カルラ・ソフィア・ガスコン、1時間のCNNインタビューで涙の弁明「私は人種差別主義者ではない」
アカデミー賞主演女優賞候補のカルラ・ソフィア・ガスコンは、映画『エミリア・ペレス』のキャンペーン中、過去のツイートが差別的とされ論争に発展。
SNS投稿をめぐる論争について、CNN en Españolの1時間特別インタビューで心情を吐露した。トランスジェンダー俳優として初のアカデミー賞候補となった彼女は、映画『エミリア・ペレス』のプロモーション中に浮上した差別的発言疑惑に対し、強く否定の姿勢を示した。
インタビュー中、人種差別、反ユダヤ主義、外国人排斥の疑いに対して弁明する中で何度も涙を流した。自身の言葉の解釈について後悔していることを表明しつつも、過去のツイートが今になって取り上げられたことに疑念を抱き、賞レースを妨害する意図があるのではないかと示唆した。
涙の告白と謝罪
インタビューの冒頭で、ガスコンは削除したSNS投稿について謝罪。「過去、現在、そして未来において、私の表現方法で不快に感じたすべての方々に心からお詫び申し上げます」と述べた。米『ハリウッド・リポーター』によると、このインタビューは『エミリア・ペレス』配給元のNetflixの関与はなく、ガスコン自身が企画したという。
問題となった投稿の真相
ジョージ・フロイド事件に関する投稿
2020年の投稿で物議を醸した発言について、ガスコンは「偽善を指摘しようとしただけ」と説明。
「ジョージ・フロイドのことを本当に気にかけていた人はごくわずかだったと私は思う。彼は薬物中毒者で犯罪を犯していた。けれど、彼の死によって、未だに黒人に権利がないと見なす人や、警察を殺人者だと決めつける人々がいることが、改めて浮き彫りになった。どちらも間違っている」
「突然、彼が象徴となり、みんなが彼を愛するようになった状況」への疑問を投げかけたと釈明した。
イスラム教に関する発言
彼女はイスラム教に対する立場でも非難を浴び、ヒューマン・ライツの名の下でその宗教を禁止すべきだと主張したとされていた。2020年のツイートの例では「私だけが感じる印象でしょうか、それともスペインでムスリムの人々が増えているのでしょうか? 毎回、学校に娘を迎えに行くたびに、髪を覆い、スカートが足元まである女性が増えているように感じます」と
イスラムフォビアの非難に対し、ガスコンは「私が反対しているのは過激派イスラム主義」と主張。2004年のマドリッド列車爆破事件が自分の家の近くで起きたことが自身の価値観に影響を与えたと説明し、ムスリムの友人との深い絆についても言及した。
さらに、彼女は誰にも何にも害を与えないように特に気を付けてきたと付け加えた。「私の人生では、1匹のハエすら殺さない。家にクモがいたらグラスをかぶせて、外に出してあげる」と語った。
オスカー投票への影響
インターネット上で流れているいくつかのスクリーンショットは、文脈から外れたり誤って解釈されたりしたのではなく、完全に作り上げられたものであるとも述べた。
『エミリア・ペレス』の共演者であるセレーナ・ゴメスを「金持ちのネズミ」と呼んだというツイートについても「もちろん、それは私ではない。私は一度も仲間に対してそんなことを言ったことがない。彼女をそんなふうに呼ぶことは絶対にありえない」と言い切った。
アカデミー賞の投票期間(2月18日まで)と重なるタイミングでの騒動について、ガスコンは「意図的な中傷キャンペーン」の可能性を示唆。「ノミネートを辞退する理由はない。私は犯罪を犯していないし、誰かを傷つけたわけでもない」と強調した。
今後の展望
「賞よりも重要なのは、この世界での私の存在の意味」と語るガスコン。トランスジェンダーの先駆者としての自覚を示しながら、「私たちは変わっていくし、もっと良い人間になれる」と締めくくった。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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