カナダ脚本家組合、圧倒的多数でAIと公正な報酬をめぐり ストライキ権限を可決
組合員投票の結果、96.5%がストライキ権限に賛成した。これはカナダの映画・TVの独立系制作会社との新しい労働協約交渉が膠着状態に陥っているなかでの結果である。
カナダの作家たちは、同国の映画およびテレビの独立系製作会社との契約交渉の途中ながら、ストライキする準備を整えているようだ。
カナダ脚本家組合(WGC)は、96.5%の有権会員が、カナダ映像製作者協会(CMPA)との新たな契約交渉が決裂した場合のストライキ権限を可決したことを明らかにした。WGCディレクターのヴィクトリア・シェンは木曜日の声明で「このストライキ権限の可決投票は、WGC33年の歴史の中で初めての出来事であり、カナダの脚本家にとって転機となるものだ」と述べた。
WGC組合員の投票結果は、ストライキの発生を確約するものではないが、現在進行中の地元の映画・テレビ製作者との新しい独立製作契約をめぐる交渉が決裂した場合、この組合にストライキを実施する機会を与えることとなる。
カナダの労働交渉における主な障害は、ライターへの公正な報酬、実写やアニメーションプロジェクトにおける進化し続けるAI技術に対する保護、国内テレビシリーズにおけるライターズルームの最小人員配置などの確保である。「強力なストライキ権があるからといって、必ずしもストライキを行うとは限りませんが、必要であれば自分たちを守る用意があることをプロデューサーに伝えています。私たちは、組合員のための公正な合意を交渉することに尽力し続けます」とシェン氏は付け加えた。
WGCがプロデューサーとの交渉で照準を合わせているAI保護、ライターへの報酬、テレビ制作スタッフの最小人数などの問題は、昨年の全米脚本家組合とAMPTPとの交渉でも取り上げられ、新契約が合意されるまでハリウッドライターの長期ストライキにつながった。
カナダでのストライキ権投票は、WGCとCMPA間のIPA新協約をめぐる6ヶ月に及ぶ交渉に続くものである。前回の契約は2023年12月31日に失効した。WGCとCMPA交渉団の話し合い再開の日程はまだ確定していない。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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