていないようなものでしたから。

——– 以降、『SHOGUN 将軍』第7話〜第9話の重大なネタバレが含まれます ——-

第8話の終わりで、虎永(真田広之)は鞠子に「自分の役目を果たす準備ができているか」と尋ね、彼女はできていると答えます。彼らの計画は、どのくらい前から立てられていたと思いますか?

鞠子はそのときになって初めて、これが全て計画の一部だったことを知るのです。

彼女は義父の広松様(西岡徳馬)の死を悼んでいました。それが計画の一部だと知らなかったのです。

だからこそ、広松様が主君(虎長)への目的を果たすために命を捧げたと聞いたとき、彼女は「これは全て起こるべきことだった。そして、今度は私が主君の求めることを果たす番なのだ」と気づくのです。

そのとき初めて彼女の宿命を認識し、第9話では自らが行動を起こすことになるのです。

——– 第7話の切腹未遂のシーンと、第9話の実際に亡くなるシーンの撮影では、どちらも同じような感情だったのでしょうか?

私は、「これが本当に彼女が死ぬ瞬間なのだ」と思って切腹のシーンに臨んだんです。

もし私が「まあ、この後も生きのびるから」と思っていたら、あれほどの重みはなかったでしょう。

でも、撮影時に驚いたことを覚えています。

切腹に関して、主君に仕えるために命を絶たなければならないという意味しか考えていなかったんです。

でもその日、隅に息子の姿を見て、切腹の持つ意味がすべてが本当に変わったんです。

鞠子は自分の目の前で家族が死ぬのを見なければならなかったのに、今度は息子に同じことをするんだと頭に浮かびました。

鞠子は大義のことばかり考えていて、息子を同じ立場に置くことの意味を直視できなかったんだと思います。

なのでその日、私はいろいろなことに気づきかされました。

そして最後の倉庫でのシーンは、切腹とはかなり違った死の描き方でした。

あのシーンでは、もう少し自然に死を迎えるんです。

鞠子は翌日には解放され、その他の人質も解放されると思っていました。

でも、最終的に「私を生かすつもりはないんだ」と気づくんです。

だからこれは、自分の宿命を即座に受け入れる瞬間です。

感情的になったり、頭の中ですべてを思い巡らせる時間がないから、よりパワフルなんです。

「これが私の宿命よ。さようなら」という感じです。

原作と同じように終わる(この1シーズンで終了する)予定の本作ですが、ディズニーにとって大きなヒットになりつつある今、この先に何かを期待していますか?

原作であるジェームズ・クラベルの小説のストーリーは、私たちのシーズン1で終わっています。

でも、この本は日本の歴史を元にしているので、続けようと思えば、私たちの歴史は続いていきます。

なので、制作陣が何かを見つけ出そうとすることはできると思います。

私は、シーズン1の終わり方が、とても気に入っています。

でも、本作のことを、私が今まで携わったどの作品よりも誇りに思っているので、もし続きがあるのなら、楽しみです。

今はただ、シーズン1を皆さんに楽しんで欲しいです。

最初の数話を見た人全員に言っているのは、もしその段階でこの作品が気に入ったなら、最後まで見続けてほしいということです。後半になればなるほど、面白くなっていくので。

『SHOGUN 将軍』は現在、Disney+(ディズニープラス)「スター」にて配信中。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約したものです。オリジナルはこちら

翻訳・編集:和田 萌 / 山口 京香 Kai Yamaguchi

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